中村橋のコワーキングスペースという場から何を目指すか
休業を余儀なくされてから、早くも一ヶ月が経ってしまいました。
サービス再開に焦りを感じつつも、どうしても本業の制作案件に時間を使わざるを得ず、なかなか身体が追いつかず。引き続き、ご迷惑をおかけしております。
申し訳ございません。
しかし、中村橋を中心とした有志の方々とミーティングを重ね、新たな体制が少しずつ、少しずつ構築されております。スタッフが常駐せずともに運営できる仕組みを考案中です。
今後ここを運営するにあたって、たくさんの方の協力が必要となってきます。
そのため、このコワーキングスペースが一体どういう場所で、何を目指すのか。仕組みづくりが進む過程で、その必要を改めて感じさせれています。
コワーキングスペース「ライブラリー中村橋」の利用で得られること
基本的にはシェアワークスペースとなります。
自分のペースで仕事に読書、勉強、その他の個人の作業に集中できる環境を提供します。散漫になりがちな自宅よりも高いパフォーマンスが発揮できる場を持つことができます。
シェアスペースという空間による付加価値として、異業種の方々とのちょっとしたコミュニケーションにより、互いに刺激を生み、同業間では浮かばなかったアイデアやスキルの助け合いに繋げます。
勉強会や交流会、ワークショップなどの機会を定期的につくります。
"人とつながれるシェアワークスペース"というのが、カフェでもなく、自宅とも異なる価値となります。
そんな場所がどんな未来に繋がっていくのか。
少し長くなりますが、その想いの部分も綴らせていただきます。
好きに生きられそうで、生きられない現代
「個」の時代と呼ばれるようになって久しくなってきました。
技術の発達により、組織や場所に依存せずとも生きられる環境が整ってきています。
しがらみのない"個人"で働くことは、ある意味とても楽です。また、インターネットを活用すれば、数千円、数万円ほどの投資で自分の商売を始めることができ、夢を感じさせられます。
しかし、"誰でもできる"という障壁の低さは、どうしても「信用」を欠き、「個」の時代において、新たなハードルとして立ち塞がります。
かつて、「信用」というものは、就職をしたり、または実店舗を持つことにより、得ることができました。
仕事の内容や提供するサービス、商品に実態のないものも増え、ますます「信用」が求められる一方で、「個」の時代に対する関心や環境は高まります。
自分の好きなように生きられると思いきや、社会的信用を個人で得る難しさに直面し、幻想を追いかけているかのような気にさえなってきます。
「信用」とはなにか
だからといって「個」の時代を諦め、旧来の社会に逆戻りするのは建設的ではありません。
「個」の生活の追求は、それぞれの幸せをカタチづくるものと考えます。
「信用」というのは、所属する組織がつくってきたので、事業主でない限り、個人としての僕らは考える機会があまりありませんでした。
なので、「信用」をつくることに対し、なかなかイメージが持ちにくいかもしれません。
しかし、現代社会。「信用」はどんどん可視化され、実は無意識のうちに僕らの実生活の中で、商品やサービスの「信用」を測っています。
わかりやすいのは、amazonなどの"レビュー"です。
インターネットでなにかを購入する際、購入者からの声は商品に対する「信用」となります。
コミュニティーが「信用」をつくる
話は変わりますが、いっとき、職人の世界で修行させてもらった時期があります。
僕は清掃員として、さまざまな物件の掃除の修行をしました。
現場では、建具屋さんやクロス屋さん…と、他さまざまな職人の方々とコミュニケーションを取る機会があります。
そこでは、どこそこの施主さんや他の職人さんの評価などなど、さまざまな情報交換が世間話の一環で交わされています。
「そういえば、〇〇というところの物件で掃除屋さんを探してた」
と、そんな世間話の流れで次の仕事につながる、ということがよくあります。
僕に掃除の仕事を教えてくださった方は、特に新規に営業をしたり、広告を出さずにして、この職人間の紹介で十分な仕事が得られていると言ってました。
職人たちは、誰にでも仕事を紹介することはありません。自分の面子にも関わるからです。
やはり、いい仕事をする人を相手に紹介します。
紹介で十分な仕事が得られているということは、職人間で高い「信用」がつくられている、ということになります。
「個」の時代で求めるべきもの
スキルや自身の商品、サービスを創ることはもちろん大切ではありますが、自身の商品を売っていくためには「信用」が不可欠です。
そして、その「信用」というものは、自分一人ではつくることはできません。
周り評価があって、初めて生まれます。
社内や同じ組織内での評価は「信頼」です。
「信用」を得るためには、組織外の外部の人から、評価を得る必要があります。
そのために必要となるのが、コミュニティーだと僕は考えます。
コミュニティーの括りというのはたくさんあります。
属すコミュニティーにより、得られる「信用」の種類は異なります。その「信用」の種類とは、コミュニティーを媒介するものに近くなると考えます。
例えば、趣味で集まるコミュニティーであれば、その趣味について。
仕事で集まるコミュニティーであれば、仕事です。
「誰に頼めばいいのかわからない」問題
僕自身も本業にて、デザインという実態のないサービスを提供している中で、「誰に頼めばいいのかわからない」という声をよく耳にします。
それこそ、インターネットで検索すれば出てくるものではありますが、デザインやホームページ制作についてなかなか発注する機会がない方にとっては、それらの業者に対する「信用」を測る術を持っていません。
クラウドソーシングは、その辺の仕組みとしてよくできたサービスであると思いますが、自分がカタチにしたいことの概要を言語化するスキルを発注者側に求められてしまいます。
この「誰に頼めばいいのかわからない」問題は、デザインに限ったことではないと思います。
社会が抱えている困りごとに対し、"頼まれる誰か"になれることが、「個」の時代の追求において必要なことではないでしょうか。
こんな人たち使ってほしい
とても長文になってしまいました。
コワーキングスペースに話は戻ります。
集中して自分の作業ができる場として使っていただけることも、もちろん嬉しいことではありますが、ここコワーキングスペース ライブラリーに来れば、抱えている課題を解決できる誰かがいて、また、それを協力してくれる人も現れ、異業種の知見も交わることにより、小さなイノベーションが起こる。
そんなことが期待される場に育てていきたいです。
助け合いが、それぞれの「信用」をつくり、この変化する社会の中で、「個」の時代という次のフェーズに乗るためのステップアップの場として使ってもらえることが、僕としての望みであります。
人が集まれる場があるというのは、関係構築においてとても大きな要素です。
せっかくここまで創れた場所が、この再構築がうまくいくことができなければ撤退せざるを得ません。
ここを維持し、未来に繋げていくためには、みなさんの協力が必要となってきます。
次回は月額制会員の案内等々、具体的な案内をいたします。
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