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吉田 翠*詩文*
2020年6月27日 19:45
気がつけば口をつく繰り言は先に旅立った父に向けられたものかどうなのかそうかと思えば毎年実を付ける金柑に手を入れ玄関先には母の育てる鉢植えがひとつまたひとつと増えていった何が本当で何が嘘なのか夫婦は互いの影を踏み知ってか知らずかやがてはそれも気にならぬ程重なりあった影となるあれから長い年月が流れ、母の娘は夫の影とどれほど重なりあっているのだろうかとため息をつくガラリと窓を
2020年6月12日 17:58
帳の中で交錯した冷酷と不可解な熱の涙が乾ききらぬ間に柔らかな乳白色に促されひらいた窓の先に広がる朝凪再びこぼれた涙の意味を問うて置き捨てたまだ若い花束を見つめたくちびるから漏れる沈黙の呼吸 #詩