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[書評] 祝之神事のルーツが、かつてエジプトの大ピラミッド内部や大スフィンクス像の前で執り行われていた秘儀にある

「ムー」2021年6月号

「ムー」2021年6月号

祝之神事のルーツが、かつてエジプトの大ピラミッド内部や大スフィンクス像の前で執り行われていた秘儀にある

保江邦夫氏にインタビューし、同氏の著書『語ることが許されない 封じられた日本史』(ビオ・マガジン、2020)に基づいて書かれた記事〈イエス・キリストと伯家神道「祝之神事」の秘儀伝授〉について。

結論的には、伯家神道「祝之神事」(はふりのしんじ)についての物理学者の保江邦夫氏の説について、「ムー」2021年6月号「イエス・キリストと伯家神道「祝之神事」の秘儀伝授」の記事と、氏の著書『語ることが許されない 封じられた日本史』とは補完し合う関係にある。つまり、この『封じられた日本史』の本を持っている人でも、「ムー」の記事は読む価値があるということだ。

一つだけ具体例を挙げると、『封じられた日本史』158-161頁の「大正天皇、ガーター騎士団への入団」の項には写真がない。その写真が「ムー」2021年6月号35頁にはあるのだ。

また、逆に、「ムー」2021年6月号35頁の「フルベッキ写真」の、もっと鮮明な写真「フルベッキと塾生たち」が、『封じられた日本史』の口絵に二つ折りの大きさで入っている。その口絵の裏には、写真のどの人物が誰かが明記されている。

イギリスによる日本の植民地化を避けるために、大正天皇が皇太子時代にイギリスのガーター騎士団に入団し、イギリス王室を操るガーター騎士団のトップになって、日本への進出を阻止する、それが実現した事由を〈証明するような資料はない〉と、「ムー」2021年6月号35頁には書かれている。

しかし、同誌には次のようにも書かれている。

〈そのとき、イエスが日本に伝えた祝之神事、ハトホルの秘儀の秘密や、イエスの足跡が昇進のための交渉に使われた可能性もあるが、はたしてどうなのだろうか。〉(「ムー」2021年6月号35頁)

保江邦夫氏は、2014年4月8日、伯家神道の正当継承者のひとりになった。

その際、祝之神事について、〈その成り立ちや作法の詳細、神事によって明らかになった事柄など〉一切を秘匿するという神前契約書に氏は署名捺印した(『封じられた日本史』33頁)。

したがって、上記の交渉について、すべてを知っていたとしても、氏にはそれを明かすことはできない。

『封じられた日本史』51-56頁に「マグダラのマリアは西へ」の項があり、興味深い。それによると、マグダラのマリアと聖母マリアは、東へ向かうキリストと別れ、西へ向かった。のちに、マリアたちは来日し、イエスと再会する(57頁)。

同誌記事には〈祝之神事のルーツが、かつてエジプトの大ピラミッド内部や大スフィンクス像の前で執り行われていた秘儀にある〉と書かれているのだが、このことを保江氏はどこで知ったか。

同氏によれば、その根拠は〈イエス・キリストとマグダラのマリアも、この秘儀を受けていた〉ことを、ある書物で読んだことにあるという。

保江氏の著書(『伯家神道の祝之神事を授かった僕がなぜ ハトホルの秘儀 in ギザの大ピラミッド』、2013)には、そのことは『マグダラのマリアによる福音書』に書かれているとあるが、調べたところ、その本には書いてなかった。

「ムー」2021年6月号の記事では、〈その秘密は、『ハトホルの書—アセンションした文明からのメッセージ』(トム・ケニオン&ヴァージニア・エッセン著/紫上はとる訳/ナチュラルスピリット刊)に書かれていたと、保江氏はいう。〉(p. 22)と書かれている。これも調べてみたが、この文献でも裏づけができなかった。

結局、〈イエス・キリストとマグダラのマリアがこの秘儀(ハトホルの秘儀)をエジプトの大ピラミッドで受けた〉ことを、文献上で確かめることは現時点ではできていない。

このことは、ハトホルの秘儀が日本に伝えられ、天皇家の神事である祝之神事のルーツとなったことの根幹に関ることなので、今後も調査は続ける。

もうひとつ、ハトホルの秘儀とはべつに、テンプル騎士団のことにも少しふれたい。

「ムー」2021年6月号の記事にも、『封じられた日本史』にも、この騎士団のことについて書いてはあるが、複雑な歴史をたどっているため、分りにくい。

簡単な要約もむずかしいので、年表式にまとめてみる。

1119年……テンプル騎士団 創設
1307年10月13日(金)……テンプル騎士団会員 一斉逮捕
1319年……キリスト騎士団 創設(テンプル騎士団が改名)
1344年(1348年)……ガーター騎士団 創設(キリスト騎士団のグループが結成)

テンプル騎士団は第1回十字軍(1096年)後、エルサレム巡礼者を保護するために設立されたが、別に「磔刑後に生きていたイエスが訪れたという噂がある場所があればそこを調査し、事実であれば亡骸を持ち帰れ。あるいは子孫がいたなら連れ帰れ」という任務があったことが、「ムー」2021年6月号の記事に書かれている。

テンプル騎士団の調査は世界中におよび、日本も含まれていた。〈イエスが20代をすごしたといわれる東北地方、具体的には青森県や秋田県のあたりを集中的に調べた〉という。

「ムー」2021年6月号の記事にも、『封じられた日本史』にも書かれていないが、重要なことがある。

それは、テンプル騎士団にとってマグダラのマリアが特別な存在だったことだ。

同騎士団の共同創設者である聖ベルナルドゥスが作った騎士団会則中、名前を挙げられた聖人は、聖ペトロ、聖パウロ、聖マグダラのマリアの3名のみである。

#書評 #ムー #イエス #マリア #テンプル騎士団



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