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#詩
詩 浮き雲よ遠く遠くへ
いつのまにか
薄く伸びた雲は
まるで綿菓子の最後のひと巻き
たおやかな風は
熱と匂いのある景色を忘れ去る
わたしの歩く道が途切れるように
なにかと空を見上げる癖は
いつついたのだろうか
色付く前の落葉樹は
移ろいゆくものの躊躇いを
見逃す懐
ならば教えて欲しい
後ろに置いた荷物を
再び背負うか
置き去りにするか
この身はどちらを許すのか
今も耳に残る季節の残響
浮き雲の遠く遠くへ
ひぐらしよ
詩 雨だれを数える日々に
野辺へと向かう身に施す
ひとさしの紅
見送る側を慰めるとも言う
引かれる色は無念の赤
掃き出しの障子を開ける
しっぽりと
濡れたブルーグレーの空の下
仮のお宿も見つからないか
ちいさな雀が
木々の間を行ったり来たり
単衣の合わせを固く閉じて
押し留めた情の絡みは
どこまで待っても無縁仏
軒下の紫陽花が揺れる
わたしは雨だれをひとつ
またひとつと数えた
*
前回の句会に寄せた句に書いた詩な
散文詩 一筆したため春薄暮
前略貴女様
随分と笑顔を見せてくれるようになったと思います。
貴女のお母さんはやはり苦労の連続でしたが、いつもお話しているように大丈夫なのですよ。
思い出してください。髪をとかしてくれるのはお母さん。ぼろぼろの子犬のぬいぐるみを繕ってくれたのもお母さん。三輪車を押してくれたのもお母さん。
お母さんは大丈夫です。きっと幸せになりますよ。そして貴女を捨てたり、ましてや殺めたりなどあろうはずはありませ
散文詩小説 弱き心天空に燃ゆ
note神話部3周年記念祭のための作品です。
今回のお題は選択制。指定された文言を作中に入れるか、指定された写真を見た上で、発想を飛ばした作品を仕上げるかの二択です。
わたしは写真を選択しました。また、作品に写真解釈の正誤は無いとの事です。
写真は創作部分の最後に掲示しますが「廃墟の神殿」を思い、妄想散文詩小説に仕上げました。
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散文詩小説
弱き心天空に燃ゆ