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RuiYamaguchi「ヒトとは何か(4日目)」

前回の更新からだいぶ日が経って、気づいたら富士でのアートワーケーション自体終わって日常生活に戻っていた...泣

富士滞在4日目の2022年10月23日は、以前から告知をしていた吉原商店街でのホットサンドメーカーを使った交流会を開催した。ここで完全にこの旅の、いや8月15日からホットサンドメーカー片手に3週間ヨーロッパ旅した分も含めて、全てのエネルギーを使い果たしたように思う。

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朝、近所の業務スーパーの食パン買い占めていた時はまだ余裕もあってこんなツイートしてる位なのだが。

吉原中央カルチャーセンターさんの呼びかけのおかげで、ブラジルの方が総勢15名ほど交流会に参加してくれた。ホットサンドはブラジル発祥、本場の人たちが来たのだ。しかも、ブラジル産のハムやサラミといった、中に挟む食材も持参してくれた。

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向こうではホットサンドを"バウルー"と呼ぶが、そのことを聞くと「なんでバウルー知ってるの!?」と参加者のほぼ全ての人が沸いていた。かなりニッチな情報なのだろう。外国の人が「ヤマザキ 春のパンまつり」と片言の日本語の言い出したら僕らも沸くだろう。しかも、その名前の由来となった"バウルー村"出身の人までいた。

興味深いと感じたのは、やはりブラジル人コミュニティについてだ。世界各国に日本人住めど、ブラジルは世界最大の日系人居住地だそうだ。1924年には国策としての移住が推し進められ、1908年以降の約100年間で約26万人の日本人がブラジルに移住。現在約200万人以上の日系人が住んでいる。

そういったことは"情報"として知ってはいたが、いざ対峙するとリアリティを持って実感する。

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例えば、日本とブラジルのハーフの人だったり(いわゆる二世や三世)、見た目は日本人でもブラジルで生まれ育った人。逆に見た目はブラジル人だけど名前は日本人の人。それから富士に移住して、その子供は日本生まれだったり。

家系の複雑さは、日本生まれ日本育ち、両親共に日本人である"純日本人"の自分にとって瞬時に理解できるものではなく、15人全員の自己紹介を聞いてるとき、軽く頭がパンクしそうだった。なんだかパズルやクイズを解いてるみたいで。

そもそもそんな話を聞いていると、自分が日本生まれ日本育ちの"純日本人"とかその辺も疑わしくなってきた。一体、何をもって"日本人"なのだろうか。なにが、その人のアイデンティティを規定するのだろうか。生まれ育った場所なのか、血筋なのか、扱う言語なのか...。では、国家とはなんだろうか。どこまでがリアルで、どこからがフィクションなのか(そもそもこの世界に真実などあるのだろうか)

そのあたりの、意識せず無条件に信じてきたもの(信じ込まされてきたもの)が揺さぶられると同時に、いまは複雑なこと考えんのやーめっぴ♪と、とりあえずその全てを一挙に包括して、身体に取り入れるのだ。人それぞれ宗教も信条も異なるが「同じ人」ということだけは変わらない。

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ブラジルの人がバウルー作る時に使うフランスパン(少し甘い)を使って、蕎麦やトマトを挟んで。