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4象限マトリクスの使い方3 (ストック分析)

私が最近ハマっている4象限マトリクス。何回かに分けて4象限マトリクスを使い倒すコツをまとめていこうと思います。今回は、4象限マトリクスの「ストック分析」について少し突っ込んだ感じでまとめてみたいと思います。なお、本シリーズは下記をスタートにしています。

そして、今回のサマリはこちら。

ストック分析
前回のおさらいになりますが、「ストック分析」とは静止状態の分析になります。4象限マトリクスを作るとき、分析時点の情報でポジショニングすることになります。この静止状態を前提に4象限マトリクスを使い倒すことを「ストック分析」と呼んでいます。

ストック分析で何をする?
ストック状態での分析としては、「ポジションの相対比較」「軸に対する施策」「ポジションの背景」など、4象限マトリクスの根本的な部分になります。とはいうものの、この根本的な部分が奥深いのです。この辺りのポイントをまとめていきます。

ポジションの相対比較
これは一番基本的な分析になります。4象限マトリクスにプロットしたデータやグループを相対比較します。たとえば社内人材を分析した下記の4象限マトリクス例にしてみます。

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この4象限マトリクスでは、社内人材を「スキル」と「モラール」で4象限化し、人材ごとの特性をマッピングしたものです。ここでの特性とは人材ごとの強み、弱み、課題などを指し、これらを可視化することができます。データの位置関係を非常に見通しの良い状態で把握することができるため、データ間の相対比較に適します。「Aさんはスキルもモラールも高いけど、Aさんと比べてCさんスキルが足りないね。」などといったデータ個別の相対比較です。また可視化のタイミングで4象限に分類されることで、個々の特性をグループで把握することもできます。「左上グループのDさんとEさんは、スキルは高いけどモラールが低いからモラールの向上が課題だね。」などといった感じです。上記例のように、マッピングするデータ量が少ないときはあまり気になりませんが、マッピングするデータ量が増えてくるとグループで考えることのメリットが大きくなります。

軸に対する施策
軸を設定した時点で、施策も明確になります。

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縦軸にスキルを設定していますので、スキルの低いメンバーにはスキル向上施策であるOJTやOFF-JTなどの教育を重点的に実施することが見えてきます。また、横軸にはモラールが設定されていますので、モラールが低いメンバーに対してはモラール向上施策となる目標設定や公正な評価、ジョブローテーションを重点的に実施することが見えてきます。逆の視点から考えると、軸の設定はそれだけ重要であり、分析の質を大きく左右することになります。

データの背景を探る
4象限マトリクスを作成し、データを可視化しました。結果として上記図ではAさんとBさんがスキルとモラールも高いグループに所属していることがわかりました。なぜ、AさんとBさんはスキルもモラールも高いのでしょうか?この「各グループにマッピングされた背景」を探ることが非常に有効です。ここでいう「AさんとBさんがスキルもモラール高い背景」を探るためには、AさんとBさんの共通項目を探すことが有効です。

説明7

例えば、AさんとBさんをさらに分析し、共通項目を探したした結果、「部署が同じ」、「上司が同じ」などの共通点が浮かび上がったとします。もしかしたら、AさんとBさんがスキルとモラール両方とも高いことに関係しているかもしれません。
このように、4象限マトリクスは1回分析して終わりにするのではく、2次的、3次的な分析に繋げることも可能です。

ストック分析の最重要ポイント
ストック分析の例として、「データの相対比較」「軸に対する施策」「データの背景を探る」を説明してきました。でも、忘れてはいけない最重要ポイントをお伝えしておきます。それは、「ゴールに対して軸を設定する」ということです。4象限マトリクスに限りませんが、ビジネス上で何かを分析する場合、ビジネスのゴールに向かった分析でなければ意味がありません。軸の設定次第でいろいろな分析が可能ですが、常にゴールを意識し、ゴールに直結する軸の設定が最重要になります。

次回はフロー分析についてまとめてみたいと思います。


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