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2018年1月の記事一覧

詩 砂の海で眠れば

詩 砂の海で眠れば

サラ
    サラ
        サラー

指の隙間をすりぬける粒子

目の前に広がるものは

少し熱を持った嵐の後の砂漠

それは規則正しい波を従えた

何者をも寄せ付けないはずの

砂海

あの時

手を伸ばせば星をつかめそうな

輝きを放つ摩天楼の中で

どうしてわたしは笑っていたの

少し憂いを含んだ

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詩 おかえり

詩 おかえり

西日の中を歩いていた

泥で固めた小さなお団子をふたつ大事に

手のひらの中で崩れないようにと

とっても大事に持ちながら

西日の中を歩いていた

から

…… から

驚かないようにと思って

声をかけなかったんだその時は

言い訳ひとつ

路面電車がガタゴトと音を立てる

西日の中を歩いていた

でも……

でも

顔を見てみれば良かったのに

その時に顔を見てあげれば

きっと歪んでいたこ

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詩 不断

詩 不断

一点の星の淵に沈む

そこは

やがて次の海原へと続く場所

洗い流した身体を横たえ

安楽の雫の中へと記憶を落とす

邪悪も豊かさも無い

無の中に広がる

さざ波のような喜悦はやがて静穏へ

多くを語り

何かを成さずと信じる者は

次の意思を与えられる時まで

目覚めを待つ

遥かなる巡りの道よ

道よ

細石を抱きかかえ

悠久の中を巡れ

道よ

恍惚の叫びなどたやすく置き去る

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詩 瞼の中に沈む美しき黒

詩 瞼の中に沈む美しき黒

《白と黒の連作 黒》

目を閉じる

不確かな余韻を秘めた

美しい黒

目をこらすと映る満点の輝き

腕を差し出しその中に横たわる時

ハラハラと伝わり落ちる懇願の雫が

またひとつ輝きを放つ

わたしだけの

万華鏡のカケラ

わたしは美しい黒の中にいるのでしょう

閉じた目を開いた時

見慣れた風景がそこにあるから

安堵の衣に包まれて

また

カケラを探しに行くのでしょう

不確かな余韻

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