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2018年9月の記事一覧

お題参加作品ー詩ー

お題参加作品ー詩ー

《おぼろ》

艶立つほどの漆黒のさなか
なぜ
歳若き月は儚げに漂う

恋しい人の姿形が
ぼんやりと遠のき
星々がひとつ消えふたつ消え
やがて
すべてがおぼろに写るのは
月詠み人の戯れだと
そんな言い訳など効かぬように
雫ひとつが
何事でも無いかのように落ちる

誰も彼も嘘がつけない夜だから
わたしはもたれる肩を探した

詩人の本懐 お題 『満天』

《儚い夢の中で揺れて》

色の無いはずの水の

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下弦

下弦

盛りの過ぎた恍惚の宴がしずと幕を下ろす

軽く俯き暗幕の中に身を滑らせわたしを閉じる時

密やかに唇が動きわたしは安堵する

目の裏に見える

下弦の月

今週の頭は中秋の名月から翌満月。note上でも、美しい月の写真を見せていただきました。

満月の少し前、その時から美しいと言われる『ふた夜の月』少し隠す月がやがて満月を迎え、ただ何となく恥じらいを感じると、しリんさんのコメント欄に書きました

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お題参加作品

お題参加作品

今回は、まるで違うテイストの詩、三編になってしまいました。ごった煮😅

まどろみは朝が来る少し前に

退屈な夜に後ろ髪を引かれているのに少し

少しだけ緩んだ吐息を落とす

窓辺に頬杖をつけば薄いブルーグレーが

静寂のしじまに明けを連れて来るのが見えたから

嘘のない顔で眠るあなたの横で

嘘を脱ぎ捨てるための小さな眠りにつきましょう

退屈な夜の残り香が

異国のおとぎ話を語りだすまえに

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詩 天上よりの華

詩 天上よりの華

彼岸花はどうして
あんなにも鮮やかな色姿なのでしょう
現し世から離れた人の心に残る
未練の破片を引き受け写したのであれば
それは
やがて消え行くための
一瞬の艶やかさなのでしょうか

曼珠沙華という名が先についたと教える人もいます
天上の花という意味を持つ曼珠沙華が
彼岸のほとりに咲く姿を目の奥に思い描く時
華奢でありながら強い毒を持つ身の凜と華麗な立ち姿はまるで
ここから先を侵すことなかれ

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詩 せなかごしに秋

詩 せなかごしに秋

きらめく熱い喧騒にからだを揺らした
それはほろ苦い白昼夢だったわね
情熱の踊り子たちが手を取り合ったまま
ほら、舞台のそでへとからだを隠す

背中越しに見つけた柔らかい風に乗る
色付く少し前のひらりとした一葉
何もかも陽気な太陽のせいにして
昨日見た夢はどこかにしまっておきましょう

淡いベルベットに手を通したら
ゆるめた目元に気がついた

わたしは今頷いた?
誰に向かってか口にしてそれからまた

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