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コケと育成ですごく勘違いしていたこと、という話

この投稿は以下の「NEWTIUM」に移りました。

https://newtium.net/2022/05/01/17/

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映画のパンフレットを作ったり、ラジオのパーソナリティをやったり、イモリを育てたりで忙しい4月でした。

それらに加えてもう一つ大事なタスクなのがコケの育成です。
これまで試行錯誤しながらコケを育てていたのですが、一つ大きな勘違いしていたことがあったので今回はそのことについてまとめたいと思います。ちなみにそれを改善することでコケさんたちの状態がとても良くなりました。

コケには光をたっぷり当てろ

これです。
コケって薄暗くて日当たりが悪いところに生えてる印象があったので明るい環境はコケの育成に不適当なのだろう、と思い込んでいたのですがそれが大きな勘違いでした。

よくよく考えれば気がつくことなのですがコケも植物なので光合成で成長しています。つまり光はコケの育成にも不可欠なんです。

現在のイモリウム水槽

以前はイモリたちには照明が強すぎると思って遮光シートなどを巻いて遠慮がちに水槽を照らしていましたが、今は(多少高さを作って距離を保ちつつも)ガンガンに照明を当ててコケを育てています。するとどうでしょう?コケさんたちも次々と新芽を伸ばし始めました。イモリたちも普通に表を出歩いているの明るすぎるということはないようです。

コケ育成ケース

そしてこちらがコケ育成専用ケースの光育成モードです。
日中の照明は水槽に使っているのでコケ育成ケースは日当たりの良いところにおいているのですが、夜はこうして光のボーナスタイムを作っています。
人の目で見ても眩しっ!と思うぐらいの明るさですが、こうしてからの方が明らかにコケの状態が良いです。

光は当てろ、温度は上げるな

コケは明るいところが苦手、というそもそもの勘違いをしてしまった理由はコケ多くが薄暗いところに生えているからなのですが、コケが本当に苦手なのは光ではなく高い温度湿度の変化なのです。

コケは高い温度で蒸された環境をとても嫌います。太陽光は光の量は申し分ないのですが同時に温度も上げてしまうのがコケにとっては好ましくありません。さらに太陽光はその熱と光で急激に水分を奪ってしまうのでそれもコケの発育には向いていません。(そのことは以前↓にも書いたので御覧ください。)

要するに太陽の明るさはコケに必要なのですが、それに付随して起こる現象(高温と湿度の変化)がコケに適しておらず、それを避けるためにコケは薄暗い(=温度が上がりづらい)ジメジメした場所(=乾燥しづらい)で育っているということです。

コケの育成の注意事項によく「直射日光は避けてください」と書いてありますが、あれは「温度が上がりづらく、乾燥しづらい場所を用意してください」という意味なのだと思います。

ただ、コケの中にはギンゴケ(アスファルトの割れ目とかにいるやつ)のように強い日差しや激しい乾燥にも負けずに繁殖している種類もいますが、概ねコケは高い温度と乾湿の大きな変化を嫌うと考えてよいと思います。

部屋の明かりは実はかなり暗い

先ほどのコケ育成専用ケースの写真を見ると分かりますが、そのケースはかなり近い距離から強い光を当てています。大丈夫なのかな?と僕も最初は心配してたのですがたぶんコレくらいは全然平気です。

そう言い切れるのは何故かというと室内の明かりってかなり暗いんです。これは僕が写真の仕事もすることがあるので分かるのですが、室内で屋外同じぐらいの明るさで写真を撮ろうと思ったら相当たくさんの照明機材が必要になります。しかもフラッシュを使って一時的に強烈な光を当てないといけない。その点、外での撮影は多少薄暗くても全然余裕。なんならピーカンよりも曇っていた方が条件がいいぐらいに太陽光は強烈な明るさを放っているのです。

人間が蛍光灯の明かりぐらいで不自由なく生活ができるのは、人の目の機能が優れているからで、日中の外の明るさとは比べ物にならないぐらい暗いのが部屋の中です。

なので部屋の照明ぐらいではコケの育成に全然たりません。コケを販売しているお店にいくとコケが光々と照明に照らされているのを見ますが、あれは見た目を良くすること以上にコケの育成に必要な光量を与えているということにようやく気づきました。

また、最近のアクアリウム用の照明はほとんどがLED照明なのでそれほど高い温度にならないのも安心です。


コケを育てはじめて面白いなぁと思うのは、育成に関するある手法を試すとだいたい2〜3日で変化が目に見えて表れるところ。しかもコケは基本的に群生しているのでその変化があちこちで見られるんですね。試したことの正解不正解がすぐに分かるのがとても楽しいです。

イモリウム水槽、育成専用ケースの他にもいくつかの環境に分けてコケの育成をしているのですが、少しずつ育成のキモが見えてきたのでコケブリーダーの道を極めるべくこれからも頑張っていきたいと思います。

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