心は承知しているが、気持ちは巡らせたまま

前回と同様、今回も谷川俊太郎さんの『写真』から好きだなと思った文章をひとつ。

朝の光はやさしい。夕暮れの光はさびしい、真っ昼間の光は元気がいい、とそんな風にヒトは太陽からの光通信を受信するが、太陽が送ってくるメッセージが決して単一ではないことを、心は承知している。

やさしい、さびしい、元気がいいとは、まさに言い当てた言葉。時間帯によって私たちは太陽から、多くのメッセージを受け取る。

けれど、朝の光がさびしいときも、夕暮れの光がやさしいときも、もしかしたら真っ昼間の光を力なく感じることも、あるのかもしれない。写真に写った光を見ながら、谷川さんはどんな光通信を受信したのだろうか。

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