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【秋山黄色】ツアー第4弾は、なににも縛られない自由な感謝祭

「最期に聴く音の片方は秋山黄色がいいなあ」
死ぬ間際、左右の耳から流れ込んでくる音の片方は黄色さんの音楽に譲りたい。
なんでこんなこと思ったかはわからないし、ライブ中のどこで思ったのかもあやふやだけど、たしかに思った。
それほどの感動をもらった。


⚠️⚠️⚠️この先、秋山黄色『一鬼一遊TOUR Lv.4』10月1日大阪公演のネタバレを含みます⚠️⚠️⚠️

開演予定の17時を過ぎ、ライブ特有の焦らしを喰らいながらおよそ5分経った頃。
暗転。直後、ステージ上からけたたましいフラッシュ。眩しい。でも一時も逃さずこのライブを見たい。目を細めながらステージを観る。
先程まで誰もいなかったステージ中央に人影が。
始まる。興奮で息が止まる。

”哀に触れて ほどよく踊り 未来を歌いニヤッとしたい”
一鬼一遊TOUR Lv.4の幕開けは『シャッターチャンス』。マイク片手に歩く黄色さん。
”Count Back 4321”
ここを一緒に指折り数えるのが大好き。
この時だけは、ライブへのカウントダウンみたいだった。これからライブが始まる。既に始まってるんだけど、実感が伴ってくる。

『Bottoms call』
タイトルコールの瞬間、堪えてた涙が溢れた。
頭がねるねるゼルゼルしてしまう程、サブスクで聴いたこの曲。生で1番聴きたかった曲。
アコースティックを聴いてるような泣き方をしながら聴いた。
正直涙で視界はぼやけるし、嬉しさのあまりあまり覚えていない。
ただはっきりと覚えているのは、なんでこういう日に限ってタオル持ってないんだ、ってこと。
開演40分前くらいに物販並んだら、タオル売り切れだったんです。中野で絶対買う。

黄色さんを語るうえで外せないギターフレーズがくる。誰もが油断していた、開始十数分余りでの『やさぐれカイドー』
フェスの黄色さん慣れしていたせいで、やさぐれの前は「俺の全て!」と曲振りが入ると刷り込まれていた。急に眼前にこの曲を持ってこられると、呆気に取られる。徐々に身体が熱くなって、手を振り乱して。
この曲を書けてしまうほどの黄色さんの原体験に思いを馳せる間もなく、ひたすらに楽しんだ。


わずか3曲で終盤のような盛り上がりまで会場を導き、MC。
ちなみにこの日の私の座席は2階席2列目(おそらく前列は関係者席で座って観覧していたため、気分は2階席最前)。こっちまで見てくれてるな、と最初から感じていた。
「2階席!俺がかっこよすぎるからって落ちるなよ笑」MCでもすぐ触れてくれて大盛り上がり。今ツアーは、アルバムを引っ提げていない初の試み。
「今日来れた人はラッキーですねぇ。感謝祭みたいにやってくよ!」
いつも以上に自由で吹っ切れた、音楽を謳歌した夜が始まる。


『クラッカー・シャドー』『ソーイングボックス』『年始のTwilight』『Night park』
ライブはさらに加速していく。
1stアルバム→最新配信シングル→初披露の新曲→最新アルバム。隅から隅まで楽曲をやり尽くす、振り幅ジェットコースターなセトリ。
「すみませんねカップリングからやっちゃって笑」と言っていたが、みんなが期待して足を運んだであろう、新曲『SKETCH』の前にカップリングを披露する面白さ。
『年始のTwilight』は、ラップじみていて、ポップでキャッチー。”あけおめことよろ今年もどうぞ〜”みたいなフレーズを歌っていた気がする……。

ひっちゃかめっちゃかに楽曲を縦断したところで、アコースティックタイム。
”時間を金に変えた 金をお酒に変えた もうなんもなくて笑えた 面白いけど楽しくないって普通かい?”この歌い出しがひどく好きな人も多いであろう『夕暮れに映して』
ここらへんで一度記憶が曖昧になってるのはなぜだろう……。なにかを「忘れてください!」と黄色さんに頼まれた気がする……まあ、ハプニングがつきものなのがライブですからね。

『エニーワン・ノスタルジー』に続く。
”子供は子供が仕事さ 大人は大人が仕事さ”の部分で若干ミスったらしく笑っちゃう黄色さん。
「誤魔化せるミスもあるんですけどねえ。笑っちゃいました。残酷なこと言ってるなって笑」
たしかにこの歌詞、核心をつくものだけど残酷笑
ただミスがどうこうより、笑ったあとの切り替えが早過ぎてびっくり。わざと笑ったのかな?と思うほど、そのままスムーズに歌い上げたのはさすがプロ。

アコギで心を解された後は『Drown in Twinkle』で心の叫びをぶつけ、『見て呉れ』では気持ちと同時に歌唱力の高さもぶつけてくる。
黄色さんの高音。綺麗で、救けを求めていて、苦しんでいて、でも希望を見据えている。
いろんな感情が混ざったこの声が、詞に乗ることでより沁みいる。バンドサウンドで奏でられることでより迫力が増す。

3rdアルバム『ONE MORE SHABON』の中でも、
特に尖りをみせた『PUPA』『アク』を連続で持ってくるのは高揚感を覚えざるを得ない。
さっき消え入りそうな高い声を出してた人が、こんな攻撃的な歌もやるのか!って温度差。
『アク』の前の、嵐の前の静けさというか。
イントロを匂わせ期待を高めてからの、一瞬の静寂。そこからの歌い出しに向けての盛り上がりは鳥肌。

黄色さんの曲はイントロで鳥肌が立つものばかりだが、ここからの2曲は特別そういった曲。
まずは会場中の人の背中を押していく『サーチライト』。”もがけ僕等の足”サビ終わりのこのフレーズが来る頃には、全員が手を力強く挙げている。
頭上で手拍子を鳴り響かせたのは『アイデンティティ』。今ここで、一緒に音楽を作っている感覚がたまらない。
ふと、黄色さん約束のネバーランドのOPテーマもやってたな、なんて思い出す。当時、まだ「秋山黄色」をしっかり認知していなかったということも思い出す。
いつの間にかここまで心の支えになってくれてるんだから、やっぱり音楽っていいよね。


ノンストップで繰り広げられるセトリに、こっちの情緒は揺さぶられ続ける。
一旦MC。ただここのMCも良いこと言いまくってて、結局心休まらない。
私が覚えてるニュアンスだけれど、こんな感じ。

「俺はみんなが思ってるより、かなりひとりよがりに音楽をやってて。誰にでもあると思うんだけど、自分の絶対譲れないもの、それと少しのサプライズ精神でやってる」
「俺は真面目に不真面目なことを歌っていくんで!みなさんは来てくれるだけでいいです!世の中ひでぇことだらけだけど、これからも酸いも甘いも歌っていくので、好きなときに食べて好きなときに聴いて好きな時にいなくなって、聴いてください!」

ライブ中盤あたりのMCでは「下手(したて)に出ると炎上の時叩かれるので笑 お前らほんとふざけんなよ!ほんとにありがとうございます!」ってなんとも黄色さんらしいファンへのお礼をしていたんだけど。
こういった言葉を尽くしてくれる感謝も大好きだ。その両方で黄色さんって感じ。


「最後の1曲です。モノローグ」
ああもう最後の曲か、とちょっと現実に引き戻される。
すでにたくさんの曲を聴いたことはわかっているのに、かなりの活力をたしかにもらっているのに、2時間弱経っていることだけは受け入れられない。
縦横無尽に表現のかぎりを尽くした本公演の最後に聴く『モノローグ』。泣く以外の選択肢がない。


暗転。客席からの拍手はツアーへの感謝・賞賛を送るものから、徐々に速くなりアンコールを求めるものに変わっていく。
その速度と相反して、ステージ袖からゆっくりゆっくり登場した黄色さん。
サポートメンバーの3人もゆっくり地面を踏みしめながら続く。
まずサポートメンバーの紹介が行われる。
黄色さんが「紹介します!」と言っているのを、その場に座り込みながら聞くサポメンのみなさんのゆるさ。良い笑
シャカシャカ鳴る楽器の音をマイクに拾わせる、ギター井手上誠さん。
初めてコーラス用のマイクを置いたのにアンコールではもう片付けていた、ベース藤本ひかりさん。
久しぶりのサポート共演はもはや都合のいい関係、Benthamよりドラム鈴木敬さん。
黄色さんと3人の息ぴったりのステージのおかげで最高のツアー滑り出しです、感謝。


アンコールで満を持して演奏されたのが『SKETCH』
黄色さん、公演中ところどころで「今日来た人はラッキーだね笑」と言っていたが、そのうちの1つがこれだろう。
『SKETCH』を世界最速で生で聴いたお客さんとして、私たちは胸を張ろう。
この曲については、先行配信後・中野公演後にまた詳しく書きたい。
すでにヒロアカを観た人から多くの反響が寄せられているが、ヒロアカへの解像度が高いかつ黄色さんらしい繊細さが詰まった曲だと思う。

『SKETCH』が終わり、やばいもうあと1曲かもしれないあと何聴いてないっけ、とあたふた考えているところに飛び込んだ言葉は、
「最後にとっておきのカフェインをあげますので!中毒になって帰ってください!!!」
ライブに備えて聴きすぎたせいで、まだ『Caffeine』がセトリ入りしていないことに気が付かなかった。
一度聴いたら耳にこびりつくギター。
縋るような歌詞をサビの高音で一気に解き放つ。
最後、シンクにレモネードが零れたその瞬間まで、一切熱気が途切れることはなかった。
2階席の特権で、1階席を含む会場中が沸き立つ様を、目でも肌でも感じた。


ちなみにこの後、ただでさえ余韻で興奮してるっていうのに、宿泊先のホテルで珈琲を5杯飲んで眠れなくなった。あれから数日経った今も、普段より少し多めにカフェインを摂ってしまっている。
中野公演の頃には立派な中毒者になってしまいそう。
少なからず、というかかなり黄色さんの影響はある。

そんなわけで、決して一夜で終わらない余韻を引き摺りながら、来たる13日のツアーファイナル中野公演に備える。

間違いなく言えるのは、今回のLv.4、秋山黄色は音楽を楽しみまくっている。

「俺のかっこいいを、日本で1番かっこいいにしてくれる!?」
黄色さんが叫んだ言葉。
大拍手で応えたからには、秋山黄色を日本1かっこいいヤツにしてやろうね。

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10/1 一鬼一遊TOUR Lv.4  大阪 セットリスト
1.シャッターチャンス
2.Bottoms call
3.やさぐれカイドー
4.クラッカー・シャドー
5.ソーイングボックス
6.年始のTwilight
7.Night park
8.夕暮れに映して
9.エニーワン・ノスタルジー
10.Drown in Twinkle
11.見て呉れ
12.PUPA
13.アク
14.サーチライト
15.アイデンティティ
16.モノローグ
En1.SKETCH
En2.Caffeine

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