社会人としての覚悟

理想と現実

私はとても焦っていた。

2019年8月、就活をやり直すかどうか、、

 

私は大学時代ダンスばかりしていた。

多いときは毎日の夜練習に加え、週に6日の深夜練習。

毎日8時間ほど練習していた。

ダンスばかりしていた大学生活が過ぎるのはとても早いもので、気づいたら2019年2月になっていた。何をすればよいかわからないまま暇を埋めるように説明会、選考に進んだ。

そして5月、私は今の会社から内定を頂くことができた。

私の就活の軸はAI時代をAIに替わられないよう、人間である自分にしかできないような仕事をして成長できることであった。

また、大手企業の早期退職募集が相次いでいることから、会社にぶらさがらず自分の力でお金を稼ぐことができるよう、ベンチャー企業を志望していた。

この会社はそれらの軸にとても合っていた。

内定を頂くことができ、就活は何の迷いもなく終わらせた。

そして6月から3か月間、内定者としてこの会社でアルバイトをすることにした。

どんな社員がいるのか、どんな仕事をするのか、当時の私は楽しみで仕方なかった。

 

アポが取れない

6月5日インターンが始まった。

車内は予想通りキラキラした若い社員で溢れ、皆が皆真剣に自分の仕事に打ち込んでいた。

私がアルバイトとして配属されたのはアルバイトメディア事業部の営業で、営業手法はテレアポだった。

リストに書かれた会社に順番に荷電をしていく。

 

アポ率は平均1%。

100件かけて1件とれるのが普通と聞いていたので

はじめはアポが取れなくても前向きにやっていた。

 

しかし300件かけてもアポは取れない。

 

「今忙しいからー」

「ほかの媒体で出しているのでー」

と何度も断られる。

断られてばかりで私は自分がやっていることが無駄なのではないかと、
意味がないのではないかと、
なんでこんなことをずっとやっているのだろうと、
心が病んでしまった。

お金を稼ぐのはこんなにも大変なのかとか、
なぜお金を稼がないと生きていけないのだろうとか、
生きるって何だろうとか、
何をするにもどんな理由やどんな意図があるのかを考えるようになってしまった。

 
そして就活をやり直すか迷った。
 
そんな気持ちで毎日を過ごし、とりあえず初めに契約した8月まではやることにした。
最終的にアポは約850件中3件とることができ、そのうちの1件は受注することができた。
 
今まで学生時代にやってきたアルバイトは飲食店や居酒屋とインバウンドの営業ばかりで自分からお客様を作るということをしてこなかった。
店長代理をしていたので自分は仕事ができる方だと思っていたが、売上の数字は背負ってなかったのではっきりいうとお客様が来ない方が嬉しかった。
なぜなら、暇なときは何もしなくてもお金をもらえたからだ。
 
今回初めてアウトプットで自分からお客様に電話をし、悩みを聴き、何を求めているかを考え、提案する、自分からお客様を作るという経験をした。
 
3ヶ月であるがこの経験をしたことによってわかってはいたが、改めてお客様がいることのありがたさや、ひとりひとりのお客様がいて会社が成り立っていること、お客様が大切であることを学んだ。
 
また、最低限のビジネスマナーや言葉遣いをいち早く学ぶことができた。
 
心が病み切ってしまったが、この3か月間は意味のあるものだった。

それからは営業に関するビジネスの本を読んだり、今まで興味のなかったニュースのアプリを取り入れて毎日読んだり、社会人になるために少しずつ準備を進めていった。

就活をやり直すか悩みながらもこの会社で挑戦したいという気持ちが残っていた。

 

内定者研修

12月13日私は第一回目の内定者研修に参加した。
インターンをしていない人はこの営業がどれほどつらいか知らずにのほほんと研修にきているんだな、まだこんな気持ちでいた。
 
内定者研修では現役の先輩社員との交流の時間が設けられた。
 
そこにいらっしゃった社員はみな自分の役割を全うし、とてもキラキラ輝いていた。私が就活時代に理想として描いていた姿そのものであった。
 
そしてその社員の中には19卒の代だけで作った子会社で働いている先輩がいた。
 
事業内容は中途採用を支援するサービスだった。
 
私は少し話を聞いただけで疑問だらけだった。
 
他の内定者は彼女がいるかどうかやどこに住んでいるかを質問していたが、そんなこと当時の私にはどうでもよかった。
 
なぜそんなに輝いているのか、なぜこんなにも自信をもって楽しそうに仕事ができるのか、気になって仕方なかった。
 
子会社化しなくても中途採用支援の事業部はすでにあるし、なぜ19卒の代だけで子会社化したのか、
 
疑問に思ったことをすべて質問した。
 
それからその社員とコンタクトを取り、個別に話す時間を作っていただいた。
 
先輩は日韓のハーフで日本人の内に秘めた美しさを世界へ届けたい、起業したいという夢がある方だった。
 
まさか1年目とは思えない経験をすでにしており、私の目標となる先輩ができた。
 
私もなにかひとつの夢を持ち入社しようと心に決めた。
いつでも原点に返ってやり直せるように。
 
仕事は楽しいと思えるように。
 
入社3年でやめるひとがこんなにも多いが、
その一人にならないように。

 (参考: https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/caripedia/36)

成長してここで働いてよかったと思えるまでは辞めない、そう胸に誓いました。