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その文章は裸で向き合っているか

アルというマンガサービスでライターとして活動しています。midori(みどり)です。


突然ですがわたしは副業ライターです。

日中はサラリーマンとして一般企業に勤務し、業務後やお休みの日に、アルやnoteの執筆に取り組んでいます。

ライターというお仕事に従事している方は、副業で活動されている方や元々は別のお仕事をしていたけれどライターになったよ。なんて方が多いんじゃないかと感じている今日この頃です。

どうにかして本業をライティングのスキルに活かせないものか。と日々考えています。改めて考えてみると色々と自分に跳ね返ってくる学びがありました。あくまでもわたしの場合を書いておりますので、「そんなことない!」という苦情は受け付けます。お手柔らかにお願いします。

今日はそんなお話。

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■量量量

わたしの職種は営業マンです。

自社で開発したシステムを提案し、納品、稼働、その後の顧客フォロー、果ては事務処理までなんでも幅広く行います。めっちゃ忙しいです。

最近では、配属されて間もない1年目の社員のフォロー、マネジメント、サポート等も行っています。これも中々骨の折れる業務です。

1年目の社員が配属されてかれこれ数か月、そろそろ彼らには先輩の後ろをひょこひょこと付いて回るだけでなく、1人でしゃべれる営業マンの第1歩を踏み出して欲しい。そんなことを考える時期になってきました。

新人はまず、1人では仕事が出来ないので先輩の業務のサポートに付きます。営業同行で客先について来させることもありますが、基本的にはメモを取り、議事録をまとめ、簡単な業務と事務処理に慣れてもらいます。そして並行して自社製品についての勉強をして理解を深める。

どんな場面にも対応できるようにと、とにかく場数を踏んでもらうことを意識しています

初歩的な所でしたが、ここにもヒントはありました。現場では、どれだけマニュアルや文章を読んでも身にならないことはあります。「1回やったほうが速いんだから!」と強引にやってもらうことも。また、単調で華のない作業でも、何度も経験することによって作業のスピードや精度、肌感覚を養ってもらう狙いがあり、繰り返し作業してもらいます。

これは、やはりどんな業界にも通ずること。

普段から後輩に当たり前に指導している分、わたし自身も文章の量をこなすべく、とにかく書く日々です。

■営業で大事にしていること

営業同行や、現場での振る舞いに慣れてくると、今度は本格的に1人での営業活動を見据えたフェーズに入っていきます。

さて、わたしが営業として最も大切だと感じ、意識ているのは

「お客様と裸で対峙できているか」です。もちろん比喩です。

トークマニュアルや定型的な会話も土台として必要ですが、そこに応用力やオリジナリティがないと込み入った営業活動はできません。

もちろん他にも大切なものは色々あります。コミュニケーション力や、人当たりの良さ、ヒアリング力、タスク管理、課題解決力、準備力、、、

常々、営業は総合格闘技だなと思ってしまうほど、多くの複合的な能力が求められるのですが「お客様と裸で対峙できる力」は、その最たるものです。

例えば大事そうなヒアリング力、タスク管理、準備力、課題解決力といったものは、小難しそうに聞こえますがあまり重要ではありません。なぜなら人により精度は異なりますが、ある程度定型化してしまうことで補完可能だからです。チェックリストなどがその例ですね。タスク管理もシステム化してしまえば、手間はかかりますが経験の浅い社員でもこなせます。

コミュニケーション力や人当たりの良さは、「お客様と裸で対峙できる」と分けて説明するのがやや難しいのですが。簡単に言ってしまえば、笑顔を練習したり、雑談力を鍛えたり、相手に関する情報を収集したり。意識的に作ろうと思えば65点ぐらいは作ってしまえる部分です。これで契約を取れる場合もたくさんあります。

■さんま師匠のフリを捌けないと売れない

対して、お客様と裸で対峙できるというのは事前に用意できるマニュアルを外れた部分から始まります。

(高等テクニックですが、事例をたくさん集めることでマニュアル化してる猛者もいます。やばいです。)

営業は自分を買って貰ってナンボ

「midoriさんが言うなら買うよ。」
「midoriさんがそういうならなぁ。仕方ないなぁ」
「全く上手なんだから」
「次も是非頼むよ!」

営業は、お客様に商品ではなく「自分」を買ってもらわねばなりません。では相手はどうすれば自分という営業マンを買ってくれるのか?

それは、、、わかりません。ふざけているわけではありません。

ぶっちゃけ正解がないのです。


それが、マニュアルを外れた部分から始まる。という事です。

型通り完璧な商品説明、デモンストレーション、クライアントに刺さるメリットの提示、テンポの良い軽妙なトーク、

会社で学べる正解を全て出し切った先、ネタを全て出し切った後に出せる何かで、自分を買ってもらわねばなりません。

分かりにくい話になってきましたね。

相応しいたとえか微妙ですが、ネタがいくら面白くてもフリートークやひな壇が面白くないと芸人は売れない。さんま師匠や上沼さんのフリをうまく捌けない芸人は売れない。

なんてにわかに言われていた時期がありました。(今はどうなんでしょう。)

型通り準備万全のことだけ出来てもダメ。そんなニュアンスです。

■読者と対峙できているか

こんなことを、部下たちの指導をしながら考えていると。わたしの文章は果たして読者ときちんと対峙できているのかな。

ふと、そんなことを思いました。

もちろんわたしだって、読みやすい構成、読者を飽きさせない工夫、当たり前ですが誤字脱字がないこと、軽妙な例え、上手な文章といわれるものを書きたい、学びたいと思っています。

しかし、それだけではなくて、この文章を書いた自分を買って貰って、好きになってもらってナンボじゃないか。そんなことを自分の仕事に思いを馳せたとき、感じたのです。


せっかく読んでもらうなら次の文章も楽しみに読んでもらいたい。わたしが書いた文章だから、読むよ。と言って貰える書き手になりたい。

そうやって読者ときちんと向き合えて、わたしを伝えられている文章なのか。という問いをいつも念頭に置きながら、今日も明日も明後日も書き続けたいのです。




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