ビューティフル・ネームをつけて

とあるオフィスでの雑談のこと。

「おっさんずラブのキャストが変わるらしいよ」と台湾の女の子に話したら、「田中さんはいるの?」と返事が来た。

田中さん……? と一瞬ハテナが浮かび、すぐに"田中圭”のことだと理解しておかしくなった。

「田中さんは変わらずだよ」と答えると、続けて彼女は「林さんは?」という。これは"林遣都"のこと。「どうして名字にさん付けなの?」と聞いてみると、漢字の日本語読みがわからないのだそうだ。それにしても、苗字+さん付けなんて一番スタンダードな呼び方なのに、なんだか別の人を呼んでいるような気持ちになってしまうのはなぜだろう。

芸能人のことはたいてい、フルネームか愛称で呼ぶことが多い。愛してやまない健太郎も人前では「坂口健太郎」と呼ぶし、キムタクはキムタク。坂口さん、とも木村さんとも呼ばない。呼称にはその人のイメージが思いっきり詰まっていて、違う呼び方をするだけで一気に別人のような気がしてしまう。名前はまるで魔法のようだな、と思った。

「名前」のイメージ一つで他人の印象も変わるし、自分自身だって案外変われるもの。もし変わるとしたら、どんな名前をつけたいだろうか。


去年の毎日note


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