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文章の書き方/爆発的に文末表現問題を解決する効果的な方法(1) 外国語の習得

文章を書いていて同じ文末の連続になってしまったり、同じ文末言葉ばかり多用してしまったりすることはありませんか?

私が文章術の本を読み漁って気づいたことは、作家、コラムニスト、新聞記者、学者、Webライターで主張がまるで違うということです。

それでも何か共通した点はないかとよく見てみると、多くの書籍で文末表現について触れられていました。

爆発的に文末表現問題を解決する効果的な方法はないだろうか?

爆発的というくらいなので察してください。簡単ではないことを(ぼそっ)

今回は2つある解決策のうちの1つ、「外国語を習得する」について話しましょう。

■ この記事を書いている人
Webコンサルタントで、大学の非常勤講師。
大学ではWebライティングの講義を受け持っています。

プロフィール(2023年2月更新)


「文末表現」問題

日本語の「文末表現」は、根深い問題のひとつです。

文末に注意しよう
①「~でした」「~でした」「~でした」と同じ文末が連続しないようにする。
②「思います」を使いすぎないようにする。

①同じ文末の連続は、2回までにしましょうとしている書籍が多いです。

特に過去形は、「です・ます」調でも「だ・である」調でも語尾が「た」になることから、注意しなければ永遠と「た」が続いてしまいます。

②の「思います」の多用については、学校によっては、読書感想文など作文に「思います禁止令」を出している小中学校もあるくらいです。

文章の書き方について、谷崎潤一郎『文章読本』(初版1934年11月)では、簡単に言うと「本を読みなさい。音読しなさい」と説いています。

『文章読本』に後続する類書では、総合的に様々なことに触れつつ、言いたいことは「本を読みなさい」です。

このような中、2019年12月に出版された瀬戸賢一『書くための文章読本』は、谷崎をはじめとする先人たちの教えに触れた上で、これまでの書籍とは異なり、まるごと一冊「文末表現」について構成されています。

英語学者の視点から「具体的に言うと、こういう時にはこうしたらいいんじゃない?」と様々な方法が紹介されています。
大変興味深く、最後まで一気に読みました。

さて、読み終えてから知り合いにも読んでもらったところ難しいとのこと。

そこで初めて少しではあるものの専門用語が使われていたことに気づきました。
もちろん、説明も添えられていたので注意深く読めば理解できたでしょう。

なぜ私は気にならなかったのだろう?
ここで学生時代、言語学を専攻していたことを思い出したんです。

専門用語を知っているので論文も読めます。
関係する論文を探して読んだところ、ぐいぐい引き込まれました。

おもしろい。

いま文末表現問題を調べています。

その間書けること何かあるかな?と考えたときに、爆発的に「文末表現問題を解決する方法」なら先に書けるな、と。

外国語により日本語の特徴が鮮明にわかる

外国語を習得しよう!

いきなり言いましたが、「外国語と日本語、何の関係があるの?」と思われたかもしれません。

外国語を知っていることによって、日本語の特徴が鮮明にわかるようになり、日本語力が向上します。

学生時代、ある言語を知りたければ他の言語も1つは必ずできなければならないと当たり前のように言われました。

英語ができるライターさんから「英語ができるので日本語の文末表現がとても気になる」と言われたことがあります。

ライター「日本語は同じ文末が連続するだけで、もう読む気をなくしてしまいます。
意識してすべての文末を変えています

私は、まるでサイデンステッカーみたい、と興奮し前のめりになりました。

サイデンステッカーは、川端康成の小説を翻訳したときに日本語の「思う」を29種類の英語の動詞に訳し分けた天才翻訳家です。

川端康成の作品の力はもちろんのこと、サイデンステッカーの名訳の力もあって、ノーベル文学賞を受賞することができたのは言うまでもありません。

エドワード・ジョージ・サイデンステッカー(英語:George Edward Seidensticker、1921月2月11日 - 2007年8月26日)は、日本文学作品の翻訳を通して、日本の文化を広く紹介したアメリカ人の日本学者、翻訳家。

言語学者も外国語を勉強し続けている

世界的言語学者の町田健先生は、久留米大附設中学校・高等学校 学校長としてさまざまな業務をこなしつつ、校長室で毎日語学の学習をされています。あるインタビュー記事を紹介しましょう。

どんな言語学者でも、すべての言語を知っているわけではない。
知る範囲での発想から研究するため、研究を極めることができない。
.
「私の人生における目標は、言語がなぜこういうしくみかを解明することだった。でも、これは、やりきれないまま死ぬんでしょうね」
.
多くの言語を知っていれば知っているほど、自由な発想、新しい発想ができる。
.
「今後もギリシャ語とラテン語を続けたい。そして日本語文法の研究書と英語の参考書を書き終える」と、穏やかで落ち着いた中にも芯の強さが感じられる口調で語った。

500字Human<世界的言語学者が「毎日続けていること」 町田健さん>

町田先生が大学教授だった頃、私は大学院生でした。
同じ大学なのに別の組織だったので、私は先生から教わったことはありません。

私の尊敬する日本語学の先生が町田先生についておっしゃった次の言葉を、いまでも鮮明に覚えています。

「町田先生は世界レベルの先生だから次元が違う」

キャンパス内でお会いしても優雅なオーラを身にまとって歩かれているので、神々しすぎて話しかけることさえできませんでした。

町田先生の「言語学が好きになる本」は、大学の教科書としても使われています。
とてもわかりやすいので、是非読んでみてください。
ただ、絶対に電車で読んではいけません。
おもしろすぎて笑ってしまうからです。

いまの私は、普通に町田先生にメールや電話をすることができます。
昔の私からは想像できないことです。

メールすると先生から光の速度で返信いただけます。
大変ありがたいです。

外国語の習得は難しくない

外国語は大事とこれまで話してきましたが、「外国語の習得は難しいはず」と思っていませんか?

外国語の習得は難しくない!

嘘です。難しいです……涙

でも、安心してください。
途中から楽しくなるので難しいと思わなくなります。

次回、私が語学を習得した経験から外国語を効率的に習得する方法を紹介します。

最短距離でできるようになる方法です。

この方法を使えば、日本語を話すときのように外国語を話すことができるようになるでしょう。

まとめ

文末表現問題、どうすればよいのか?
爆発的な解決方法の1つとして「外国語を習得する」を紹介しました。

外国語を知ることにより、日本語の表現がより豊かになります。

次回は、「外国語を効率的に習得する方法」を紹介しましょう。
(※11/14追記)
※こちらは4000文字以上無料で読める有料記事です。
公開を終了しました。
購入者さんは引き続き見ていただくことができます。

■後半編

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