見出し画像

坂井存 Zon Sakai 「三島発、《重い荷物》と旅する旧東海道かな」(3日目)

私の作品は《重い荷物》というゴムチューブを使用したインスタレーションおよびパフォーマンスである。ギャラリーや美術館を飛び出し作品と共に街に出れば、けげんそうに立ち止まる人もいれば、話しかけ作品に触れようとする人たちもいる。

「このアートはなんのためのもの?」「何故こんな作品を作ったの?」人は疑問をぶつけ、対話が始まる。出会った人々の反応を通じて、私の作品も徐々に双方向なものに変化していった。

人は誰しも「重い荷物」を背負って生きている。私の作品は自分と他者の境界を超え、言葉の壁を超え、関係をひらく装置なのである。

さて、長年美術を行ってきたが、古希を超えてからは体力の衰えを痛切に感じている。最近は、作品を背負い、あるいは手押し車・リヤカー、軽トラック等に乗せて、「老人性美術症候群」と称し諸国を徘徊している。赴く場所や背負う人によって、作品の見え方がガラリと変わるのが面白いと思っている。

今回の滞在では、旧東海道の宿場町である三島を起点に、市内および静岡県内各所を移動しながらパフォーマンスを行っている。

画像1

画像2

・宇津ノ谷隧道(静岡県静岡市)

画像3

・岡部宿大旅籠柏屋(静岡県藤枝市)

画像4

・蓬莱橋(静岡県島田市)