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できない自分と向き合うために/日々.8


ミチムラです。

先日、新作小説を書くにあたって、読者を募集しました。


最近、僕のことをストイックだというひとが非常に多いです。しかしそれはまちがいで、僕はなにかにつけていろんなことをさぼってしまう怠惰な人間です。なので今回、小説を完成させたい思いから、さきに読者を募集するという行動をとりました。そうしたら、書かずにはいられないと思ったからです。

ですが、今回どうして小説を書こうとしたのか、今一度考えなおしてみたのです。

そもそも、今年は小説をほとんど書く予定ではありませんでした。それをどうして覆して、自分は小説を書こうとしているのか。


僕は自分の抱えている劣等感みたいなものから逃げたくて、文章を書こうとしていました。

現在、僕はアルバイトとして仕事をしています。それまでは正社員として働いてきたので、アルバイトという立場が数年ぶりでした。

だからそれゆえに、正社員として働く同年代の料理人に対して、つよい劣等感を感じている自分を最近発見したのです。

彼はひとつしか歳が変わらない、彼女に関しては同い年なのに、おれはいったいここでなにをしているのだろう? なにができているのだろう?

もちろん、アルバイトをしているのには理由があります。今年独立する料理人のもとで働きたいと思っていて、それを待っているのです。

でも、だからといって、現状の自分がその料理人の店にふさわしいのか考えると、まったく自信はありません。その自信のなさが、現在の劣等感の根幹であるような気もします。


もともとが暗い人間で、いじめみたいなことも受けたことがあるので、ひとに対する感受性はいやというほどつよいです。できうるかぎりきらわれないようにしながら生きてきました。でも、いざというときに不器用なので、ここ最近ひとを傷つけてしまい、もうもどらない人間関係に落ち込んで、過去のいろんなことを思い出し、はじめて不眠症に陥り、自分がなにをしたいのか、それすらはっきりしない日々がつづいていました。

僕は、自分のことをとりもどしたいと思いました。だからそのために文章に集中しようと考えたのです。僕のアイデンティティは文章だと思ったから。


でも、それってほんとうかな?

と思いました。

僕のアイデンティティは文章なのか。アイデンティティといえるほど、僕は文章が書けるというのだろうか?

書けないな、と思ってしまいました。僕は、僕のアイデンティティを維持できるほどに文章を書くことができない自分を認めてしまったのです。


今回小説を書こうとした動機は、劣等感から逃れたいためでした。それはがんばっているひとから目を背けたいというよりは、できていない自分や、やれていない自分から逃げるための行為のようでした。

僕は文章をやるから、あなたたちはあなたたちでがんばったらいいよ、と距離をとろうとして、自分を守ろうとしたのです。

でもそれって、ひとに対しても失礼だし、小説に対してもめちゃくちゃ失礼じゃん!

と思いました。だから今回は小説を書くことを見送ることにしました。


きっと、いつまで経っても「できない自分」という存在とは向き合っていかないといけないのかなと思います。ある程度文章が書けることはわかっているけれど、いつだって「書けてないなあ」と思っているし、仕事に関してもいつだってそうです。

たぶん、いつまでもそういう自分と戦い続けなくてはいけなくて、そこから逃げたらいけないんだなと思ったのです。

だから、今回は自分の劣等感ときちんと向き合って、つらくてもきつくても、できない自分と向き合っていこうと思いました。

そしてそこから逃げるようにして文章を書くことはもう絶対にやめようと思います。ごめんなさい小説、もうそんな理由で小説は書きません。それだけ、僕にとって小説はたいせつなものだから。


小説はしばらく書きません。Twitterもそれほどやりません。そのかわり、noteでの発信をふやしていけたらなと思っています。

日常のこと(ふだんからこんな暗いことばかり書いてないです笑)だったり、やりたくてそのままになってしまっていたインタビュー記事の作成だったり、そういうことに着手していけたらと思っていますので、どうかよろしくお願いいたします。


おわり!!!

※追記

今回書こうとした小説は、うまく書けたら受賞できるレベルにまで持っていけると思っているので、大事に育てていきたいと思っています。だからここで急ぐべきではない、と思いました。読みたいとお声がけくださった方々、ほんとうに申し訳ありません。できあがった際には、またお声がけいたします。よろしくお願いいたします。


ミチムラチヒロ

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