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ユーザーレビューサイトにおける信頼性と透明性をブロックチェーンで担保


良いレストランやバーに行きたいときに、あちこち時間をかけて探すのは面倒です。そこでほとんどの人は、レストランレビューサイトやアプリケーションを利用して時間を節約しています。こうしたレビューサイトやアプリケーションにより、レストランのランキングやトレンドをすぐに把握し、過去の顧客レビューにより最適な店舗を見つけ出すことができます。

しかし最近では、主要なレストランレビューサイトのスコアに疑問を持つ人が増えています。大手レビュープラットフォームに一定額を支払わなければ、低い評点を付けるなどと事業上不正な脅迫を受けたと主張するレストランまであります。日本の公正取引委員会は2019年、そのような行為があったかを確認するため、オンラインのレストランレビューサイトの調査を開始したことを発表しています。

サイトやアプリケーション名は公開されていませんが、人気アプリケーションである「食べログ」や「ぐるなび」もリストに掲載されているようです。個々のレストランの評点は、サイトやアプリケーションの事業者に年間で支払った額に応じて決定されるのでは、という疑念が、顧客とレストランの双方に生じています。年会費の支払いを拒否したレストランは、たとえ他のサイトで高く評価されていたとしても、そのサイトではレビュースコアの上限を設定されてしまうと考える人もいるのです。

ブロックチェーンは、改ざんすることのできない共有されたオンラインデータベースであると言えます。これまでにご紹介してきたレビュープラットフォームを巡る状況においては、ユーザーがデータベースにアクセスして顧客レビューや情報の履歴、個々のレストランの回答やコメント、開示されていなかった苦情、サイト事業者の対応などを確認することができれば、ユーザーやレストランに大きなメリットをもたらすことができます。ブロックチェーン技術がデータの不変性と透明性を確保することで、顧客からの信頼の獲得とブランドに付加価値を実現することができるのです。

ブロックチェーンは、このようなレストランレビューサイトだけではなく、旅行、ソーシャルメディア等のレビューサイトにも応用できます。情報の透明性と信頼性により、顧客は価値のある情報に安心してアクセスすることができます。一方、企業は付加価値の高いサービス開発に注力できるようになります。ブロックチェーン独自のバリュープロポジションを活用することで、信頼性と不変性を備えたデータを提供し、顧客と企業にWin-Winの状況をもたらします。

まとめ

ブロックチェーンが社会に浸透するためには、適切なユースケースを示し、さらに効率的に問題を解決していくことが必要です。既存のシステムに対し、どのように価値を提供していくのか、一歩一歩認知を向上させていかなければなりません。

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