Yoshihiro Nishino

あなたの健康を応援するサポートライター🄬です。 医療機関で臨床検査技師として、40年近…

Yoshihiro Nishino

あなたの健康を応援するサポートライター🄬です。 医療機関で臨床検査技師として、40年近く勤務してきました。 現在はKindle出版のプロデュース業やラジオのパーソナリティをしています。 こころとからだのお役立ち情報などを紹介したいと思います。

最近の記事

うま味のはなし

今回も調味料とは少し離れた話になるかもしれませんが、うま味ということについて取り上げてみたいと思います。 私が昔学校で習った味についての話では、味の基本は甘味、酸味、苦味、塩味、この4つだったと記憶しています。それがいつの間にか増えていた(?)という事なのですが、その前にもっと大事な話を見つけました。「旨味」と「うま味」は、実は別のものだという事らしいです。漢字とひらがなの違いだけでは済まないような、大きな意味を含んでいるのだとか。 あるサイトの記事によれば、「うま味」と

    • 調味料のはなしの続き

      今回は、調味料のはなしをもう少し詳しく書いていきたいと思います。日本では昔から調味料について「さしすせそ」といった表現がありました。味付けに用いるものを五つ、入れる順番も含めての語呂合わせとして親しまれてきたのはご存じですよね。基本中の基本といった捉え方をされてきましたので、それの意味などを考えてみたいと思います(今回の話題は食品添加物の話からは逸れますが・・・)。 最初は「さ」ですが、これは砂糖を意味しますって、皆さん知っていますよね。次が「し」で、塩を意味します。砂糖と

      • 調味料のはなし

        今回は食品添加物の中の調味料について取り上げます。調味料と聞けばなんとなく「味付けが良くなるようなものなんだろうな」と思いますが、どうやらその通りのようです。日本食品添加物協会という団体があるそうですが、そこのホームページの記載によると調味料とは「食品にうま味などを与え、味をととのえる」という目的や効果があるとのことでした。実際に使われるものとして、L-グルタミン酸ナトリウムや5'一イノシン酸ニナトリウムといったものが挙がっていました。 味付けとして用いられる一般的な味噌や

        • ベーキングパウダーとアルミニウムの話

          もともとパンが誕生したのはヨーロッパの方だったと思いますが、職人の方はパンを焼くうえでもっと簡単に作れないかと思案していたそうです。当時はまだイースト菌を自由に使うことができなかったとかで、職人の方たちは苦労していたようです。そんな中でいろいろな紆余曲折を経てベーキングパウダーが誕生するに至ったわけですが、この成分のひとつにミョウバンというものが入っています。 このミョウバンの成分として、アルミニウムが含まれています。そして、膨張剤が危険だとか人体に有害だとか言われる根拠は

        うま味のはなし

          膨張剤のもう少し詳しいはなし

          今回は前回の続きで、化学的膨張剤のはなしから始めます。化学的膨張剤というと何やら仰々しく感じますが、要は口にしても安全な薬品による膨張剤ということです。具体的な物質名を挙げると、重曹(炭酸水素ナトリウム)や炭酸アンモニウムといったものです。 このような薬品(ちょっと語弊がある表現ですが)は、加熱によって炭酸ガス(つまり二酸化炭素)が発生します。これらが生地の中で気泡として出て来ることで、生地自体を膨らませるという働きをします。炭酸アンモニウムは膨らませる効果はあるのですが、

          膨張剤のもう少し詳しいはなし

          膨張剤のはなし

          今回は膨張剤を取り上げます。膨張剤という名前も食品の裏側にある成分表示を見るとよく出て来る名前の一つなので、ご存じの方も多いでしょう。私には「食品をふくらませるんだな~」というくらいの感覚でしかなかったというか、どんなものかサッパリ分からなかったので、今回取り上げて調べてみることにしました。 膨張剤は何のために用いるかというと、それは生地を膨らませるためということです。食品に用いられるものとしてはベーキングパウダー(昔はふくらし粉と言っていた記憶があります)と呼ばれる物質が

          膨張剤のはなし

          乳化剤のはなし

          今回取り上げるのは「乳化剤」という食品添加物です。ですが、乳化剤の事を書く前に一つ疑問があります。そもそも乳化ってどんな現象なのでしょうか。単に白濁させるというわけではないと思いますが・・・。 乳化は英語でエマルジョン(Emulsion)といいます。本来混じり合うことのない二つの物質を物理的に均一に混じり合った状態を指します。混じり合わない物の例えでよく出て来るのが水と油ですが、これを混ぜてしまうために使用する物質が「乳化剤」と呼ばれる物なんです。 水と油なら強く振盪すれ

          乳化剤のはなし

          苦味料のはなし

          前回は酸味料という酸っぱい味を付ける添加物の話でしたので、今回は苦味料という苦い味をつける添加物について書きます。 苦味ってあまり良いイメージではありませんね。口にした食品や飲料がヘンに苦かったりすると、「これ、傷んでる」として食べなかったりしますが、食品によってはわざわざ苦い味付けをすることがあるんです。例えばビールだとか、コーヒーだとか。そしてこの苦味、適度にあると胃を刺激するのだとか。胃酸や消化酵素といった胃液の分泌を促す作用があるのだそうです。 もう少し詳しく書き

          苦味料のはなし

          酸味料のはなし

          今回は「酸味料」を取り上げます。名前からして、食品に酸っぱい味をつけるために使う添加物なのかなと思ったのですが、果たしてどのような添加物なのでしょうか。 調べてみたら、やはりそうでした。食品や飲料などを対象に、酸っぱい味を出すために用いられる食品添加物だという事で、合っててよかった。もう少し突っ込んで調べてみると、食品や飲料の酸味を調整するために必要な食品添加物なのだそうです。使用する対象も食品や飲料の他にサプリメントなども含まれてくるのだとか。 酸味という言葉だけなら調

          酸味料のはなし

          防カビ剤のはなし

          今回は防カビ剤について書く事にします。カビは微生物の一種なので、防腐剤でもいいじゃないのかという気がしますが、防腐剤と防カビ剤はちょっと違うもののようです。文字からすれば「防腐剤」は腐らないようにするために使うもの、「防カビ剤」はカビが生えないようにするためのもの、そんな違いがありそうな気がするのですが、実際はどうでしょうか。 防腐剤、防カビ剤とも、微生物の繁殖を抑えて腐敗や発酵が起きて食品が変質しないようにするためのものです。インターネット上のサイトや記事によると「静菌作

          防カビ剤のはなし

          漂白剤のはなし

          今回取り上げるのは「漂白剤」です。ニュアンスとして、いかにも「危険なモノ」だとか「食品には不似合いなモノ」といったイメージがありますが、実際にはどのような働きをしているモノなのでしょうか。 漂白剤はその名が示す通り、食品の色調を整えるために用いる添加物です。具体的には、食品を加工する過程で変色してしまった場合にその色を抜く目的であったり、脱色させて一度色を落としたうえで着色して食品の見た目をよくするといった目的をもって使用されるものなんですね。こうすることで、きれいな色調に

          漂白剤のはなし

          発色剤は安全か?

          この文章を書くにあたって発色剤の事をいろいろと調べていると、「危険性」という言葉をよく見かけます。そんなに危険な添加物なのかと思うのですが、実際のところはどうなんでしょう。 食品添加物はその名の通り、食品を美味しそうに見せたり保存性を高めたりする目的で、製造時や製造後の段階で用いられるものですね。当然ですが、安全性の確認などはかなり厳しく行われているはずですし、そのための方法も公表されています。そして、年々進歩する化学に合わせて、安全性を調べる検査の方法も精度が上がっていき

          発色剤は安全か?

          発色剤の話

          今回は発色剤を取り上げます。発色剤とだけ聞くと、「いろんな色を際立たせるために、怪しい薬品でも入っているのか?」と勘違いしそうですが、食品の色彩に関わる添加物であることには間違いありません。 発色剤は、食品にもともと含まれている色素の結合して鮮やかな色合いにすることで、美味しそうに見せるために用いられる食品添加物です。結合する色素は赤血球に含まれるヘモグロビンや、筋肉細胞に含まれるミオグロビンといった色素などで、発色剤が結合することによって加熱しても安定した赤~ピンクの色合

          酸化防止剤

          今回は酸化防止剤を取り上げます。これも食品添加物の一つとして、よく目にするものですね。でも、なぜ酸化防止剤が必要なのか、何故この食品に入っているのか、疑問に思った事はありませんか。べつに要らないんじゃないのかと思うこともあるのですが、必要だからこそ添加されているはずです。その理由も併せて考えてみたいと思います。 まず、酸化防止剤とはどんなものかという事ですが、その名が示す通り「食品の酸化を防ぐために添加される物質」ということです。では、酸化を防止しなければならない理由とは一

          増粘剤の話の続き

          前回は増粘剤の話でしたが、とろみ剤の話に逸れてしまいました。そこで今回は増粘剤の話をもう少し詳しく書きたいと思います。 増粘剤ですが、食品関係では増粘安定剤とか増粘多糖類だとか、そんな表現になっていることが多いようです。いったいどう違うのでしょうか。ウィキペディアによると、増粘剤は粘度を高めたり、ゲルやゾルの状態を安定させて分離を防いだりするために用いられるもので、食品に用いる場合は「増粘剤」というよりも「増粘安定剤」といった表現になる場合も多いとのことでした。使用の対象は

          増粘剤の話の続き

          増粘剤の話

          今回は食品添加物の中の増粘剤について書く事にします。あまりピンと来ない食品添加物という事もあるからでしょうか、どんな役割で添加されているのかのイメージが出来ません。どんな目的で使われているものなのでしょうか。 粘度という言葉だけの意味を調べてみると、「流体が持つねばりの度合い」といった説明でした。用いる表現も材料や使用目的に応じて様々な言葉が使い分けられています。例えば「なめらかさ」とか、「クリーミーさ」とか、「ベトベト」「まとわりつくような~」「ドロドロ」等といった表現が