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ヴィヴィアンの訃報、バンドさよなら、お正月

2022年12月年の瀬、ヴィヴィアンウエストウッドが亡くなった。
それはわたしには衝撃的なことで、どこか彼女はわたしの中では人間というか、生命を超えた存在だったので、亡くなったという事実に驚いてしまった。彼女も人間だったのだ。
真っ白な戦車に乗るヴィヴィアンの写真が好きだ。
彼女の作るファッションやニュースがパンクそのもので、ヴィヴィアンウエストウッドという名前に刻まれていた。
パンクは決して音楽に限られたものじゃないのだ。
それは生き方であり、表現である。

そしてもう一つ、2022年12月の終わりにわたしが10年以上続けたバンドTHE PATS PATSが無期限活動休止した。
一緒にバンドを続けてきたあこたすとは15年ほどバンドを続けてきていたので、15年ぶりのバンドマンではないわたしになる。
あこたすは今後ソロで活動するが、わたしは音楽を離れるつもりなので中々にハードな出来事だ。
ハードというなら、また別で音楽をやればいいと思うだろうが、正直言って自分1人で音楽をやっていくビジョンが見当たらないし、やってみたいことが他にたくさんあったりする。
ただ、15年というキャリアのあるバンドと違い、全くの素人で別のジャンルに飛び込むのはものすごい挑戦でもある。
36歳から始める「何か」、恐ろしい響きでしょうが。
どうにか見守っていただきたいが、わたしも震えるほど恐ろしい。

こんな風に未知の2023年に恐れ慄いていたらヴィヴィアンウエストウッドの訃報である。
これは忌野清志郎が亡くなった時と同じくらいの衝撃だった。
昨日食べたものすら忘れるわたしが、COUNTDOWN JAPAN 07/08に1人で行って、はじめて清志郎のライブを見たときのことを未だによく覚えている。
デイドリームビリーバーの歌詞を聞き間違えているのにその歌詞に感動して泣いたことや、1人で食べた年越しそばが少しも寂しくなかったことや、帰り道の朝日の色に、最寄りの店に貼られるお正月休みのポスターに鼠が描かれていて、その年が子年だったことまでよく覚えている。
おそらくそのあたりからわたしはベースをちゃんと弾きはじめたし、音楽はかっこいいなぁと思ったのだった。
でも、音楽というのはそのとき手に取りやすかった手段で自分のやりたいことを表現する手っ取り早い手段だったとも言える。
なぜなら、わたしはデイドリームビリーバーの歌詞を聞き間違えるほどにその日はじめて清志郎を聴いた音楽初心者だったのだもの…。
そんな音楽知識空っぽのわたしの脳に当時急遽詰め込んだ音楽は清志郎はじめ、少年ナイフやラモーンズ、あと、当時ちょっと憧れてた男の子が見せてくれたロックンロールスウィンドルの動画や、あこたすと仲良くなったきっかけになった銀杏BOYZなどだった。
今思うとわたしはただパンクやロックが好きだった。
パンク、ロックな生き方が好きだった。
そんな生き方をするには20代の若造にはバンドが最適だったのだ。

そこでヴィヴィアンウエストウッドである。
パンクの巨匠が亡くなったように悲しいのに、彼女はよく考えたらバンドマンではないのだ。
音楽以外でこんなにもパンクになれる。
そう思ったら36歳でバンドマンという肩書きを失い、ただのクソザコフリーターに成り下がった、独身36歳女性3匹の病気のモルモット持ちには朗報である。
元々憧れたロックでパンクな人間には今からでもなれるのだ。
そもそもわたしはパンクな音楽ではなくて、パンクな生き方に憧れていたのでは?とも思う。

音楽はやっぱり元々好きではある。
ニワカなりに20代で詰め込んだ音楽知識はやはりまだお粗末なものだが、それでもわたしにドキドキとヒリヒリした普通の人生では手に入らない大切な時間をくれた。
でも、わたしは物語ももっと大好きだし、文字を書くのも大好き。
絵も描いてみたい、最近は少しずつイラストを描く練習をしている。
仕事で嫌々はじめた料理も慣れてきたらわりと自分に合っているようで楽しい。
全部が中途半端ではあるけど、磨こうと思えば磨けるものが意外にたくさんあって、楽器以外の武器でわたしもパンクに生きたいな、生きられるかなぁとちょっと希望を持った。
できることならこの新しい第一歩は、楽器をペンに持ち替えて新しい武器にできますように。

この文章だって、音楽を作るより絵を描くより料理を作るよりも早く書けた。
しかも泥酔して(20時以降はほぼいつも酔ってる)。
今のところ一番に持ちやすいわたしの武器はこれだと思う。
今年のわたしがどうなるかは色々挑戦してみてになるが、とりあえずこうやって日記のようなものを書くことからはじめよう。
これを見てくれる数少ないみなさん。
今年もこんなわたしをよろしくお願いします。

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