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夢は持つべきか?

1.夢のない「21年」
 

 これまでの21年間、私はぼーーっと過ごしてきました。何も考えずに過ごしてきたわけではないですが、何か強い信念をもって過ごしてきたかといわれると肯定できません。だから今までこれといった夢を抱いたことがありません。これまでは「今を楽しむこと」を意識して過ごしてきました。様々な自分の人生のターニングポイントにおいても「今」や「目の前」のことからと、先のことはあえて考えませんでした。今を全力で過ごすことによって将来が自ずと見えてくると思っていたからです。

 そして自分が大人になることが想像できなかったので、将来はよくドラマに出てくるような会社で働くOLとして働くのだろうなとぼんやりと考えていました。 私が将来のことについて本気で考え始めたのは、就職活動がきっかけとなります。

 初めて自分と真摯に向き合いました。これまでの人生の過去を振り返って、改めて自分の過去から将来のことを見据えての行動をしてこなかったのか明らかになりました。

 就職活動ではどの企業を受けるにも将来の夢・やりたいことを聞かれることが多く、その都度に自分のやりたいことは何か、将来何したいのか、どんな社会人になりたいのかと考えていました。何度も考えるもなかなか見つけることができませんでした。周りの友達はいつか起業したいとか、自分の力で社会を良くしたいなどとても壮大な夢を語っている方が多かったのですが、私にはどうしても自分が起業するとか社会を良くするといったイメージが全くつかないのが正直なところでした。

 私は、自分が楽しく働き、その会社に貢献することによって社会を良くすることができるのではないか?と考えた為、様々な働き方をしている社会人に話を聞くことが近道であると考えました。そのため就活中に約100人の社会人とお会いし、様々な業界・業種の社会人の働き方や将来の夢を知ることで、自分が楽しく働くイメージがつきました。夢というかどんな大人になりたいのかを模索していました。


2.若者の現状―「夢」離れ―


 私は21年間夢がなかったのですが、実際はどのくらいの若者が夢を持っているのか調べたところ、マクロミルが12月28日に発表した「2018年 新成人に関する調査」では、将来の夢があると答えた新成人54.4%と過去最低の記録を更新しました。次いで、今のところないと答えた人が37.8%という結果になりました 。

夢 若者

https://news.mynavi.jp/article/20180108-564427/


 この統計結果、約半数以上の成人が夢があり、約4分の1が今の時点では夢がないという事になります。4年前までは約60%が夢を持っていたのにも関わらず、減少してきているのが現状です。

 日本の未来は明るいと思うかどうか調査したところ「明るいと思う」(「明るい」と「どちらかといえば明るい」の合計)は34.4%で、「暗いと思う」(「暗い」と「どちらかといえば暗い」の合計)の65.6%を大幅に下回る結果となりました。

夢 若者 2

https://news.biglobe.ne.jp/trend/1228/ccn_171228_3815808971.html

この結果より、若者の「夢」離れが顕著に出ていると思います。
 

 このように若者が夢を持たない時代に変化している理由は様々あると思いますが、その1つとして、自分の夢を叶える為に楽しそうにワクワク働く社会人が周りにいないという事も挙げられると思います。少なからず、私は夢やキャリアプランを考える際に様々な不安があります。例えば、子供を産む時期と自分のキャリアについてや仕事と家庭の両立など。

 この悩みは女性特有の悩みなのではないでしょうか。私の周りでは、子供を産んでからは「家庭に入る」、「時間の融通が利くパートとして働く」など、結婚や出産をきっかけに働き方が様々になっている社会人が多数でした。このような状況で私自身も自分のやりたいことや好きなことでほんとに働けるのか全く想像がつきませんでした。

 そこで、株式会社インテージが「世界の働く女性たちが描く、5年後のありたい自分」をテーマに、日本、インドネシア、インドの20代・30代の働く女性を対象に調査した結果 によると、以下になりました。

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https://www.fnn.jp/posts/000000020_000036691PRT

 インドの女性は、「夢」「創造性」「力」「希望」といった言葉が中心に現れ、近未来に前向きに立ち向かう意志が感じられます。また、インドネシアの女性は、責任感を持ってハードに働いていこうとする意気込みが伝わってきます。両国の女性は働くことの対して、前向きであることがうかがえます。それに対して、日本の女性は何かを達成するとか、挑戦するといったアグレッシブな未来ではなく、心に余裕を持ってゆっくり過ごすという印象があります。

 日本人が持の女性の「結婚して子供を産まなければならない」という強い規範意識が、夢の実現やバリバリ働くという冒険的なキャリア選択を阻んでいるのではないのかと考えられます。
また筒井によれば

「日本では(中略)大企業は配置転換や出向というかたちで男性稼ぎ手の雇用を維持し、家庭はパート女性を専業主婦として非労働力化し、自営業や農家は余った労働力を柔軟に吸収した。このようななかで、「男性は会社で稼ぎ、女性は主に家事・育児・介護をする」という性別分業が堅持されてきたのである。」(文献名「仕事と家族 日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか」筆者 筒井淳也 2015年 中公新書 p22)

と述べています。

 このように、ライフステージによって働き方を変える必要があります。私の場合は楽しく夢を持って働く女性のロールモデルが周りにいないことが、夢がなかった一番の原因なのではないかと考えました。
 もっと、楽しく夢を持って働く社会人が増えれば、若者も将来に夢や希望を持って働くことができるのではないでしょうか。


3.夢は持つべきなのか


 ここまで、若者が夢を持たない傾向にある、女性が働きやすい社会にすることが重要と述べてきましたが、実際に本当に「夢は持つべきなのか?」という事について改めて考えたいと思います。
 

 私を持たなくても良いと考えます。就職活動では、将来の夢をよく聞かれイメージがつかなかったと語ってきましたが、実際本当に夢は持つべきなのか・・・?と疑問に感じていました。そもそも、私は「夢」は自然とできるものだと考えています。夢を見つける為に行動をする自分に違和感を感じながら就職活動をしていました。様々な経験から自然と夢ができてくるものだと思っています。今考えると自分の夢を探していた時間は本当に生産性のない時間だったと思います。
 

将来●●がしたい!とか●●のようになりたい!というような夢がなくても、自分なりに見つけていけばそれで良いと思います。
 

 日々の生活で、自分が楽しくワクワクと生きていけるようなことが1つでも見つけられれば、それでも立派な夢だと思います。実際私も、就職活動中に自分の夢がなくてとても落ち込みました。何度考えても答えが出ずにいました。ですが、本当に夢は作るべきなのか??と自分で問いただすと、立派な夢がある友人と自分を比較しているだけなんだと考えられるようになりました。


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 また、現在キャリア支援のインターンを行っているのですが、「Get your…」という自分の夢をみんなの前でプレゼンするというイベントを開きました。
 

 主に学生から社会人の方に3分で自分の夢をプレゼンしてもらうという内容です。そこで、ある学生の方が「夢はなくても良い」という内容のプレゼンをしており、そこで私もハッとしました。それと同時に、「歌手になりたい!」「消滅可能性都市から起業して、赤パンツで世界的な企業を目指す」とった様々な夢を持った熱い方々にプレゼンしていただきました。

 私は率直に感じたことがあります。それは夢がある・なしに関わらず、自分らしい人生の選択ができればそれで良いのではないか・・・?という事です。これまで自分が夢がないと嘆いていましたがとてもちっぽけな悩みだったと思います。

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 このイベントを開催したことにより、自分の人生と向き合うきっかけになり、これからは夢がある・なしではなく、自分らしいキャリア選択をしていこう!と決意しました。


4.私の夢 
 

 私の夢は、夢に向かって努力している人を応援するという事です。これまでの21年間は夢がなかったですが、このような経験や様々な方の話を聞くことにより、私にもこのような夢ができました(とても胡散臭いですが・・・笑)。
 

 これまでの21年間は夢もなく生きていましたが、就職活動をはじめとする様々な活動により、自分の将来や日本の労働に関する問題を考えていくようになりました。これからは日本の若者の力が本当の意味で必要になってくる時代です。

内定式で、加藤専務がこれからの時代は「若者が夢を捨てる時代」とおっしゃっていましたが、そのような時代にならないように私たちがこれからの日本を盛り上げていくべきです。

 私にはまだ何の力もなく、社会に対してできることは何もないですが、これから自分自身がビジネスを通して成長することで、貢献できるような人間になりたいと思います。
 

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

遠藤 緑

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