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眠りを妨げるもの

もう少しで1日が終わりを告げようとする日曜の夜

その出来事はおきた

私は、ほろ酔いでウトウトしていると


【何か】が出現した


スゥ〜と、隣の部屋の戸が閉まる


『残念なお知らせがあります』


突然、隣の部屋から息子が喋っている

『突然何を言っているの?』

不思議がる妻


静かな夜を一瞬で壊す【黒いヤツ】が突然出現した


二人で何やら大騒ぎをしている


私は眠むかった、本当に眠かったのだが

私に眠ることは許されなかった


起き上がるとおもむろに手渡された殺虫剤

そこには、〇〇ジェットと書いてある

〇〇ジェットを手にした私は、眠気まなこで状況を理解した


そこからは、もう、妻と息子からの怒号に近い感じの指示がきた

『あっちだ!こっちだ!』

『そこじゃないよ!』


部屋の戸を頑なに開けない息子が

『そこの隙間に絶対いる』

『俺、絶対に見たから!』

『本当なの?』

ビビる妻

私は〇〇ジェット片手に物を避けながら

「シュー」とジェット噴射をするが

【黒いヤツ】の気配は全く感じない


『え〜いないじゃん!』


『そこだよ、そこ!』


相変わらず戸を閉めて指示を出す息子


『お前は超能力者か?』


『戸が閉まっていてわかるの?』


『わかるから俺!絶対に戸は開けない!』


すると妻が


『口はいいから手を動かして!』


すかさず指示が飛ぶ


『はい、はい』


騒然する我が家


何回かジェット噴射をしたが、もう逃げたと思われた瞬間


別の部屋の隙間へ移動するところを見つけた


『あっいた!』


千載一遇のチャンス!


咄嗟にジェット噴射をするが、【黒いヤツ】

噴射に負けず隙間へ


何度か噴射したのだが逃げられたとわかった瞬間

聞いてはいけない声を聞いてしまった!


妻:『使えな〜い』


息子:『マジか?逃したの?』


その一言で【黒いヤツ】より、私がやられた

マンガ風に例えると

『がーん❗️』って感じだ


ほとんど寝ていたところを叩き起こされ

殺虫剤を渡され孤軍奮闘したのに


『どうして逃すかな〜』


『どうして、仕留められないのかな〜』


『え〜だって【黒いヤツ】も必死じゃん』

『今回はあっちの逃げ勝ちだよ』


『い〜や、反応が遅い!』


『ボーっとしているからだよ!』


『もっと予測しないと!』


『じゃあ、じゃあ〜さ〜』

『君達二人でやっつければいいじゃん!』


すると妻と息子二人声を合わせて


『それは無理❗️』


『蝉とか普通の虫は大丈夫だけど、【黒いヤツ】は無理❗️』


我が家、みんな虫関係が苦手なのだ


妻は特に【黒いヤツ】

息子は虫全般

私は【黒いヤツ】は何故か平気なのだが、素早さに欠ける


我が家にいるであろう【黒いヤツ】は倒せるのだろうか?


戸を閉めた息子はそのまま、「おやすみ」と言って寝た


『もぅ〜気になって眠れな〜い』


『もぅ〜やだ〜』


私は戦った疲れと再びの眠気で

妻の声が子守唄のように聞こえ、眠りに落ちた


私の日曜日がやっと終わりを告げた




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