見出し画像

民間の僕らが社会活動において目指すべきところ

先日は、北本市のシティープロモーションと観光協会が主催する「きたもと暮らし研究会」にお邪魔させていただきました。

北本市は妻の実家がある地であり、また友人が関わっているという縁があり、今回のイベント出席に至りました。

北本市の取り組みを紹介してもらいつつ、市外からの意見を聴くというワークショップでした。

率直な感想としては、地域が異なれば事情がまったく変わるものなんだと感じました。
同じ日本で電車で1時間と少しの距離なのに、不思議なものです。

僕が普段関わる杉並区とは抱えている課題や行政と民間の関係構図もまったくの正反対な印象。

若い層の人口流出を防ぐため、地域資源を掘り出し住まいとしての価値を積極的に発信する北本市。こだわりある発行物や資源を活かしたイベントも頻繁に行政主導で行っている。

一方の杉並区は、もちろん行政主導の試みは多々あるが、人口流出の危機感なる北本市と比べるとそこまで積極性を感じない。

行政よりも、民間の方が地域活動に対し活発なので、民間から行政へとボトムアップでの施策が特徴のように思った。

どちらにせよ、一長一短である。

トップダウンであれば、予算を十分に活かした上での施策が打てるだろうし、恐らくスピード感も勝る。発行物のクオリティーやイベントの頻度にそれが表れていた。

一方で市民との距離感に隔たりがあるようにも感じた。

ボトムアップでは、現場が目の辺りにしている課題からの施策の提案となるので、関わる区民の熱量こそは高いが、それに対する予算取りが非常に難しい。

よって、チラシなどの発行物は手作り感満載になりがちだし、広報も行き渡らない。
民間の団体が区の施設の一角かなんかで細々とイベントを開催しているのをよく見る。

本業の傍らで準備を進めるため、予算共に時間も十分にかけられない。

またイベントを企画するノウハウを多く持っているわけではないので、地味なカタチに収まってしまいがちだ。

自分が属する地域の批判をするつもりはまったくないのだけど、他の地域の取り組み方や関わり方を知ると、自分たちがどういう環境の中にいるのかがよく分かるものだな、と思った。

また、ボトムアップして訴えていくこともとても大事なことだけども、行政ができることをそのまま民間がやっても仕方がないな、とチラッと思った。

補助金や助成金を申請して行っていくわけだが、そこには結構規制がある。
行政の管轄内でやるということは、ちょっと乱暴に解釈すれば、行政でもできることである。

また、補助金、助成金の財源は税金なので、当然それを使って誰かが儲けることができない。

なので、どうしてもボランティアの要素がどこかしらに大なり小なり出てくる。
これが結構辛いものなのだ。受ける側も頼む側も。

社会を良くしようとアツい気持ちを持っている人間ほど不幸せに陥る。

社会活動における財源を別で持つことができれば、もう少しうまく回るようになるのではないのかな。

いわゆる「まちづくり」と言っても、人間関係や社会福祉のソフト面の「まちづくり」と、道路や施設などのハード面の「街づくり」は向かう先は同じでも方法はそれぞれで考えていかなくてはならない。

施設を造るような○億円規模の資金はさすがに捻出は難しいけども、限られたエリアの限られた課題に対する資金は、商売の工夫で捻出できるのではないだろうか。

そこで得た実績を行政に提供し、民間ではできないことの実現に繋げる。
そんな共創ができないものだろうか。


【サポーター募集】 聴いてくださった方、読んでくださった方のスキマ時間に"小さな発見"や"気づき"を与えられるようなコンテンツづくりに励んでいきたいと思っています いただきましたサポートはコミュニティーづくりや街のお手伝い等、支えて下さっている方へまた還元できるよう使っていきます