
「知らない地域で味わった、挫折と達成感」参加学生インタビュー(関西大学2年・安岡 佳保さん)
「ミチシロカ」のnote編集担当です。
北海道内で地域貢献・地域活性化に寄与する体験型教育プログラムとして2022年夏に初めて開催した「ミチシロカ」。
2024年夏には、「ミチシロカ in 北海道音更町」が開催されました。音更町での開催は2年ぶり。今夏のミチシロカは、関西大学のアントレプレナーシップ醸成プログラム「HACK-Academy」と連携したプログラムとしてフィールドワークを実施しました。
今回のnoteでは、今回の音更町でのフィールドワークに参加した学生の中から安岡 佳保さんのインタビューをお送りします。

チームで作り上げる喜びに、これまで経験したことのない充実感を感じた
ーー音更町でのフィールドワークを終えて、率直な感想を教えてください。
安岡さん:まず、私は、高校が女子校出身で、大学でもサークルや部活に入っていなかったので、男性と関わる機会がほとんどなく、ミチシロカで男子と一緒に活動するのはすごく新鮮な体験でした。2ヶ月が経った今も余韻がすごくて、一緒に発表したチームの仲間たちと一緒にユニバーサル・スタジオ・ジャパンにも行ってきました。
音更町での経験が、就職活動でも新たなエリアに目を向けてみようかな、と思わせてくれたんです。今までは地元の高知に戻ることを前提にキャリアを考えていましたが、北海道のように知らない地域でチャレンジするのも楽しそうだなと思えるようになりました。
また、グループワークが楽しいと感じたことも大きな発見でした。私は個人行動に慣れていて、これまでの学校生活や日常生活でもチームワークを避けていた部分もあったんですが、ミチシロカでは一週間をかけてチームで作り上げる大変さを体感し、その分の達成感を味わいました。チームで何かを作り上げる喜びに、これまで経験したことのない充実感を感じました。
自分のアイデアが、期待されていないと気付いたときには心が折れそうになった
ーー音更町での活動の中で楽しかったこと、辛かったことは何ですか?
安岡さん:楽しかったのは、自分たちのアイデアを出し合って形にしていくプロセスです。特に「音更ファンクラブ」のアイデアが固まった瞬間はグループワークの醍醐味を味わえました。みんなで「これいいね!」と言いながら、自分たちの考えをつなげていく感覚がとても楽しかったです。
一方で、辛かったのは、ミチシロカのフィールドワーク前から思い描いていたアイデアが現場のニーズに合わないとわかった瞬間です。もともと、ジェンダーの問題について関心を持っていて、学校でもジェンダー関連の学習をしていました。ミチシロカに行くと決まってから、基幹産業の農家さんの女性をターゲットにして、女性をターゲットにしたときに困ってることとかを改善できるアイデアを見つけられたら、音更町の農家が活性化されるんじゃないか。そういった仮説をもって臨みました。
ただ、農家さんにお話を伺ったとき、自分が考えていたジェンダーに関する取り組みが期待されていないと気づいたときは、正直心が折れそうでした。正直、このアイデアを諦めるのにかなり葛藤はありました。絶対できる!と思って北海道に上陸しましたし。(笑)
このアイデア最高だと思って、家族や学校の先生にも相談をしていて、ある程度自信を持って、アイデアが出来上がった状態でフィールドワークの初日を迎えたので、農家さんの話を聞いたときには倒れそうでした。でも、限られた時間の中で切り替えることの大切さを学びました。日数も限られていたので、はやく切り替えないと他のみんなから置いていかれると。また、最終日にみんなで必死に仕上げたスライドが朝3時に消えてしまうというハプニングもありましたが、それは笑うしかなかったですね。当日のリハーサルで順番に発表していく中で、私達のチームは、スライドもギリギリまで作っていました。



ーー音更町で最も印象に残った出来事や学びについて教えてください。
安岡さん:温泉に毎日通ったことです。「鳳乃舞音更」というモール温泉には本当にお世話になりました。あの温泉がなかったら倒れていたかもしれないって思うくらい癒されました。事前にホームページで調べていましたが、実際に入るとその魅力は想像以上でした。
大人も、学生も、まちづくりに本気で向き合う一週間
ーー出会った人たちについての感想や印象的なエピソードを教えてください。
安岡さん:ミチシロカで出会った人たちは、私たち学生のことを本気で考えてくれる人ばかりで感動しました。
例えば、最終日の活動報告会で、音更町の横井さんが、役場チーム向けにフィードバックをしているとき、「役場チームが分裂しながらも、最終的にくっついて作り上げる姿をずっと見てきて感動した」といった言葉に胸を打たれました。自分に直接言われた言葉ではなかったけど、仲間の頑張りを讃える姿勢に感動しました。
横井さんを中心に、大人の方々も、夜中まで私たちと一緒に音更町のことを本気で考える一週間でした。

ーー参加後、日常生活で意識や行動に変化はありましたか?
安岡さん:以前は保守的な性格で、新しいことにはあまり挑戦しませんでしたが、今は未知の場所や新しいことに行ってみたいと思うようになりました。就活もエリアを広げて考えています。また、チームでの活動が楽しいと感じたことで、もっと積極的に人と関わろうという気持ちになりました。
ミチシロカのフィールドワーク前に、顔合わせをしたときに、他の学生のことを怖いと思って、仲良く、一緒に活動できるのだろうかと不安でしたが、話していみると怖いと思ってた人が、実は情に厚く、熱血な人だったり。人を見かけで判断しないことの大切さも改めて感じました。
人と人、異なるアイデアがつながって新しくなっていくー。「つながり」を感じたミチシロカ
ーー今後のキャリアや進路に影響を与えた部分はありますか?
安岡さん:はい、人とコミュニケーションを取ることの楽しさを改めて実感しました。お客様の声を大切にしたり、社内でのコミュニケーションを円滑にする仕事にも興味を持つようになりました。ミチシロカのように、地域づくりや社会貢献に関わる仕事も素敵だなと思っています。
音更町に行く前は、まちづくりについてあまり考えていませんでしたが、参加してみて、地域特有の魅力を活かす楽しさを知りました。その土地ならではの特性を突き詰めて、訪れる人も地元の人も幸せになれる地域づくりにすごく興味が湧きました。これからも積極的に関わりたいと思います。

ーー安岡さんにとって「ミチシロカ」とは?
安岡さん:一言で言うと「つながり」です。いろんな年代や背景を持つ人たちとつながり、それぞれのアイデアがつながっていく達成感は他では味わえません。密度の濃い一週間の中で、朝から晩までまちづくりのことを考え、一生懸命になれる経験は本当に貴重です。これから参加する人たちにも、ぜひその充実感を味わってほしいです。そして、自治体の方々に対しては、学生の姿をみて、「よそ者」だからこそ、学生だからこそ、出せるアイデアをみてほしいです。地元の知識がないからこその突飛なアイデアやまちづくりに対する姿勢をみて欲しいなと思います。
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ミチシロカ in 北海道音更町には、プログラム中カメラマンが帯同して、学生や町の様々な様子を撮影していました。現在、SNS(X・Instagram)で #ミチシロカ名場面集 として更新中です。
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— ミチシロカ【公式】 (@michishiloca) November 12, 2024
【フィールドワーク in音更 2024年夏】
★0日目★
夕暮れ時に十勝牧場の白樺並木へみんなで訪れました。なんとなく男女に分かれて歩いていたのが印象的。いよいよ翌日からこの8人で個性むき出しの濃ゆい5日間が始まるのでした
photo by かわえみ(@kawaemi_photo) pic.twitter.com/j8nBFqfL4K
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