フィードバックの上手な受け取り方

みなさんは最近誰かからフィードバックをもらいましたか?もっと言うと、「な、な、なんと、、、(ショックで言葉も出ません)><」というようなエグられるようなフィードバックをもらったのはどれくらい前ですか?そして、それはどんな内容でしたか?

私は、フィードバックをもらった経験は何度もあります。憎しみを込めて言われたフィードバックもあります(涙)。自分はとにかく集中したり夢中になると周囲が見えなくなり、時間の感覚もずれやすいので、「自分勝手だ」とか「マイペースだ」「周囲の人のことを考えていない」とかはよく言われました...改めて書くと、すみません..という気持ちになります。昔は一応、それらのフィードバックを受けて、ビクビクと周囲ばかり気にしていた時期もありました。しかし、そうすると今度は「もっと自分らしくしていいよ!」「気にせずにど~んとらしさを発揮していいよ」「神輿に乗ってしまいなよ」と言われることが増え、なんだか良く分からないまま気遣いの足かせを取りたくなる自分もいて、面の皮も厚くなってきたせいか、再びマイペースさが戻ってきている気がします。

とまあ、自分の経験を振り返っても、フィードバックは真に受けると振り回されて大変です。気にしたらいいのか、気にしない方が良いのさえ分からない多様な見解があります。そんな中、最近、フィードバックの上手な受け取り方について書く機会があり、自分なりに色々と調べたり、考えたりしました。そんな中で思ったことを書き残したいと思います。持論なので、原稿には出来なかった内容です💦

■フィードバックの上手な受け取り方とは?

フィードバックを受けて嫌な経験をすることがあります。なぜ嫌だったのか?それをもう少し丁寧に見ていくと、時にフィードバックには、相手を「支配」「判断」しようという発言者の図らずともちょっといぢわるな意図が混ざったものがあるからなんじゃないかなと思うのです。非暴力コミュニケーションを提唱したアメリカの心理学者・マーシャル・ローゼンバーグ博士は、この支配や判断を「攻撃からのコミュニケーション」としています。

発言者(フィードバックをする人)の意図がフラットなフィードバックであれば誠実に受け止めやすいのですが、「支配」や「判断」の絡むフィードバックに対しては窮屈さを覚えてしまったり、自尊心が傷ついてしまうという人が多いように感じます。そういう展開で自分の言動をしぶしぶ変えたとしても、それはどこか「羽をもぎ取られた」ような感覚なんですよね・・・自分から覚悟して選び取った感覚にはなれません。自分への信頼も持てなくなります。


「支配」を生むフィードバックとは?

その例として、「あなたは自分勝手だ」というものがあります。

これは、相手をコントロールしたい時に発生するものの見方なんだそうです。確かに、こちらから見たら、自分勝手だと言う相手の方が自分勝手だとも言えますもんね。でも、力の関係などがあると、時に罪悪感に支配されて、自分の感じていることを押し殺してしまうことがあります。

この一言を支配や判断を抜きにした本来の気持ちに読み替えると「今のあなたは、私の思い通りに動いてくれていないので、寂しい、もどかしい、腹立たしい」ということなんだと思います。相手は、寂しさや悔しさから「この自分勝手やろーめぇ~!」とぶつけてしまうのです。気持ちは分かります。溜め込んで溜め込んで出てきた言葉には多くの場合、攻撃性が混じります。それをぶつけられた相手は、(自我の弱い人なら尚更)罪悪感に支配され、身動きが取れなくなります。自分に「自分勝手」というラベルを貼られたような嫌な気持ちになります。そのラベルを信じ込んで長い間貼り付けて自信のないままの人もいます。一方で反撃に出て「逆切れ」現象を起こす人もいます(私はありました・・・笑)。これは、自分にマイナスなレッテルを貼りたくないという自己防衛機能が働いているとも言えます。

では、どうしたら良いのでしょうか?相手の気持ちや欲求もありますが、ここでめげずにまず自覚してほしいのは、「自分の気持ち」です。相手が自分勝手だと感じたその一連の出来事の中で、自分自身は何を見て、感じ、どのような必要性や願いがあったのでしょうか?相手の思い通りに動かなかった自分を観察することがとても大切です。心の中で相手のフィードバックに一旦フリーズをかけて、きちっと自分に共感してあげるという感じです。これは、相手には言わずに心の中で租借することが最も大切なポイントかもしれません。なぜなら、口に出した瞬間に「言い訳するな!」となるからです。でも、心の中では思う存分に自分2号を登場させて対話してください。なぜなら、そこには自分なりの大切にしたい気持ちがあるからです。

そして、この10秒~20秒くらいの間で、「自分はOK」という心理状態にしてから、相手のフィードバックを受け止めましょう。相手をそんなに待たせられないのであれば、「ちょっとだけ待って」という一言もあると良いかもしれません。

このように、フィードバックを受ける際には、自分を尊重できるだけの強さが必要だと強く思います。受け止める側の強さがあってこそ、はじめてフィードバックをもとにした良好な人と人とのコミュニケーションが生まれます。


少し整理すると・・・

①フィードバックを受けたら、その言葉を直球で受けるのではなく、自分の心の中で適切な形に置き換えてみてください。先ほどと違う例で言えば、「あなたは効率が悪い人だ」という言葉を言われたとします。その言葉には判断があります。ラベルを貼られるような、変化の余地がないように聞こえます。しかし、適切な形に置き換えてみると、「今のあなたの行動は、私の考える効率の良い行動とは違う」ということです。少し違うニュアンスで聞こえませんか?事実、そうなんです。あなたはきっと「効率の悪い人」ではなく、「今取った行動は相手にとっては効率悪く見える」ということだけなんです。

②次に、自分の気持ちに共感してください。何を大切にしたくて、何に興味があって、そうしたのか。そうしたかった自分に一旦心の中でOKを出して下さい。

相手からのフィードバックを受けて、行動を見直し、変えるかどうかは自分次第です。相手が好きとか、関係が良くなると嬉しいとか、成長できるとか、何か自分にとって良いことがあるのであれば、自分の言動を変えても損は無いのではないでしょうか。うんそうかも・・・となるとステップ③に進みます。

③フィードバックを受けとめ、聞く耳を「開く」と、なんと次に体験するのは「恥ずかしさ」や「悔しさ」などの痛みです。理由があったとはいえ、大なり小なり効率が悪い自分の行動を認めるということには自分への落胆も起こります。効果的でありたい、貢献したい、尊敬されていたい、という人にとっては尚更の痛みだと思います。

フィードバックに強い人は、この痛みが快感なんだそうです(笑)。私はその領域に入るにはもうちょっと修行が必要ですが・・・しかしこの痛みは、成長の痛みです。なぜ成長の痛みかというと、他者の目から物事を見て、それに応じて自分の枠組みにはなかった変化を起こすというのは、自分の認識の枠組みを広げることになるからです。バーチャルな世界みたいですが、「他者の目」が自分の中に小さく住むということになります。それって、なんだか心強くなりませんか?

痛みを引き受けながら変化することで、自信を持てるようになったりします。

長ったらしく偉そうに解説してしまいましたが、こんな風にフィードバックを受け取っていくと、自分の中の多様なものの見方や考え方を増やすことにつながり、成長の機会になるんじゃないかなと思うので、誰かのお役に立つと嬉しいです。


上記は私なりに整理したものになりますが、深めたい方には、こちらの本がお勧めです!

「NVC~人と人との関係にいのちを吹き込む法~」マーシャル・ローゼンバーグ著 (2012)


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