レポート編

駆け出し作家のイベント出展③レポートと考察編(完)

こんにちは。ガールズイラスト創作作家のmicophy(ミコ)です。

前回の記事では、イベントでの設営(レイアウト)をデモストレーションしてみよう、という内容を書きました。
今回は初出展のレポートと、そこから見えた発見や次回への課題などを記載したいと思います。
これでこの記事も3件目になりますので、前回その前々回と、合わせて読んで頂けると幸いです。

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こういったイベントは、搬入者側は開始の数時間前から設営の準備をする時間をもらえます。
私は9時に現地到着するように調整しました。開始が11時なので、2時間で設営を終わらせる計算。実際1時間半で形になりました。設営にかかった時間を計っておくと、次回の設営の目安になるのでおすすめです。

ここで初めて自分のスペースがどういう立地にあるのかを目の当たりにするわけですが、私は一番壁側の列でした。
うーん、これはどう転ぶか。通路であれば、通りすがったついでに見てもらえる可能性もあるし、端は端で人が少ないので、落ち着いて見たい人にとっては穴場のような場所かなぁと。こういうのスペースガチャ(課金不可)もイベントならでは。笑

①会場レポートと考察編:一日の流れ

11時からイベントスタート。ところがスペースに人が来てくれるようになったのは13時頃でした。
それもそのはず、11時から来ている人=大半が開始待ちで並んでいる人と推測=並んでいないと買えないほど人気な作家さん目当てで来ている人の可能性が高いのです。
これを考慮すると、設営する時間は多少開始時刻に食い込んでもいいかも知れません。もちろん開始時点で設営自体は形にはなっていないといけませんが、値札を貼るだとかそういった細かなところは、開始以降でもいいかもと思いました。

一方で、右隣のスペースの方は、開始と同時にコンスタントに人が来ていて、焦りを覚え始めました。このまま誰一人来てくれなかったらどうしよう…という不安がよぎります。
後日知ったのですが、お隣さんはtwitterフォロワーが1万人越えの大手さんということが判明。そりゃ差が出るわけだ!とはいえ「初心者なのに隣が大手とか世知辛いな!」と思う方もいるかも知れませんし、私自身マジか…と正直思ったのですが笑、これがイベントというもの。ここは発想の転換で、人気のある作家さんのイベントの一日の流れはどんなものなのか、こっそり観察し、勉強させて頂こうと切り換えました。
その作家さんとお話できたとはいえ、もっと積極的に聞いたりすればよかったのですが、そこまで頭が回ってなかったのは今でも反省しています…。コミュ障…!
ちなみに「大手さんの隣ならそのお客さんが流れて来るからラッキーなのでは!?」と思われるかも知れませんが、そこは多分、ただ自分の作品クオリティーと大手さんの作品クオリティーを比較されるだけで終わります…。あと、ジャンルが近しければ効果的だったかも知れませんが、ちょっとジャンルも違いました(言い訳)……もっと絵、頑張ります(震え声)

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↑事前に告知しておいたお品書き。

13時頃やっと見に来てくれる方が現れるようになりました。一目でも見てくれた方には「こんにちは」「よかったら見て行ってください~」とやんわりお声がけするような感じでした。
以下ざっとですが数字的なものを。便宜上立ち寄ってくださった方(購入・未購入含む)を総称してお客様と記載します。

1時間あたりのお客様は5~10人ぐらい→だいたい13時~16時頃までこのペースだったと思います。

そのうち購入してくださる方は2~3人

ポストカード@150円を購入してくださる方が多く、逆にポストカード以外のグッズ(いずれも1000円以下)は3つほどしか出なかった→実際お客様の目線もポストカードに集まることが多かったです。→ポストカードを見せたかったので良いけど他のグッズも見てもらえるような設営をもう少し見直します。

ポストカードは一人あたり約2~5枚→実は5枚目から1枚100円、ということをやっており、これは①なるべく多く買って頂く②お話するきっかけを作るためでした。結果的に①はほとんど無効でした!
 以前noteで『こういったイベントのお客様は値段よりも物の価値を見る!』といった内容を拝見し、思えば私自身、値段はほとんど見ずに買っていたな、と合点がいきました。②に関してはまぁまぁ有効かな…と。それについては後述します。

・ポスター代わりにと立体にしたクリアファイルは、見てくれる人はいたものの、購入には至らず。ポスターの役目は果たしたけど商品としてはイマイチだったという結果に。
 その中にはポストカードである程度人気だった絵柄も入っていたので、1枚500円という値段にも問題があるのかも。

17時以降は会場の人の数も激減→イベント自体は19時までと長めなデザフェスですが、だいたい15時頃から作家自体も撤退する方が出始めます。ここで自分の買い物へ行きました。不在になる時間を決めて、○時に戻ります~という表示をしました。この時書けるものがなくて困ったので、スケッチブックやホワイトボードなどは用意しておくべきです!「どうせ人来ないだろうし、なくても困らないかな」と思っていましたが、実際私が戻るのを待っていてくださった方がいたので、マナーとしてやるべきだと思います。
 出展者側としては、なるべくスペースに居続けてお客様を待つべきだとも思うのですが、結果的に出展者として買い物することにもたくさんメリットがあったので、その点も後述します。書き置きしてもスペースあけるのはちょっと…という方は、撤去してから買い物に行くか、売り子さんを導入することをおすすめします。

だいたいこんなような1日の流れになりました。

②会場レポートと考察編:設営の反省点

全力で設営に臨んでいたので、これに関しては大きく変更する点はないと判断しました。ところが、ひとつだけ気になったのが、受付まわり(赤丸部分)。

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ここから私は座って顔を出せるようにしていたのですが、どうも人は無意識のうちなのか、他人の顔周りにあるものをあまり見ようとしないような傾向にあるようです
単に私が置いていたもの(マスキングテープ)に魅力がなかっただけの可能性もありますが、次回はリスクヘッジとして、この付近に商品は置かない方がいいかも知れません。置くとしても、目玉にしたい商品などは置かない方が無難かも。
ちなみにマスキングテープ、特に気に入っているものなのでここで紹介させてください…。その名も『あらゆるものをフルーツサンド化するマスキングテープ』『バニーガールのムネシリマスキングテープ』。minneBOOTHでも発売してます!前者のお気に入り数は当サークルの中ではダントツ。
そんな自信ある商品だったがゆえに、販売できなかったのはとても悔やまれました。せつえいだいじ(もはや呪文)

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話がそれましたが、本題に戻ります。

③会場レポートと考察編:話すきっかけと名刺の重要性

接客業をしていた経験があっても、いざこういう活動をしてみると、自分の商品をアピールするように話しかけるというのは緊張しますし勇気が要るものです。
そういった意味では、上記のポストカードの話で書いたように、話かけられる口実があるのは自分にとって助け舟になります開始当初は緊張しすぎて名刺すら渡せませんでした!
中には「名刺を渡すだけ渡しても、買ってもらえなければ経費が無駄」と考える方もいると思います。しかし、私の場合は出展の目的がmicophyを知ってもらう、というものだったので、惜しまず配るべきだ!と思い、以降は全部配り切る勢いでお客様に積極的にお渡ししました。(名刺さえ断られることもあるのでしょうが、この時は皆さんちゃんと受け取ってくださいました)
また、こちらから話かけることで、絵のことについての質問や感想を教えてくださる方もいて、声かけの重要性を知りました。
ちなみに名刺は作家の顔だと思っています。しっかり作られた名刺は好感が持てますし信頼されやすいと考えています。イラストは出力の問題もつきまとうので、私はなるべくきれいなものを作るために外注しています。また両面印刷にすることで、自分の絵を見てもらう機会を増やしています。
自家印刷にする場合でも、普通紙やペラペラの紙ではなく厚みのある紙を使うべきだと考えます。

④会場レポートと考察編:出展者として買い物した時に感じたメリット

当初出展中に買い物する予定がなかったので、目から鱗だったメリットは①作家さんと交流ができる②自分自身の営業にもなる この2つです。
どちらもお客側であってもできないことではありませんが、自分自身も出展者側だからこそ聞けるお話があります。それが些細なことでも、初心者にとっては勉強になります。また、出展者側の場合、自分のスペースを紹介したり、名刺をお渡ししても不自然ではありません。「どこのスペースなんですか?」「名刺ください!」なんて言ってくださる方もいました。逆に私がスペースにいる間に、出展者側のお客様で名刺を渡しに来る方もいたので、結構皆さんやっているのかも知れません。

会場レポートと考察編:自然に話をするコツは「歓迎すること」かも知れない

前々回の記事内で「アクセサリー系は競争になりやすい」といったことを書きました。出展数が多い上、媒体が小さいという意味でも個性を出すのが難しいからではないかと考えています。
一方で、アクセ系の作家さんはイラスト系の作家よりも、話術レベルが高い方が多い印象。つまり、先述した難点を話術でカバーできるのではないかと思いました。作家さんから会話してもらえるとこのスペースを見に来たことを、歓迎してもらえているんだなと思えます。
イラスト系の作家さんのスペースにて客側だった私がたまに思っていたのが、話かけられるどころか挨拶もない方がいます。これって「相手にしてもらえてないのかな?」と感じしまいます。イベントは人が来て見てもらってなんぼなのに、歓迎されている気がしないのです。もちろん作家さん本人にそのつもりがないにしても。イラスト自体言語化が難しいためそれが苦手という意識につながり、話せないという方もいると思いますし、私のようにうざがられないか不安、そもそもイベントには出たいけど人と関わりたくない、などいろんな理由はあると思いますが…。
ここで、例えば「この絵(以下画像)は、大好きなうさぎに囲まれたいという私の願望を絵にしたんですよ~」なんて簡単な小話や零れ話ができたら、話すきっかけになります。受け手として少なくとも私は、作家さんにしか知りえない作品の一面はちょっと得した気持ちになります。好印象になるかはわかりませんが、悪い印象は受けないのではないでしょうか。

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↑タイトルは「うさぎ使い」

あまりに度が過ぎると自分の世界に酔ってる人=うざがられてしまうので、本当に簡潔でいいと思います。逆に「この絵はどういう意図で描いたんですか?」なんて質問が来ることもありました。作品に興味を持ってもらえたからこその質問だと思うので、ここは作家として滞りなく簡潔に話せる技量を身に着けていきたいです…!
話術の知識がないのでこれぐらいしか思いつかないですが、①歓迎している意を示すためにも話しかけること②話かけにくいなら簡単な口実やきっかけを用意しておく この2つが大事かなと感じました。

⑥会場レポートと考察編:目標の達成度

何度も書きましたが、私はもっと自分を知ってもらい、見てくれる人を増やしたい、いわば自分を発信する目標でデザフェスに出展しました。ネット以外で人の目に触れる機会は、一番最初に話した展示のみです。それに比べると、無名の初心者でも遥かに見てもらうことができました。今回身内はひとりも来ていないので、それでも手に取ってくださる方がいたのは都市型有名イベントの恩恵にあずかれたと思います。また、購入は自信とモチベーションにも繋がりました。twitterでよくある『戦利品ツイート』、私もして頂き、すごく嬉しかったです!名刺をお配りした甲斐もあり、twitterをフォローしてもらったり、作家さんとお知り合いになることもできました。特に上記でアクセ系作家さんの話術について書きましたが、たとえジャンルが異なっていても得られることがたくさんあると実感し、ネットだけでは繋がれなかったであろう方と繋がれたのはイベントならではだと思います。何より楽しいので、今後も積極的に参加したいと思っています。

⑥会場レポートと考察編:最後に

設営を研究し、模索し、出展で経験を得…初出展は全体的に労力もかかりましたが今後の創作活動において勉強になることばかりでした。私の絵はまだまだで~なんて話をここでするとただのかまってちゃんになるので避けますが笑、自身のイラストのクオリティーを上げるのが大前提のもと、上記の反省や気づきを活かして次回のイベントに出展したいと思っています。

こちらの記事の内容は、出展直後にメモしておいたものをさらに細かく記載したものになります。イベント後の売上やあった出来事、感じたことなどはなるべくメモを残しておくと良いなと思ったのは、些細なことでもあとからそれが重要な情報になる可能性があるから。ここで得た経験値は何物にも代えられない貴重なものです。

ちなみに次回は2020年2月9日のコミティアに初参戦します。こちらは創作限定同人誌のイベントです。イラスト集を二種類作成したので、あとはまた設営forコミティアを練り直したいと思います。

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↑新刊のサンプル

コミティアはお客側で一度しか行ったことがないので現地調査が甘いところがありますが、デザフェスでの経験をもとに頑張ります。

大変長くなりました。ここまで読んで下さった方、ありがとうございます…!!


「参考になった」「特に参考にはならなかったが努力は認める」「イベント出てみたくなった」という方は、スキやフォローをしていただけると励みになります!ありがとうございました!

☟こちらが一連の記事です。全3件です。

駆け出し作家のイベント出展①現地調査編

駆け出し作家のイベント出展②設営デモストレーション編

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