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イメージで始める南フランス旅行:海の街

風の気持ちよい季節になってきました。

旅先では、美術館に行く派ですか?街でゆっくりする派ですか?私は、アトリエのようなにおいのする、街の小さな美術館を訪ねるのが好きです。作家さんの家を、美術館に変えたような、生活が少し透けて見えるやつ。

ちょっとした遊びから、はじめましょう。

次の旅で、あなたが南フランスに求める空気感って、どんなものでしょうか?サムネイルの絵から、選んでみてください。単純に好きなものでも。




選べましたか?まずは、絵のタイトルを伝えます。

A. シャガール:Bataille de Fleurs  (ニースの)フラワーカーニバル

B. マティス:Intérieur à Nice   ニースの室内

C. シャガール:Lune rousse au Cap d'Antibes  アンティーブ岬の赤みを帯びた月

D. マティス:Antibes  アンティーブ


あなたが選んだ絵、ニースのものでしたか?それともアンティーブのものでしたか?

ニースとアンティーブ
まずは場所から。

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ニースは、人口規模でフランス第5の都市。というと大きく聞こえるけれど、人口35万人くらいなので、沖縄県の那覇市(32万人)みたいなコンパクトさ。湾沿いに山の方まで広がった街です。

アンティーブは、ニースとは空港をはさんで反対側にある、人口7.5万人の都市。小さな半島の付け根にある港街です。Cのシャガールの絵は、半島側から旧市街を眺めて描かれています。

シャガールのAとCの比較で伝えたかったのは、街の活気の源。

ニースは人のエネルギー、アンティーブは自然のエネルギー。

マティスのBとDの比較で伝えたかったのは、過ごすスタイルのちがい。

誰かにサービスされる贅沢さを楽しむか、自由に自然との対話を楽しむか。

自分はどちらが好きなんだろうか?

ぼーっとしながらこういうことを考えるの、旅の楽しみのひとつですよね。

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絵から街か、街から絵か

シャガールはサン・ポール・ド・ヴァンスという、ニースからもアンティーブからも車で30分くらいの、山の方に住んでいました。

マティスもニースで暮らしてから、ヴァンス(サン・ポール・ド・ヴァンスのすぐ近く)に移り住みました。サムネイルの絵(D)を描いた時は、まだニースに引っ越してくる前だったようです。

私も実は、ヴァンスに住んでいます。すごい美術ファンというわけではなく、「同じ街に住んでいる」という気持ちが、たぶん「同じ高校出身」というだけで女優・俳優さんをなんとなく好きになるのに、近い気持ち?でこの記事を書きました。

彼らがわざわざ、山から海までちょっと移動して、どの風景を、どう切り取ったのか?

自分の好きになった街を、有名画家がどう切り取ったのか?

コート・ダジュールには、街以外にも、鷲巣村と呼ばれる山の上の小さな村がいくつもあり、それぞれが個性的です。そこにシャガール・マティス・ピカソ・ルノワール・シニャックなどが住んでいて、いろいろな風景を描いているので、材料に欠きません。

絵に描かれた街の絵から、訪ねる場所を決めるとか。

自分が好きになった街がどう描かれたのか、旅のあとに調べるとか。

お気に入りの街、お気に入りの画家を、ぜひ探しにきてください!

交通情報(予告)
いざ宿をとるという時に便利になりそうな、ニース・アンティーブ・ヴァンスから他の街へのアクセス情報マトリックスを以前エクセルで作ったので、日本・フランスの旅行が解禁された暁に、再編集して公開しようと思います。

では、アビアントー!






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