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領域

台所(キッチン)は女性の領域と思っていた

お父さんも、おじいちゃんも台所(キッチン)で料理を作ることはなかった

男子厨房に入らず


コテコテの昭和だった

時代はどんどん過ぎていって今では

台所(キッチン)男子なんて当たり前だ


私も昔は喫茶店でバイトしていた経験があるので

ホットサンド、生ジュースなどの調理はできるのだが

家では、全く台所(キッチン)に入ることはない

あるのは、味噌汁をよそったり、洗い物をするのがメインだ

料理は妻に全て任せている


ある休日、私は妻に言ってみた


「ねぇ〜今日の朝食か、ランチどっちか作ってあげるよ?」

「え〜」(あからさまに嫌な顔をする)

「だって、下手じゃん!」

「手際悪いし、片付けられないし」

「そ・そんなことないよ!」

「会社の台所(キッチン)でもランチ作っているし、料理の写真だって見ているじゃん!」

「あ〜茶色の料理ね」

そうなのだ、何故か、私の料理は茶色になってしまう

その原因はわかっている

(キノコが好きなので、エリンギ、しめじ、舞茸などのキノコ料理が多いからなのだろう)

「そうだよ、その茶色の調理を作ろうかなと!」

「え〜茶色の料理はパスかな〜」

「なんで!なんで!」

「台所(キッチン)汚くされるの嫌だし、結局最後に全部チェックするの私だから」

「これでも、喫茶店で作っていたんだよ」

「それは、周りのスタッフさんが優秀だったんだよ」


そんな話をしていると、トドメを刺しに息子が起きてきて一言


「俺、父さんの手作り朝食なら、コンビニ行ってパン買ってくる」


ど〜ん!


「へこむなぁ〜おはようの挨拶の前にダメ出しって!」


「ああ〜おはよ〜」


「とにかく、嫌だからね!父さんの手作り朝食は!」


「食べたことない癖に、お父さんの喫茶店風の手作り朝食」

「もう朝食は私が作るから座っていて」

と言って、手際よく朝食を作る


トースト、ベーコンエッグ、トマトサラダ、野菜スープ、コーヒー

あっという間に作ってしまった


「あっ喫茶店風の朝食じゃん!」


「ね!私が作った方が、早くて美味しいの!」


早くて美味いのは牛丼だよね?と思ったが、言葉には出さなかった


「あ〜美味しいな〜これだよコレ」


息子も黙々と食べていたので、ワザとツッコミを入れた


「あれ、コンビニにパン買いに行くんじゃないの?」


「父さんの手作りだったらね!」

「母さんの料理は、普通に美味しいからコンビニのパンは必要ないよ」


ウチの台所(キッチン)が神々しく見えてきた


入れない領域


料理を作る事は、妻の足元にも及ばない


私の料理で、一度は家族をビックリさせたいと思うが

今のままでは、違う意味でビックリさせてしまうだろうなぁ・・・


そう思いながら、大満足の朝食をペロリと食べて


「ご馳走さまでした」と妻に言うと

「ハイ!」と言う顔が

何となくドヤ顔に見えたが、それはきっと気のせいだ


いつも、美味しい料理をありがとう!


と思う反面、いつかきっと作ってやるぞ!

ビックリする料理を!


私の修行の日々はまだまだ続く・・・・・



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