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句読点の使い方が好き

谷川俊太郎さんの『写真』から、これで最後。

何もしないでぼんやり座っていても、すぐ何か思ってしまう、考えてしまう、仕事の段取りとか、どうでもいい過去の出来事とか。無とか空とかいう境地を経験したことがない。

内容もさることながら、この文章で一番気になったのは読点「、」のうつ場所だ。

「思ってしまう、考えてしまう」で句点にしなかったところが、そんな繋げ方もあるんだな、と気にかかった。おそらく自分だったら、「思ってしまう、考えてしまう。仕事の段取りとか、どうでもいい過去の出来事とか。」と2文にしていただろう。

句読点、とくに読点のつける位置はいつも悩む。あまり頻繁にうってしまうと文章のスピードが落ち、幼い子に話しかけるような、ちょっともったりとした文章になってしまう。しかし読点が無いと、今度は息継ぎしづらくて、なんだか苦しく一方的な文章になる。句読点でどこに間を作るか、実はかなり重要な要素だと思う。

谷川さんはどうして、ここを一文にしたのだろうか。それとも2文では、文法的にも間違っているのだろうか。

目で追ってもちょうどよいその言葉とテンポを感じながら、自然な句読点のある文章の心地よさを考えた。

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