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大切なのは、過ごす時間の密度

うちの猫は変わった。

月齢数ヶ月のうちに保護されたものの、全く人に懐かずケージ暮らしをしていたらしい。やむを得ない事情で、他の同じ月齢の猫と一緒に我が家にたどり着いた時も、一人敵意を剥き出しにして私たちを睨みつけていた。

そんな彼を我が家族は構い倒した。玩具でケージの中にある小屋からおびき出して遊ばせ、手ずから与えるチュールのおいしさを覚えさせた。少し様子が落ち着いたタイミングで去勢し、それを機にフリーの生活が始まった。

主に私の部屋で生活していた彼に対して、私は果敢に攻めた。頭の中にはナウシカを想像し、相手は怖がっているだけだからと自分に言い聞かせた。すると、挨拶させてくれるようになり、撫でさせてくれるようになり、抱っこさせてくれるようになるまで時間はかからなかった。今ではあちらからスリスリしてくれる。

ここまで3か月くらい。猫に詳しい人には少なくとも半年はかかると言われていたので、上々ではないだろうか。

そこでふと思い出したのが、この本。

猫の本ではない。

モンテッソーリ教育を軸にした保育園の92歳の現役保育士さんが書かれた本で、モンテッソーリ教育をご存じない方や子どもに携わる方には是非お勧めしたい、とても読みやすい本だ。

その中で私が思い出したのは、親子で過ごす時間の話。

時間の長さではなく密度が大切

自粛が続いているので、ここ最近は必然的に一緒に過ごす時間も長い。でも、彼の変容は、私たちの積極的な関りの結果だと思っている。

無尽蔵な体力で他の猫が引くくらい飛び回る彼と全力で遊ぶ。片手間に遊んでいると、その気持ちが猫にはバレてしまって遊んでくれない。すると、ずっと足に纏わりついて遊べと催促してくるので、こっちも苛々してしまうことだってある。しかし、短時間でも全力で遊ぶと、ケロッとして自分から離れていくのだ。

猫と人を比べるな、と怒られてしまうかもしれない。もちろん猫より人間の子育ての方が断然大変だ。けれど、人でも猫でも、子どもでも大人でも、目の前にいる相手との向き合い方というのは変わらないのではないかと思う

会議でも授業でも団らんでも、お互いの積極的な関りを大事にした密な時間を過ごしたい。

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