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思いつくままに Season5

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思いつくままに書いてきた文章をここにまとめてみます。一人の人間のさらなる成長をお見せすることができれば幸いです。ここでは2019/06/18~2019/05/14の内容がまとめて… もっと読む
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#コンテンツ会議

格差とつながり、そして考察 映画「パラサイト」

今日は昼のお出かけで映画に。最近は映画熱がアート熱と同じぐらい上昇し、しかもこの間アカデミー賞の授賞式があったばかり。モチベーションが下がらないわけがありません。ということで今回見に行った映画はこれ、 そう、外国語映画としてはアカデミー史上初の作品賞になった「パラサイト」です。この史上初というのはアカデミーの歴史から考えられると本当に大変な出来事で個人的には絶対あり得ないだろうと思っていた話だったので非常に感慨深い話。 さて映画の感想の方に移りますが、その前にこの映画は他

全編ワンカットの臨場感へようこそ 「1917 命をかけた伝令」

昨日書いた吉田穂高展のあとは吉祥寺へ。夕方に家族で行う月一の食事会まで時間があったので映画を見ることにしました。 何を見ようか時間や内容と相談した結果「1917」を見ることに決めました。アカデミー賞作品賞にノミネートされ全編ワンカットで撮ったという異色の作品です。 ストーリーとしては第一次世界大戦の中、上官に命令された二人の主人公。聞くと敵地の最前線にいる味方に退却命令を伝えてほしい。もちろんそこまで行く間には何が起こるか分からない。前線にいる1600人の命を救うため、そ

日常の中にある世界 永遠のソール・ライター展

昨日のnoteで書いたとおり、今日は突然の休日。有意義なものにすべくどうしようかなと思った結果、今回はこちらに出かけました。 現在渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで行われている「永遠のソール・ライター」展です。今までいろいろな美術館・企画展に行ってきましたが、写真をメインとしたものは今回がはじめてです。 さてソール・ライターはアメリカの写真家で、1950年代の白黒写真の時代から写真を取り続けています。しばらくはファッション写真家として活躍しましたものの自身の方向と

DOKIとアートのテーマパーク「岡田美術館」

先日の箱根旅行および前回のnoteでポーラ美術館に行ったあと、バスを乗り継いで小涌園前へ。箱根駅伝でも見たあの大きいカーブのところにあるのがこちら、 岡田美術館です。ここは母親からのおすすめされたところで初めてきました。 そして今回の企画展は「DOKI土器!土偶に青銅器展 ―はにわもいっしょに古代のパレード―」です。岡田美術館は主に日本と東洋の作品を多く収蔵し、絵画・掛け軸・陶磁器など多彩なジャンルを扱っています。 その中で土器や青銅器もコレクションとして収蔵していまし

奇妙な現実の向こう側 「シュルレアリスムと絵画」 by ポーラ美術館

先日の土曜日一泊二日の箱根旅行にて、仙石原近くにある秘境ともいえる場所に行ってきました。 名前はポーラ美術館。箱根に行く用事がありなおかつ美術に興味がある人ならばぜひおすすめしたいスポットです。 ちなみに行ったときはこのように雪景色がきれいでした。 さて今回行った企画展は「シュルレアリスムと絵画 -ダリ、エリンストと日本の『シュール』」です。 シュルレアリスムとは日本では超現実主義と略されるもので無意識を描くという系譜だったり、現実から画家自身による何かしらの要素を加

作者と作品の共同生活 富山ガラス美術館

まだまだこれを書いているときは帰省のUターンラッシュの渋滞真っ只中ですが、覚えているうちにゆるく書いていきます。 ということで今日は帰りの寄り道として富山ガラス美術館に行ってきました。ここの特徴はなんと言っても縦線が強調された建物デザインにあると思います。 そして中にはいるとはたして上はどうなっているんだろうと思わせるエスカレーターと木材の融合。 そして癖のある文字案内。図書館も併設されており、勉強真っ最中の学生が新年から多数いらっしゃいました。 さて、肝心の展示はと

その先には何がある「印象派からその先へ展」

西洋美術、特に絵画において一つの分岐点があります。それは「印象派」。「印象・日の出」あるいは「第一回印象派展」を皮切りに当初は批判を浴びたもののありのままに描くものが評価されそして芸術の新たな多様性の流れに進んでいきます。 そんな「印象派」が生んだ影響とその先はどうなっていったのか。そんな歴史をかいつまむことのできる企画展に行ってきました。 場所は「三菱一号館美術館」。東京駅から少し歩いたところにあるこの建物はもともとは洋風事務所として建造されていたものを復元したものです

秘密の奥には何がある マル秘展に行く

前情報一切なし。動機はただ面白そうだから。 そんな理由で今日は六本木エリアにある東京ミッドタウンに行ってきました。ちなみに六本木ヒルズよりは少し離れているところで国際新美術館のすぐ近くです。 今回行ってきたのはこちら、 「マル秘展」です。場所は東京ミッドタウンの隣にある公園のそばにある建物。なんとなく見たことはありますが、ここまでのスペースがあるとは思ってませんでした。 そんな名前も怪しいこの展示で何が行われているのかというとデザインの源の展示です。今やどんな商品やモ

あの画にどうやってたどりついたのか -ゴッホ展 -

今日のゆるゆるした休日は上野へ。もう今年何回ここに来たか分かりません。前回来たのは東京都美術館で行われている「コートールド美術館展」のときだったかなと思います・・・2週間ぶりはさすがに早すぎなんじゃないか。 今日訪れた理由はこちら。 現在上野の森美術館で開催中の「ゴッホ展」です。上野の森美術館は上野にある数多くの美術館・博物館のなかでも運営形態が違うこともあり個性的な展示をすることが多い印象。 今日はひょっとしたら少しは待つかなと思っていましたがチケットおよび入場の待ち

広く浅く・・・オランジェリー展

今日のお休みは横浜へ。来たのはかなり久しぶりですね。最後に行ったのはいつだったか。そんな横浜へ来た目的は横浜美術館にて現在開催中の「オランジェリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」です。 今回の美術展では「オランジェリー美術館のコレクション」の前身となった「ジャン・ヴァルテル&ポール・ギヨーム コレクション」がメインになっています。特にポール・ギヨーム氏および周辺の生涯に焦点をおいた展示は興味深くおもしろかったです。 また12人の画家とあるよう

塩田千春展 魂がふるえる

今日は仕事を定時で上がらせていただき、六本木ヒルズまで若干無理やりですが行ってきました。目的はこれ、今週末まで森美術館で開催中の「塩田千春展:魂がふるえる」です。 六本木ヒルズに着いたのはだいたい20:30ぐらい。そこからこんな遅い時間にも関わらず15分ほどチケット購入のために並び、上層階の美術館へ行きました。 塩田千春さんはベルリン在住の現代美術家です。この方は正直今まで存じ上げなかったのですが、テレビを何気なく見ていたら彼女の特集があり作品たちを見ていて表題にあるとお

松方コレクション展に行く

今日は午前中に歯医者に行き、それから家に帰り少しの休養のあと上野へ。上野の展覧会といえば昨日から開催されている東京都美術館の「コートールド美術館展」が美術好きと言えば非常に熱いところですが、それよりもまずは開催期間が残り短い方にということでこちらに行ってきました。 今回行ったのは国立西洋美術館に収蔵されている「松方コレクション展」です。国立西洋美術館といえばル・コルビュジエによる設計した建物の一つとして世界文化遺産になっているのも記憶に新しいところだと思います。 さて松方

深い読み込みから魅せる世界 高畑勲展に行く

宮崎駿と共に制作し、「アルプスの少女ハイジ」、「火垂るの墓」、「平成狸合戦ぽんぽこ」など数多くのアニメーション作品を監督した高畑勲の展示会が現在東京国立近代美術館で現在開催中だったので行ってきました。 この企画展では最初に生涯を振り返りそれぞれの時代での代表作を絵コンテや脚本の資料とともに探ってみるという形式でした。 特に印象に残ったのがまだ紙の時代だったにもかかわらず存在したテンションチャートと呼ばれる登場人物それぞれのテンションの状態をグラフ化した図でした。この図があ

みんなのミュシャ展

今日のお休みは渋谷に行ってきました。今回の目的は現在 渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで行われている「みんなのミュシャ展」。半月ぶりの美術館めぐりです。 ミュシャことアルフォンス・マリア・ミュシャはチェコの方で挿絵画家や舞台装飾のデザインなど幅広い分野に取り組んできました。特に有名なのがポスター絵でそのきれいな植物や線の描写が高く評価され「アール・ヌーヴォー」というヨーロッパを中心とした美術運動に大きな影響を与えました。 またミュシャは第二次世界大戦の激動の中で命