見出し画像

人の温かさが原動力(中間研修レポート)

地球緑化センターへ9月にインターンにきていた慶応義塾大学 法学部 2年の志田 万由子さんに中間研修のレポート書いてもらいました。

**********************************

9月8日(火)~9日(水)の2日間、第27期「緑のふるさと協力隊」の中間研修が行われました。例年、各地域に派遣されている隊員が東京に集まり、対面の形で各々が今まで行ってきた活動や気持ちの変化などを他の隊員と共有していましたが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインでの開催となりました。
 今回、私は地球緑化センターのインターン生として2日間の中間研修に参加させていただきました。当記事では、中間研修の概要とそれを通して私自身が感じたことをお伝えしたいと思います。

 1日目は、1グループ3~4人に分かれ、派遣されている地域の魅力や嬉しかった出来事、苦労したこと、現在関心が向いていることなどを他の隊員と共有しました。
 2日目は、前半の活動報告を個人発表の形で行ったあと、「わたしが見つけた“ふるさとの宝物”」と題し、各々が見つけた地域の宝物を他の隊員と共有し、それらを掛け合わせて地域がさらに盛り上がっていくためにできることを隊員ならではの視点から考えました。

 2日間の中間研修を通して、今までの活動や考えたことなどを話す隊員の皆さんの活き活きとした顔や、派遣された地域のために何かできないかと懸命に考える姿がとても印象に残っています。
 隊員の皆さんが今まで関わってこなかった土地、そこに暮らす人々のために何かしたいと本気で思えるのは、東京などの都市にはない、人々の温かさが地域にはあるからだと感じました。
 野菜が多く採れたからおすそ分けする、近くに住むおばあちゃんのお宅に呼ばれて一緒にご飯を食べる、その土地に伝わる伝統芸能を地域の人と一緒にやってみる…。このように自分の住む地域の人と密に関わる機会は都市にはありません。いつも何かに追われるように生活し、ほっと一息ついて自分と向き合う暇もなく機械的に一日が過ぎていく。大学進学で広島県呉市から上京してきた私にとって、特に上京したての去年の4月はそのように感じていました。呉市に住んでいた時は意識したことはありませんでしたが、上京し、今回の中間研修で隊員たちの話を聞いて、学校に行くときにいつも声をかけてくれた地域のおばあちゃんや、家で作った干し柿を持ってきてくれていた隣に住むおばあちゃんの存在は、私にとって地域とつながっているという安心感や温かみを無意識のうちに与えてくれていたのだと、ふと思いました。
 そのように人の温かさは、地域のため、その土地に暮らす人々のために何かしたいと強く思わせる原動力になるのだと思いました。

 隊員の皆さん中には、私と同い年くらいの方もいて、一般的な人生のレールにとらわれず、自分が本当にしたいと思っていることに挑戦している姿にとても刺激を受けました。中でも、「こうだ」と思った通りにならず失敗しても、挑戦したこと自体に価値があると思えるようになったという隊員の方の話が印象に残りました。自分と似ていると思いました。私自身、自分が描いた通りの結果にならないと焦ったり、不安に思ったりすることがあるからです。その方の話を聞いて、私も一般的な人生のレールの上を歩かなくてもいいのかもしれない、これからは思い通りにならなくても挑戦した自分を褒めてあげられるようなゆとりを持って生きていきたいと思いました。

 また、隊員の皆さんが派遣されている地域が抱える高齢化や空き家などの問題が、私の地元呉市と似ていると感じました。呉市も高齢化が進み、かつて栄えていた商店街はシャッター通りになり、空き家もたくさんあります。新型コロナウイルス感染症の流行を受けて都市集中型社会が問題視される現代において、地域に目を向けていくことが私たちには求められているのかもしれません。
 地域を盛り上げ、魅力的な場所にするためには若者の力が不可欠だと思います。隊員の皆さんが「緑のふるさと協力隊」としての1年間の活動で終わるのではなく、その後もその土地と何らかの形で関わっていく、心のどこか片隅においておく、活動を通して知ったその土地の魅力を発信していくなどを行っていくことが重要だと思いました。そうすることで、私も含め、今まで協力隊について知らなかった人たちが協力隊の活動を認知し、地域のため、自分の地元のために何かできないかと考えるきっかけとなり、地域を盛り上げていく輪が広がっていくと思いました。

 最後に、中間研修とは隊員の皆さんにとって、また、隊員の皆さんをサポートする事務局にとってどのような存在なのかを考えました。
 私は、隊員の皆さんにとっては他の地域で同じように頑張っている隊員の姿から良い刺激をもらえる機会だと思いました。他の隊員の話を聞くことで、今まで自分が行ってきた活動を見つめ直すだけでなく、自分が今後地域のためにやりたいことを明確にすることができるのだと思います。また、普段感じていてもなかなか口に出せない不安や焦りなどを共有する機会だとも思いました。実際に口に出し、他の隊員や事務局、長年協力隊を見てきた人たちから助言や言葉をかけてもらうことで「大丈夫」と思い直し、後半の活動に自信を持って取り組めるようになるのだと思いました。
 事務局にとっては、隊員の皆さんの成長を感じる機会となるだけでなく、後半の活動をどのようにサポートしていくのか考えていく機会になると思いました。「事務局は隊員たちの人生を預かっている」このように話してくださった事務局の方の話がとても印象的でした。協力隊として活動されている方は今まで続けてきた仕事を辞めたり、大学を休学したりして参加されています。緑のふるさと協力隊として活動するこの1年間が全ての隊員の皆さんにとって実りあるものにするために、隊員の皆さんにとってベストだと思うサポートを行っていかなければならないのだと強く感じました。

 2日間の中間研修に参加し、緑のふるさと協力隊の活動について理解を深めると共に、地元のこと、自分自身のこと、地域のために何かしたいと本気で考える方々をサポートするとはどういうことなのかなど、様々なことを考えることができました。
 緑のふるさと協力隊に参加されている隊員の皆さんが充実した1年間を過ごされることを祈っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?