【特集記事】政治家向けアプリ「ミエセン」の魅力とは?

政治活動において名簿の活用と管理は、どの事務所も悩むほど重要な問題です。今回は、「ミエセン」の開発を主導した当社代表 大濱﨑とのインタビューにて、改めてミエセンの魅力をお伝えしようと思います。

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――御社の選挙コンサルティング事業では、データを重視したコンサルティングをしているそうですね。

 弊社では早くから「選挙を科学する」をテーマにした活動を継続してきました。
 具体的には、社内研究機関として「投票行動分析フォーラム」を開設し、政治活動・選挙活動と得票の集計や分析、結果の解釈などの情報を基礎研究として積み上げてきました。これらのデータを広く社会に公表していくことにより、有権者がどのような政治課題を重視しているかを客観的に知ることができ、日本の政治や行政に有益な示唆を与えることができると考えています。これらの研究結果については、報道などの現場で活用して頂いているほか、各政党や候補者へのコンサルティングにおいて重要な基礎データとなっています。
 また、これにより今後の選挙の予測の精度を上げ、弊社の顧客により的確なコンサルティングを提供することにも繋がります。簡単なところでは、「雨だと投票率が伸びない」など、投票日当日の天気と投票率には関係があると一般的に言われていますが、我々のこれまでの分析では、投票率に大きな影響は与えないことが分かっています。

――これまでの選挙ではデータが有効に利用されていないということでしょうか?

 日本の選挙では古くからのやり方をそのまま続けている部分がとても多くあります。これだけIT技術が進んできているのに、選挙の世界ではほとんどがアナログです。例えば後援会内部の連絡も、ほとんどがハガキやファクシミリだったりします。メールやチャットなどのツールを使えば簡単に終わる仕事を、いまだにアナログで処理していますから多くの事務処理に手間がかかっています。多くの事務所ではこのような事務処理だけのためにアルバイトやパートを雇っており、政治や選挙にお金がかかる理由のひとつにもなっています。

 後援会の名簿や地図も、いまだに紙の台帳で管理している事務所がたくさんあります。弊社にコンサルティングをご依頼頂く際に、最初にご要望を頂くのが名簿のデータ化だったりすることはよくあります。たとえ名簿がデータ化してあっても、感覚的には2割以上の事務所が特定の年賀状ソフトの形式になっていたりします。これではハガキ印刷以外に利用できません。しかも、バックアップもとっていないところがほとんどで、そのパソコンが壊れたら名簿そのものがなくなってしまうような危険な運用をしていて、大変驚きます。
 また、選挙運動では「地図落とし」という作業に膨大な時間を使っているところがたくさんあります。これは、個別訪問したお宅を住宅地図などに記入していくことで、反応の良し悪しを住宅地図に色を塗り分けたりする作業です。やったことがある方ならよくわかるのですが、記憶を頼りに住宅地図上で目的のお宅を探すのはなかなか大変なことです。一軒あたり1分から2分かかるとして50軒地図落としすればそれだけで1時間かかるわけです。最低でも1日100軒から200軒の個別訪問をすれば、地図落としだけで数時間かかってしまいます。この時間はほとんど生産性のない時間ですね。この時間を戸別訪問に使えたら、ぐっと当選の確率は上がります。

 日本の選挙活動や政治活動は技術の進歩に大きく遅れています。この状況は経験と勘だけに基づいて選挙戦略を立てていて、データを重視してこなかったことと表裏一体の関係にあると考えています。

――そのような状況を変えていくために、新しい製品である「ミエセン」を開発されたと伺いました。

 ジャッグジャパンでは、これまでも地図を使った選挙区可視化分析を数多く行ってきました。データを重視し、数字で裏付けをしていくことで、状況分析や戦略立案が正しくできれば選挙で勝てる確率をぐんと上げることができるわけです。
 ミエセンの開発には弊社が選挙コンサルティングの中で培ってきた様々なノウハウを盛り込みました。実際にお客様に使っていただき、要望を聞きながら使いやすくて効果的なものに育ててきました。すでに多くの地方議員はもとより複数の国会議員の事務所でもご利用頂いています。

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――この「ミエセン」は具体的にはどんな製品でしょうか。

 ミエセンのコンセプトは日頃の活動のすべての情報をデータ化(定量化)することと、それを分析し効果の高い活動につなげていくことです。
 活動のデータ化はとても簡単に必要な情報を入力できるように工夫してあります。日頃の政治活動の基本となる「戸別訪問」や「後援会活動」「ポスター貼り」などの記録もその場でスマートフォンの地図に直接入力しデータ化することができます。
 今まで何時間もかかっていた地図落としが簡単にその場でできるわけですから、効率は圧倒的に上がります。入力したデータはすぐに世帯情報マップとして見やすく表示され、進捗状況などが一目で直感的に理解できますし、訪問率や未訪問軒数も即座に把握できます。訪問ランク別の分布を地図に表示させることや、名簿種類などから優先世帯を地図に表示させて効率的な訪問ルートを決めることができます。

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 このデータはクラウド上に保管され、スマホやPCなどで分析することができます。分析はミエセンに予め設定された分析方法もありますし、生のデータをPCなどに取り出して様々に加工分析することも出来ます。
 つまりミエセンは、最低限の情報を簡単に入力して多くの有益な状況分析ができる、これからの政治活動には必須のツールというわけです。

――この「ミエセン」を使うとどんなメリットがあるのですか?

 一つは、活動の付帯作業の短時間化です。
 先ほど申し上げた地図落としなどが典型的な例です。これまで1日最低でも1-2時間はかかっていたこの作業が、ミエセンを使うとその場で入力が終わります。どの地域を訪問してどんな人とあったか、その人はどんな要望をもっていたのかなど政治や選挙にとって重要なデータを、スマホを3から5タップすれば入力できるようになっていますから、入力が負担になることはありません。進捗状況もリアルタイムで確認できます。
 それから、前回訪問時に留守だったお宅の一覧や、例えば婦人会に入っているお宅の一覧を出したりすることができますので目的のお宅を効率よく訪問することができます。

 効率を上げることによって得られた時間を使えば、より多くの有権者・支援者と接することができます。これは政治や選挙活動にはとても重要なことです。

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――事務作業の効率が劇的に上がりそうですね。ところで、このようにデータを入力していくことにはどのような意味があるのでしょうか?

 簡単にいうと「選挙の傾向と対策」がわかるんです。
 町字単位で戸別訪問の反応の良し悪しの分析を行ったりすることはもちろんですが、例えば国勢調査のデータと組み合わせて年収分布とか世帯構成と支持傾向を組み合わせた分析なども可能です。これがいわば「傾向」です。
その「傾向」を踏まえて、各地域や世帯で訴えるべき政策を練り直したり、辻立ちや選挙カーのスケジューリングを変えていくなど様々な戦略・戦術に役立てることができます。これが「対策」ですね。
 ミエセンを使うことで、数値に裏打ちされた新たな選挙戦略を立案することが可能になります。

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――勘や経験でなく、データに基づいた「傾向と対策」がこれからの選挙には必要ということなんですね。

 はい、その通りです。ミエセンは弊社がずっと訴えてきた「選挙を科学する」を実現するプラットフォームです。
 しかし、ミエセンの強みはそれだけではありません。

――「ミエセン」の異なる強み、それはどんなことですか?

 ミエセンのもう一つの強みは、データをリアルタイムに共有できるということです。
 ミエセンに入力されたデータはその都度クラウド上に保管されるので、そのデータを遠隔地からでもリアルタイムで閲覧することができます。国会議員の場合であれば、地元スタッフの活動状況を永田町にいる議員や秘書がPCやスマートフォンでリアルタイムで見ることができます。「今日訪問している町は反応の悪い世帯が多い」と判断したら、訴える政策を変えてみるなどの対策をその場で指示することができます。ミエセンの通信はもちろん暗号化されていますからセキュリティ面の心配はありません。
 スタッフ同士でお互いに進捗を見ながら、目標達成を喜び合ったりすることもできますね。そういうことって選挙というチームプレーでは大切なことです。

――なるほど。ところで先ほどのお話では選挙準備の事務作業が膨大で大きな負担になっているということでしたが、ミエセンでその対策はできますか。

 事務作業で特に大変なのは、文書を使った通信です。選挙準備では多くの文書を発送します。例えば、「事務所開き」「ミニ集会」「決起集会」「個人演説会」などすぐ思いつつものだけでも多数あります。

 ミエセンではまず、これらの文書のテンプレートを用意しました。選挙以外には使わない文書なので、初めて選挙に挑もうとしている方にとっては文書の作成は難しいものです。そのテンプレートの文書の宛先をミエセン上の名簿から宛先を変えながら差し込み印刷をすることができます。
また、これからの通信は印刷物の郵送からネット上の通信に変わっていきますから、ミエセンからメールやSMSを同時発信できるようにすることも計画中です。
 通信文書以外では「電話作戦リスト」などの管理簿となる文書も、住所ごとや紹介者ごと、年齢別など様々な切り口で出力できます。

――ミエセンはすでに国会議員も含めた多くのユーザがいると聞きましたが、ユーザの評判はいかがでしょう?

 ありがたいことに、とても高く評価して頂いております。ある国会議員の先生からは、地元の地方議員の方たちにも強く推薦して頂いて、どんどん現役議員のユーザも増えているところです。
 その代わりに要望事項も多くいただいています。その要望事項に答えていくことで更に良い製品になっていくと思いますので、積極的に要望は取り入れるようにしています。

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――ミエセンの価格について教えてください。

 一般市区町村議・特別区議会議員においては月額5,800円もしくは年額58,000円です。衆参国会議員、都道府県議、都道府県知事、市区町村長、政令市議においては月額7,800円もしくは年額78,000円になります。(別途初期費用がかかります/価格は2020年6月現在
 これだけ高機能なソフトウエアですが、できるだけ廉価に設定しました。弊社では社内にGIS(地図情報)の専門家がおり基本的な設計などを内製化しています。全面的に外注している他社とは違い、コストを押さえることができました。どんなにいいソフトウエアでも手が出ないほど高い価格では意味がありません。市区町村議会議員の新人候補者の方まで使って頂ける価格にこだわりました。
 既存の名簿をお持ちであればそのデータを先にミエセンにインポートして地図上に表示させておくこともできます。これなら2重で入力する必要はありませんし、これまでの重要な情報もしっかり引き継げます。ただこの名簿の事前入力はオプションになりますので、別途料金を頂いています。

――最後にこれから選挙に挑戦しようとしている人に一言お願いします。

 先程この業界全体の技術革新が遅れていると言いましたが、ごく少数ですが先進的な取り組みをしている事務所もありました。そこの候補者は安定して勝っていますね。やはりデータを使用した選挙戦略は重要だということが一層わかりました。これからの選挙では、データを蓄積し分析して戦略を立てて行かなければ勝てなくなっていくのではないでしょうか。
ミエセンにはデモ用のアカウントも用意してありますので、使い勝手をお試し頂くこともできます。
 それぞれの候補者の方がお持ちの、「思い」や「志」を社会に生かしていくためにも是非ミエセンをご利用頂きたいと思います。



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