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制度の恩恵を受けられない「線引き」

昨年の今頃でしょうか。一律10万円支給の手続きがはじまったのは。当初は、月収が10万円以上下がった人に30万円で、僕は当てはまっていたのでそっちの方が良かった、なんていってももらえるだけありがたいですよ。

それはさておき、今回は「制度の恩恵を受けられない人たち」ということをテーマにします。決して、政治批判をするのではなく、どういうことをしてもそういうことは起こる、という話です。


Go To トラベル・Go To イート

政府が「新型コロナウイルス」が落ち着いたときに冷え込んだ業界を支援するために「Go Toキャンペーン」が4つ打ち出されました。旅行代を割り引く「トラベル」、飲食代を割り引く「イート」、イベント開催を支援する「イベント」、商店街を活性化する「商店街」。

最後の「商店街」は「商店街の活性化」のため「お店(商店街)側」に支給されるのに対し、他は消費者の消費支援を通し、旅行業界・飲食業界・エンタメ業界を支援するものでした。

今、これをご覧の方はどれか使用しましたか?


Go To イベントに取り残された人たち

まずは、Go To イベントの恩恵を受けられなかった人たちがいるということ。いわゆる「インディーズアーティスト」の方々です。今までライブハウスに立って(歌手の場合)収入を得ていた皆さんは、オンライン配信に切り替えて収入を立てたり、中には活動をきゅうしするひともいたり。

そういった小さい活動をしている皆さんには、この恩恵は届かなかったのです。


どのGo Toキャンペーンからも取り残された人たち

どのGo Toキャンペーンからも取り残された人たちがいます。他でもない「医療・介護従事者」の皆さんです。パートナーや友人が「介護従事者」なので知っていますが、「県外に出ることは禁止」「県外にいった人間とは2週間会うことを禁止」というかなり厳しいルールが敷かれているそうです。

外食も禁止ではないものの極力しないように、というお達しがでているそうです。

恐らくコロナ禍で一番大変な思いをしている人達が、支援制度から漏れてしまう。Go To キャンペーンの制度上、これは仕方のないことです。

そして、こういった方々の家族や友人も、同様にキャンペーンの恩恵をほとんど受けられなかったと考えられます。僕も、旅行にも行っていませんし、いつ友人と食事に行けるか分からなかったのでGo To イート食事券も手にしませんでした。

もし、医療・介護従事者に支援金を出すとなった場合、本人は恩恵を受けられますが、周囲の人たちはやはり制度から漏れてしまいます。僕もご多分に漏れず。でも、僕がその恩恵を受けるのは99.9%無理とも理解しています。友人・知人の範囲を定義することができないからです。


いろんな制度にこういった事例が

コロナ禍に限らず、こういった事例があります。

例えば、配偶者の所得制限。僕が正社員だったころは、年収120万円を超えると税法上の関係で不利になるのでそれを超えない勤務日数にするよう調整をかけるなんて話はザラにありました(今はどうなんでしょうね?)

所得税の累進課税も同様。あるラインを超えると実所得が減ってしまうということは起きてしまいます。

僕もこういった制約があります。精神障害の等級が良くなってしまうと、月間にして10万円の年金がもらえなくなります。精神障害は苦しいのですが、中途半端に回復してしまうと苦しいうえに収入が減る、という状態に陥るのです。

また、仙台市から地元の一関市に万が一引っ越すことになると、医療費の支援が受けられなくなります。医療支援を受けられる障害等級の線引きが違うためです。

ちなみに、ちっちゃい話だと名古屋市では身体障害3級で介護者用と2枚支給された「地下鉄・バス乗車券」が仙台市の場合身体障害3級は「車いす使用」でないと条件に当てはまらず、精神障害2級のほうで本人用だけ支給されています。それでも、「もらえるだけありがたい」と思っています。


まとめ

いろいろな制度には必ず期限や条件といった「線引き」があります。「一律10万円支給」にしても「線引き」後に生まれた子どもは支給の対象外(独自で支給している自治体もありましたが)です。

そこから漏れたという理由で政治批判するのは個人の自由です。

でも、「恩恵を受ける」ということに必ず「線引き」があることは「受け入れる」しかないんだろうと思います。僕が「線引き」が変わって恩恵を受けたら、「誰か」が恩恵を受けられなくなる。

政治、というか行政の仕組みはそういったものなのです。

なんて偉そうなことを書いてますが、2年に1回の障害者年金の審査のときにはドキドキしながら審査結果を待っているんですけどね(笑)。僕はこの「線引き」がいちばん怖いです。

では、今日も1曲紹介して終わりにします。最後までご覧くださりありがとうございました。

「アイシアイ」岩船ひろき

轟RADIO"Sante Mentale"「木漏れ日散歩道」(26)

https://gory.jp/sante


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