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「防災ガチ勢」とそうでない人の温度差

こんばんは、ゴリィです。防災士のかたわらオルゴールアーティスト、カラーセラピスト、クイズサイト運営などいろいろやっています。

まずタイトルの誤解を招かないように、「防災に詳しい人」「防災に興味のある人」のことを僕は「防災ガチ勢」と呼んでいます。僕も防災士である以上、「防災ガチ勢」に入るわけです。決して何かを揶揄する意図ではありません。

僕が災害時にツイートする唯一のこと

まず、僕は災害が起きたときには逆にツイートをしなくなるタイプです。タイムラインを少しでもより有益な情報で埋めたいからです。もちろん、有益な情報と思うことはたまにツイートしますが。

唯一毎回ツイートするのは「被災地の人向けに『大丈夫ですか』って連絡すんのはやめろ」ということ。大丈夫だったら大丈夫になった時点でだいたい相手がツイートしてくれるから。

大切な家族や恋人など、優先で連絡を取りたい人の連絡は埋もれるし、避難などをしている最中に通知音が鳴りまくったり、停電状態であればさらにストレスになります。

これは実際北海道胆振東部地震で友人が経験したことで、被災地の人間でないと分からない心理なので、みんなやりがちなことをやめるようツイートしています。

災害発生時は被災地域の人たちはSNSをゆっくり確認できるとは限りません(状況がまだ明らかでないので「状況が悪い方」を考えます)ので、被災地域外の人たちへの呼びかけをするのが「伝えるべき情報」だと思っています。

あ、話が逸れた(笑)。じゃ、本題。

津波のメカニズムか津波注意報の格上げか

先日のトンガの海底火山大噴火。徐々にメカニズムや被害状況が明らかになってきましたが、当初は「異常な海面変動」について「防災ガチ勢」のツイートが並びました。「こういう現象にも備えが要りますね」という方もいらっしゃいました(防災ガチ勢向けのツイートなら間違ってはいませんよ)。

ここで僕はある「違和感」を覚えました。「津波注意報が津波警報に格上げになった(岩手県)ことに触れる人がいない」ということ。

「津波注意報は津波警報に格上げされる可能性があるから、津波注意報のときはその備えを」というほうが一般の人には身近で重要なことではないか。
・・・ということで、
①津波情報には常に注意しておく
②警報に切り替わったらすぐに逃げることができるよう防災リュックの用意をする
この2点をツイートしました。

そのときに使った下手くそな絵(笑)

「防災の発信」って「誰向けにするものなのか」をきちんと明確にして発信する必要があるのが難点です。一般の人に向けてなのか、僕ら「防災ガチ勢」に向けてのものなのか。

幸い、僕は「防災士アカウント(本名)」「ゴリィアカウント」「トドメガネアカウント」と使い分けているので、一般の人に届いてほしい情報は「防災士アカウント」以外の2アカウントでリツイート、「防災ガチ勢」向けのものは他ではリツイートしない、という方法をとっています。

もっとうまい人は、文面だけで誰宛へのツイートなのか分かるような方もいるので、「うまいなぁ」と素直に思います。

災害用伝言ダイヤル「171」を推奨しない

深夜の宮崎・大分の震度5強の地震。僕は「停電はしてなさそうだけど、同程度の地震はあり得るな」と思い、「靴を玄関から持ってきて、今のうちに電子機器フル充電しといて」というツイートだけをしました(実際は停電した場所もあったようです)。

比較的目についたのが「災害用伝言ダイヤル171」の利用を呼び掛けるツイート。電話が輻輳(キャパオーバー)しつながりにくくなるので、そういうときは「災害用伝言ダイヤル171」を使って、という感じです。
※ちなみに僕が一般の方にツイートするときは単に「つながりにくい」とだけ言います(「輻輳」という難しい言葉を使用しなくても伝わるので)。

ちょうど昼に会社から依頼を受けた「防災マニュアル作成ガイド」(マニュアルの作り方は説明し、各部門で作らせたら?という発案のもと)に「災害用伝言ダイヤル171」の利用について推奨するか迷いました。結果、見送りました。その理由は以下の通りです。
・災害用伝言ダイヤルは伝言する側、伝言を聞く側双方が利用方法を理解していることが前提。
・会社組織なので伝言は「1対1」ではなく「1対多」になり、公衆電話や臨時電話を占有できない。
・そもそも若い世代が公衆電話の使い方を知っているか怪しい。

ただ、「家族内」では携帯を持たない子どもさんやご高齢の方もいらっしゃるので使い方を覚えるようにというのは全社員に配布するマニュアルの方に使い方とともに記載しています。

さて、作成ガイドへの記載を見送った3つ理由をあげましたが真ん中の「会社」というのを除いてあとの2つは一般の方全般に言えることなので、僕は「災害用伝言ダイヤル171」の使用呼びかけはしないようにしています。

もちろん、みんなが使えるようになっていることが理想ですし、僕も含め「防災ガチ勢」がきちんと啓発活動をしていくことが重要なのは間違いありません。

「そんなことも知らないの?」はNGワード

何か質問を受けたときに、僕が絶対に言わないように心がけているのは、「そんなことも知らないの?」「そんなこともやっていないの?」というワードです。これを言うと折角防災について目を向けてもらえた人が鉄板でそっぽを向いてしまいます。最悪、二度と目を向けてもらえないかもしれません。

僕は「オルゴールアーティスト」活動もしているので、ここで皆さんに質問です。

「1/fゆらぎ」って知ってますか?

多分、ご存じない方も多いと思います。これは、僕がたまたまオルゴールアレンジ制作に携わる中で出会った言葉だからです。

ここで、僕が「え、こんなことも知らないんですか?」と言ったらどう思いますか。僕の印象は鉄板で悪くなりますよね(笑)。

では、「1/fゆらぎ」の解説。自然界の風や波などは、常に一定ではなく不規則に吹いたり寄せたりしていますよね。この「不規則性」を音楽の中に取り入れるのが「1/fゆらぎ」です。自然の心地よさが再現できるので、聴いてて心地よさがアップするのです。

この説明で多くの方は分かっていただけたかと思いますが、もし分からなかった方には、「要するに音楽をが心地よく聞こえる技だよ」って端的に伝えるようにしています。感覚的に言ったほうが「ふーん」となることもあります。

同じことは防災にも言え、「線状降水帯って何ですか?」と聞かれたときに「え、知らないの?」と言ったらNGです。一般の方にはメカニズムがどうのこうのより、「要するに命がヤバイくらいの大雨が降り続く現象だよ」ということを覚えてもらえれば「命を守る」観点からしたら十分ですよね。

まとめ

今回は「防災」に関する連載なので「防災ガチ勢」と「一般の人」という対比で説明してきました。「防災ガチ勢」の皆さんの想像以上に温度差や実態の差があったりするものです。

これは「防災」に限った話ではなく、いろんな分野に「ガチ勢」(その分野に詳しい人や大好きな人)がいて、そうでない人はしばしば置いてきぼりになりがちなのです。

ちなみに、僕のツイキャス配信「轟RADIO」ではみんなが楽しめる配信を目指しているのですが、しばしばいろいろな「ガチ勢」のみなさんの話が盛り上がり過ぎて話についていけない他のリスナーさんが出てしまいかねない状態になります。そういうときは少し話題の目線を変えてみたりして「置いてきぼりをつくらない」努力をしています。

「防災」は絶対に「置いてきぼり」をつくってはいけない分野です。ゆえに、僕たちのような「防災ガチ勢」が相手の力量をよく見極めて、理解してもらえるような話の届け方をするかが大事になってくると考えています。

僕もまだまだ勉強中です。

相手の力量を見極めるには、「分析力」が必要です。「分析力」をサポートしてくれるのはアースカラー(自然の色)である「茶色」です。大地のようにどっしり構えていきましょう。

今回も最後までご覧くださいましてありがとうございました。

色の効果を得る方法はこちらを参照ください。


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