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カツベン! ライブこそ日本のエンタメ

カツベン! 大晦日。サイレントの時代に、日本にはサイレントがなかった。日本には、活動弁士がいたから。 成田凌さんの熱演は、弁士に酔いながら活動写真に食い入る当時の熱気を、現代の満員の映画館にもビンビン伝える。カツベン、かっけー!である。 しかし、周防監督は、映画を通じ、ライブこそが日本のエンタメなんだ、と言いたかったのではないか。能、狂言から歌舞伎、落語に演劇、宝塚も。日本のライブシーンは、昔も今も頑張っている。映像技術の発展と共に、映画という表現手法は、別次元に入りつつあるが、描く対象は人の汗や涙や息遣い、心の揺れ動きなんだよ、と、この素朴な写真と巧みな弁士の技術の時代を描くことで周防監督は問いたかったのか。よき、2019のエンタメ納めであった