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地元が「消滅可能性自治体」だった

先日「消滅可能性自治体」というものが公開された。
若年女性(20~39歳)の人口が2020年から2050年までの30年間で50%以上減少する自治体のことで、分析の結果、全国で744自治体あるらしい。

調べてみたら案の定、私の地元A市は消滅可能性自治体に該当していた。

この結果が公開されたことの意図はいろいろあると思うが「消滅可能性自治体に該当してしまった市町村はがんばって若い女性を増やして、結婚させて、子どもを産ませてね!じゃないと消滅するよ!」というメッセージなんだろう。

私としては地元が消滅しようが何とも思わないが、単純に若い女性が住みたくない場所なんだろうなと思った。

もちろん市町村によってさまざまな理由があると思うが(交通の便が悪い、子育てしづらい、仕事がないなど)個人的にはそこに住んでいる人が原因なのではと思う。

というのも、私が嫌いな親族の出身市町村がすべて消滅可能性自治体だった。
私の母も祖母も結婚して自分の実家を出て、夫の実家で舅や姑と暮らしてきた。
そんな母の出身地B市や祖母の出身地C市もまた、消滅可能性自治体である。

A市、B市、C市は隣接している。
こうやって考えると本当に狭い範囲で生きている人たちである。

結婚して子どもを生んで家庭を守ることが女の幸せ、女は料理ができないと駄目だ、一人っ子だと兄弟がいなくてかわいそう、などをマジトーンで言う人間がうようよいる地域だ。
若い女性が一番関わりたくない人間たちが。

私としては、田舎だから、不便だからA市を出たい、と思ったことは一度もない。

A市には本当になにもない。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアは数店舗ある。
かつては小さな本屋やCDショップがあったが、だいぶ前になくなった。
ファストフード店や、百貨店や、アミューズメント施設のようなものは全くない。

A市に住んでいたころ、マクドナルドができないかな、なんて一度も思ったことはなかった。
ここに住んでいる嫌いな人たち、親族、近所の人、教師、クラスメイトから早く離れたい、ただそれだけをずっと思っていた。

実際、母の出身地B市は少しだけ都会で、だいたいのチェーン店は存在するし交通の便も悪くないし、地元では有名な進学校もある。
それでも人は離れていっているのだ。

私が嫌いなタイプの人々を昔から育んできた土地であり、そこに残って暮らすことを選んだ人もまた同じ思考を持ち合わせている。
そういう土壌なのだ。

私は地元に戻りたいと思わない。
なぜなら住んでいる人たちが嫌いだから。

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