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ディ•バイ•ドゥ

風船を膨らましたのって何年ぶりだろう。
まさか、ほぼ毎日行ってる近くの小さなグロッサリーストアにも置いて有るとは思わなかった。何でもあるじゃん。最強。

お誕生日会でもないのに、家の中に風船を持ち込んで一体どういうつもりかと、夫は言わなかった。
スルーして無視されるより、何か言われる方がマシなのに。
あの人は冷たいのか、気が付かないのか、気がついてるけど放っておかれてるのか、そういったことにリアクションをしない。つまんない人だ。退屈なやつ。
面白くない。何だかイライラする。
『私がこれだけやってるのに』
と思わない様にするのが一番かもしれない。
『好きな様にやらせていただいている。させてもらってありがとう』
くらい、こっちが思っていないと、あんな男とは暮らせない。
私の心の中のことなんて
あの人はどうだっていいんだ。
居れば、居て、いつもの様にいつものことが滞りなく流れていれば。

つまり、起きて、着替えて、食べて、働いて、帰って、食べて、風呂入って、布団敷いて、寝れれば。

この日常が狂わなければ文句ない人。

こういうのってどうなのかな。
いい夫なんだろう。
簡単で。

だけどそれだけ。

それだけでも、それさえできない夫も世の中には居るので、どんなにリアクションのない退屈な男でも、
家族を養い、病気せず、こっちが突っ掛からなければおとなしい彼を、私が不満を覚えるのは、贅沢な事、なのかもしれない。
だけどね、
ずっと寂しかった。
そういう彼に対して、自分の思いとか、心の中の思考とか、行動とか、私の有り様なんて、
何の関わりもないみたいに接しられると。私は何?私でなくちゃダメな理由ってありますか?誰でもいいじゃん、むしろ私みたいじゃない人の方が、寂しいとか思わないあっさりした人の方がお互い楽でしょ、
って、思って来ました。

風船膨らましながら、わたしのこの心の中に溜めた不満や悲しみや寂しさは、いつか破裂するんだろうか、
大きな音を立てて次々と…
それともただ力なく萎んで、小さくみにくくなっていく風船たちなのか。

多分、後者だろうね。
風船ってそうだもん。

あの人は私がどうして不機嫌なのかもわからない。

私は不機嫌です。

ふうん。

どうして?とは聞かない夫。

もういいや。

こっちがおかしくなる。

神様、私を助けてください。

私を無視しないで。神様なら。

分けてます

見えるけど

不満いっぱいの風船入れたスケスケのカーテンで分けてます。あなたと私。最初からあった境界線。

divide
divorce

この二つの言葉似てるわ。


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