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製造用剤と加工助剤

今回はちょっと聞きなれない名称の添加物にします。「製造用剤って、いったい何だ?」「加工助剤って何だ?」、私はそんな疑問を持ちましたが、これを読んでくださる皆さんはどうでしょう。知っているよという人は良いのですが、多くの人が初めて聞くような名前じゃないかなと思います。

いろいろと調べてみたのですが、食品添加物って本当なら使用しなくてもよい、そんなモノなのかもしれません。しかし、それではすぐに傷んでしまって消費者の元に届かなくなるので「防腐剤」「保存剤」などが使用されることになります。また、彩りが鮮やかな方がおいしそうに見えるのであれば「着色料」を考えることになるでしょうし、風味や香りも大事な要素ですから「香料」を使用することになるわけですね。しかし、いろいろな目的を持って食品に添加するものですから、利用する用途がごく限られたものがあったり、分類するうえでなかなか一括りにできないものがあったりする場合も出て来ます。そういった添加物を便宜上一つのグループにまとめたものが「製造用剤」という名称になっているとのことでした。

このように考えれば「その他大勢のようなモノか」という事になるのですが、ただ、そんな単純なものでもないようです。食品添加物として使用する目的がハッキリとしているもの以外にも、細かな理由で様々な添加物を使用している食品が多数存在します。ある記事によると、「無機酸類、アルカリ類、溶剤、ろ過助剤、日持向上剤、その他」のものが、それぞれの理由や目的で添加されているばあいがあるという事ですが、それらの数が非常に多くなってしまっている例があるのだろか。そうなると、とても記載しきれない事になりますよね。そういったものを全部まとめて「製造用剤」と一括りにするのだそうです。

これ等の中には製造の途中でその成分が消えて無くなったり除去されてしまったりするものがあります。製造終了の段階で食品の中に残っていない状態になるわけですね。あるいは、仮に成分が残っていたとしても量が少なくなっていることで、既に効力が失われてしまっているものも存在します。効力が残っている場合は物質名を表示しなければなりませんが、効力が無くなってしまっている場合は「加工助剤」とみなされて、表示しなくてもよいことになっています。

また新しい名前が出て来ました、加工助剤、どんどん新しい名称のものが出て来ますね。これじゃ一般の消費者だと混乱してしまって、終いには何が何だか分からなくなりそうです。「それを狙っているのか?」と勘ぐりたくもなる(?)のですが、(その気持ちを抑えて冷静に)製造用剤にせよ加工助剤にせよ、いったいどのようなものが一括りになっているのでしょうか。

製造用剤と一括りにする場合のものは、例えば以下のようなものです。かんすい,豆腐用凝固剤,結着剤,消泡剤,膨張剤,酵素,酸剤,アルカリ剤,抽出溶剤,ろ過助剤,ガムベースなどが該当します。

加工助剤の方も、どのようなものかは先に書きましたが、例えば「活性炭」、清酒の製造工程で不純物を吸着除去のために加えることがあるそうですが、その後にろ過をする工程があるので、そこで除去されて製品の中に残ることはありません。このような例では活性炭が加工助剤とみなされます。

また、菓子などを個包装する際に酸化やカビの発生を防ぐ目的で空気ではなく二酸化炭素や窒素を使う事がありますが、これらも食べる時には製品に残っていないので、加工助剤という事になる、そんな判断だそうです。

本当にややこしいものばかりですね。そんなにハードルを上げてどうするんだと言いたい気持ちです。ですが、これだけのハードルを越えた企業だけが食品を製造していると考えれば、多少は納得できるのかもしれません。


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