右腕

音楽と写真と詩をする人(腕) 日々の暮らしの中で、心の機微の尻尾をそっと掴んでいきた…

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音楽と写真と詩をする人(腕) 日々の暮らしの中で、心の機微の尻尾をそっと掴んでいきたい。 扇状地、天井川のほとりでひっそり暮らしています。

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    右腕が書いた詩を集めたものになります。

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人はひとりじゃないけれど

人はひとりじゃないけれど ひとりで死にまた生まれていく 孤独は舐めるものではなく 奥歯でぐっと噛み締めるもの 伝う涙は温かく 落ちる涙はもう冷たい 人生100年時代でも 100回見られりゃ御の字か あの桜の花もきっと (閑話休題) 春眠は暁を覚えず ゆく川の流れは絶えず 日暮らし スマホに向かう 撫でた黒い柴犬の その腹の ふくふくとした 感触に 思い掛けず 頬が綻んだ それが幸せの形なら きっと 今年も桜は散る 私はまた一つ 歳をとった

    • 温度のこと to 湯(U)

      少し温度の足りない シャワーを浴びながら あと1度を上げる 気力が湧かず 一向に芯まで温まる 気配のない身体に ぶつかり 床に落ちる 水飛沫の束を ぽーっと 眺めていた ある日大雨の中 ある音楽家の生演奏を 野外の海辺で観た そこで聴いたバラードに なぜか涙が止まらず 嗚咽と涙と 雨と鼻水と 容赦無き向かい風で グシャグシャになって 訳が分からず震える私に 大切な人は ちょっと可笑しかったのか 柔らかく微笑み そっと手を握り 横に佇んでいた とても冷た

      • 脆い彫刻

        2020.11.09 目に留まった 枯葉に ふと蹴つまずいてみて 気付く 切り離されて 落ちている 生気はなく かつて養分を運んでいた 葉脈は 脆い彫刻となって 11月は 死の匂いが漂う 鼻をくすぐる死骸の薫りは ほんのりと甘く湿った 土気色だ 散り際を考える 枝からほろり落ちる その瞬間を 死が彩って、黒い冬を経て コンクリートに 覆われた大地で 還るべき土を失った 亡骸は 少しずつ粉になって どこへ向かうのか 私の穴という穴から 身体の中に取り込まれて 一

        • 初めまして。

          初めまして。 右腕と申します。 普段は会社員をしながら、余暇の時間を使って音楽・写真活動を行なっている人(腕)です。 こんな歌を歌ったり…   あと、実は密かに詩も書いていたりします。 今回noteを始めたのは、書き溜めた詩を供養する場所が欲しいなと思ったのがキッカケ。 けれども、詩だけに拘らず、日々感じたことを感じた時にしたためていければと思っています。 徒然なるままに日暮らしスマホに向かいて…(ブツブツ) 右腕の文章たちを通して、誰かと何かを共有できたとして

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