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旧東海道を歩いてみた。(2日目:(52)草津宿~(50)水口宿)

◆6:00起床。

足の痛みはまだあるけど、歩けなくもなさそうな雰囲気。足の痛みによってはこのまま一旦帰るつもりだったけど、大丈夫と思ったので水口まで行くことにした。

私はどうやら、足のスネを痛めやすいらしく、出発前に軽くストレッチや準備。(後で調べたら、歩き方の問題らしい)そして今日の宿の予約をして、そそくさと出発。早めに出発してゆるゆる進もうと思っていた。そして、水口宿で一泊して次の日足の状態を見ながら、鈴鹿峠を越えるかどうかを判断することにした。できたら、このシルバーウィーク中に鈴鹿峠を越えてしまいたい。

なんて、いろいろ考えつつ出発。

うーん、いい朝だ。

(52)草津宿から(51)石部宿へ

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大路三丁目の交差点を南下。住宅街を歩いていくと…

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◆7:00、あっという間に栗東市入り。もしかしたら、しばらくは草津市と行ったり来たりかもしれないけど、とりあえず栗東市に入れた。

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田楽茶屋ほっこり庵、当然早朝なので開いていない。開店していたら入ってみたかったなぁ。建物の雰囲気もまたよろし。

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◆7:15そのほっこり屋のすぐ近くに、膳所城大手門跡が。そして芭蕉の句碑も。

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日本のほとんどの城は、元々は相当大きかったんだろうなという名残を感じられて、こういう看板を見ると、ふっと惹かれてしまう。

旅をしていると、こういう「跡地」も、歩くモチベーションの元だ。

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さて、そのほっこり屋前でほっこりした後、旅路へ。なんとなく街道を歩いている感じがする。

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草津エリアでは、江戸時代にどんな商家があったのか、こういう碑が示してくれる。

今は一般の方の家になっているので、その看板をまじまじと見るわけにはいかないけれど、こういう看板があると、歩いて通り過ぎるときに、「ああ、ここに油屋さんが」「桶屋さんが」「ひょうたん屋さんが」と旅人を楽しませてくれる。

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このあたりの街道沿いのお宅はお屋敷のようなお宅も多く(もちろん、今風になっているところもあるが)、江戸時代の旅人のような気分になれる。わーい!たのしいなぁ~!

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田楽発祥の地。そして元伊勢屋跡
江戸時代はどんな風だったんだろう。

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飛び出し坊や(飛脚バージョン)に遭遇。飛脚っていうのが東海道っぽくていいなぁ。こういうのを見つけながら歩くのも楽しい。

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東海道と中郡街道の分かれ道

滋賀はいろんな街道の分岐になっている様子。昔はどういう雰囲気だったんだろう。いろんな人が行き交ったんだろうか。

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滋賀を歩いていると、頻繁に三上山が見えます。富士山のように綺麗な形をしていて、なんだか嬉しくなる。見守られている感じがする。

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飛び出し坊や(TMRevolution HOT LIMITバージョン)
と、すぐに思ったんだけど、合ってる??よね???

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石部宿エリアに入ると、旧商家の表示がこんな風に木の板に書かれている。うん、こういうのも素敵!(テンション上がる)味がある、こういう看板。

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ほらぁ、街道歩いているって感じがする!する!する!

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上鈎東交差点。あと少しで次のチェックポイント(個人的に)に着くと思われる。その根拠は、この交差点の名前が「鈎」と書いてあるから。

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◆7:48足利義尚鈎の陣所ゆかりの地。ここがチェックポイント。そう、「鈎」の陣所があったから、地名にも残っているんだなぁ、いいねぇいいねぇ♪

近くにベンチがあったので、小休止。靴紐を結びなおしたり、ふくらはぎ、すね、甲、かかとなどいろんなところを揉み解した。

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東海道の碑がさりげないけど、にぎやかな石造の物に囲まれていて、これもまたよろし。

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手のベンチだろうだけど、ちょっと座る勇気はなかった。

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手原醤油。徒歩旅行でなければ、お醤油を買って帰りたいところ。

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肩かえの松。そういえば東海道って松並木があったり、一本松があったりすることが多いけど、これを目印に旅人は歩いていたんだろうか。

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三上山が大きい!

ゆっくりペースでしか(足の痛みのため)歩けないけど、その分三上山も存分に楽しめるから良しとしましょう!

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◆8:25 六地蔵一里塚

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◆8:30 史跡大角氏庭園。残念ながら先を急ぐ旅なので、庭園を覗けなかった。うーむ、庭園行きたい…。

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こういうお寺があると、いつもならすーーっと入っていくんだけど、歩き旅なので先を急ぐ。無念。

それにしても、旧東海道であることを示してくれる碑や看板は、いつも建っているわけではないし、ガイドブックを頼りにしても分かりにくいところがあるので、やっぱりグーグルマップで随時確認するのがベストと思う。特に住宅街を歩く場合は、いつも街道の名残を残しているような雰囲気の通りでないことが多いので、道に迷いやすい。

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のどかな田園風景♪

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三上山。綺麗な形。

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石部駅が近づいてくると、こんな味のある看板が並んでいた。昭和レトロという風情。これはずっと残して欲しいなぁ。

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お、観光列車かな?忍者の柄でラッピングされた電車。撮り鉄でないのに構えてしまったので、きっと乗っている人たちからは「撮り鉄がおる!」と思ったことでしょう(笑)

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ソーラーパネル群。田舎ではよくみられる光景ですな。

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開通しているのか、これからなのか分からないけど、おそらく有料道路。この高架下をくぐる。

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おお、石部宿エリアに確実に入りました!

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逆光で見づらいけど、石部宿では街路灯の下に「石部宿」と出ている。こういうのを見ると、町全体が歴史を大切にしているのを感じられて嬉しくなる。

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◆9:25 石部宿着。休憩できるベンチがあったので、小休止。何人かの旅人と出会う。ロードバイクの人、おそらく同じ東海道を歩いている人など。

「おはようございます」と声をかける。そしてそこに住む人たちも通りがかるたびに挨拶をしてくれる。

実はこの先の土山宿でも、住民の方たちが挨拶してくれた。滋賀の人って、すごくいい人だわ!(感動)旅人に優しい、そして町がかつて宿場町だったことを大切にしているのが伝わってきた。

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このころになって、ようやく「宿場町って結構長い」というのを悟った私。

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石部一里塚跡。看板だけでもあるのはありがたい。

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こういう手作りの表示は見逃しやすいので注意。
(手作りはすごく嬉しくなる)

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◆9:47 滋賀は、こういう「かつて~~があった」というのを、事細かに丁寧に表示してくれている。

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◆9:47 田楽茶屋。入りたい、けど、お腹が空いていないというジレンマ。

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石部本陣(小島本陣)跡。そういえばこのあたりは「小島」姓のお宅がものすごく多かった。ご先祖をたどれば同じ人にたどり着くんだろうか。

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永谷園を思い出した私。

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大きな宿場町だったんだろうなぁ。

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シャッターの降りてしまった商店にある、石部宿の案内板。有効活用♪

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宿場町近くでは、東海道は道路がこんな感じで、歩行者ゾーンがあるらしい。(この後歩く三重ではこの歩行者ゾーン無視で自動車がガンガン通っていたところがあったんだけど…)

なので、歩行者ゾーンがあると「正解」のルートだと思っていいと思う。(もちろん、スクールゾーンの可能性もあるので100%じゃないけど…)

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石部宿もそろそろ端に近づいてきた。

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石部宿での心中話。こういうお話って、全国でやっぱりあるんだなぁ~。

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高札場跡

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石部城跡。ほう、織田信長に関するお城だったんですねぇ。城跡ってなにもないんだけど、そこで何があったんだろう、人々はどういう生活をしていたんだろうと想像してしまいます。

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京都から来ているので、東の見附に来ると、その宿場町のエリアから抜け出すということだなぁ、と思う。

つまり、石部宿エリアはまもなく終了するということ。

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足の痛さがすごく強い。こりゃ明日の鈴鹿峠は無理かなぁ~、引き返さないといけないかなぁ~と思いながら歩いていると、こんな素敵な喫茶店が。

入りたかったけど、営業時間外だったので先を急ぐ。街道沿いにこういう喫茶店があったら、ぜひ入りたくなる。

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◆10:15 おやすみ処にて小休止。
さきほどの喫茶店に入れなかったので、ここらで地図を確認しつつ、水分補給しつつ、マッサージなどしてゆっくりする。

後ろを歩いていた旅人がどんどん通り過ぎて行ったけど、気にしない。私は私のペースで。足も痛いし、無理はしないで行こう。

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三雲エリアに入ったらしい。でも、実はここから三雲駅が結構長かった(ように感じた)。

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おっと、陣屋が。

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ぜんそく持ちとしては気になるお寺だけど、足も痛いし先を急ぐので、見送った。

こういうお寺とかは気になっているんだけど、案外長距離を歩いていると立ち寄るよりはゴールを目指したくなってしまうのが人間の心理らしい。

(51)石部宿から(50)水口宿へ

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さて、石部宿エリアを抜け、水口宿を目指す。

しばらくはこんなのどかな雰囲気を楽しむ。いいお天気だし、道も歩きやすい。

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この「横田渡跡常夜燈」が水口宿エリアなので、あと4キロ。いつもなら4キロと言われても、「ああ、あと1時間くらいね♪」という感覚なのだが、今は足がすごく痛いので、「1時間半ぐらいかぁ~、しんどいなぁ~」と思っていた。

こんなに痛みが出ていても、まだ気持ちは前を歩くことだけ考えていた。どうやら心はアドレナリンがいっぱいだった模様。

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甲賀が近いので、忍者推し感が強い休憩所。そして三雲城址と。行ってみたかったけど(以下略)

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新しい常夜燈。

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もう水口宿寄りかな?

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左後ろのほうに見えるのが、「ビジネスホテルミクモ」さん。健脚の方なら、京都から一気にこのあたりまで一日で来れるようなので、ここで一泊するのも手かもしれない。

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旧東海道にも近いお宿です。多分、ここまで来れる方であっても、京都から出発した場合、夜になると思う。

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明治天皇聖跡。あちこちで見かけます。それもそうか、東海道を通って行かれたんだもんなぁ。

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万里小路藤房卿の墓所、という石碑なんだけど、え、これが墓所?というくらい簡素でびっくりした。背景でも察することができるように、ここは商店(兼住宅)。

何をした人が分からなかったのでWikipediaで調べたら、南北朝時代の人で、後醍醐天皇の側近だった人らしい。そして日本三大忠臣の一人とか。(あとの二人は、平重盛と楠木正成)出家後の消息が不明とのことなので、おそらくこの墓所というのは伝承の一つなのかなと思う。

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その微妙大師さんの石碑を過ぎたら、ここからが地図でパッと見て進めなかったところ。高架下をくぐって右を見ると、こんな景色が。遠くに見えている階段を上がって、橋を渡るのが正解。

もし空腹であれば、この手前にある定食屋さんがあるので、そこで食べてもいいかも。

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一つ前の写真は進行方向を右向いた写真だったが、進行方向を向いた写真がコチラ。郵便局がある。このまま直進すると、ルート外になってしまうので、分かりにくいけれど、この景色が見えたら右を向いて、階段を進むこと。

(意外と車の交通量が多いので注意)

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橋を渡ろうとしているところ。こんな穏やかな川が流れている。

(橋の上で写真なんて撮れないよぅ、怖いやん)

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橋を渡り切ったら、陸橋が見えた。げげげ。地図を見ると、どうやら陸橋を渡らないといけないらしい。

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朝国の交差点では陸橋を渡ります…(高所恐怖症なので橋は苦手)

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橋を渡り切ったら、水口宿エリアに入った証拠!いい時間なので、ここで見つけた「セブンイレブン様」に入って昼食をとる。ここでは小さな食事スペースがあるので、レンジでチンしてもらって青椒肉絲丼をいただいた。

なお、水口宿エリア内では、外れにコンビニがあるものの、旧東海道周辺ではここが最後になると思われるので、あまり旧東海道を外れたくない人は、ここで必要なものは買っておくこと。

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◆12:51 横田渡常夜燈
かなり立派で大きな常夜燈。さっき渡った川は、「横田渡」だ。

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道中でも最大級の常夜燈とのこと。うん、確かにすごく大きかった。

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さっき渡った橋はもちろん、近代になって作られた橋なので、江戸時代は別のルートがあったということ。

東海道はこういうのが多いので、一旦近代ルートに入り、その後旧道に戻るということが多い。

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昔を偲ぶ。光景を思い浮かべ、しみじみ。いい景色だ。

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ちなみに横田渡常夜燈は、こういう感じで小さな公園のようになっている。

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さて、この横田渡常夜燈のすぐ近く(向かい)にこんな風景が見えると思うので、この細道を直進するのが旧東海道である。

なお、私は横田渡常夜燈に行くまでのルートをそのまま直進して、途中でおかしいと気づいてここまで戻ってきてタイムロス。気づけばまだいい方で、この細道に入るとはなかなか気づかない。また、「東海道こっちだよ」看板もないから、グーグルマップ先生に逐一確認するほうがいい。

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さっきの細道を少しス数と、泉一里塚がある。

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元来た道を振り返ってパシャリ。泉一里塚の看板も写っている。

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水口宿が近づいてきた!

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水口宿は町そのものが当時の名残を感じられる。無理して旧東海道を歩かなくても、気になったところを歩いていくのもいいかもしれない。

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公民館。旧東海道沿いに公民館がたくさんあるのは、昔何かあって、それを活用しているのかな?

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北脇縄手と松並木。東海道はどうやら松並木があったらしく、きっと旅人はそれを目印に歩いていたんだろうなぁと思う。

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水口宿は宿場町であるとともに、「お城の町」をアピールしていた。水口城水口岡山城があったからかな?

お城の形が残っているのは水口城(再建)

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大正レトロ!

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五十鈴神社にて一休みさせていただいた。

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水口はお城の町をPRしているだけあって、「歴史のみち」として散策ルートを提示しているのが面白かった。

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ここまでお城をアピールされると、水口城に行ってみたくなったので、旧東海道からは外れるが、行ってみることにした。

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◆14:08 水口城
ちゃんとお堀のあるお城だった。再建とはいえ、お城のある町に住んでいるっていいなぁと思う。小・中・高校生とも思われる学生さんが遊んでいたし、いい雰囲気だなぁと思った。
こういうところで映画のロケをしたら楽しいんじゃないかな?と思った。いい映画ができそう。

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東海道ではないが、レトロな雰囲気のある教会があった。クリスチャンではないけど、祈りを捧げたくなる。

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そう、この看板に「曳山」とあるように、どうやらだんじりをやっているらしく、あちこちに蔵があった。

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なんて雰囲気のある市民センターなんだ!こんな市民センターなら遊びにいきたい。

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最初、観光案内所かと思ってしまった。たぶん、旅人も入っていいんだろうけど。

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この看板、滋賀県が作っているのかなぁ?いい看板だなぁ。いい仕事してますねぇ~♪

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だんじりの倉庫。岸和田のだんじりみたいなイメージでいいのかな?あれよりはおとなしいのかな?

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水口宿で紹介される写真ってここが使われることが多い気がする。

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「三筋の町」とある。三筋に別れているけど、私は東海道を迷わず選んだ。

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東京からくる場合はこの景色を見ることになると思う。

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黒豆大福…買えば良かった(涙)心の余裕がなく、買えなかった。しまったー!

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水口宿。え、さっきのお醤油屋さんと似てるって?間違いなく水口宿ですよ!(写真にうっすら「水口宿」と書いてありますよ!)

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水口宿の高札場跡は、しっかり残っているなぁという印象。

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わー!いい雰囲気の桔梗屋さん!

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本陣跡は分かりにくいところにあるので注意。建物が残っているわけではなく、看板だけ。

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さて、これにて水口宿のメインどころは終わり。今日の宿が近いけど、少しだけ進んで大野西交差点まで行った。そこからは宿に向かって少しバックした。

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今宵の宿はこちら、「ビジネスホテル古城」さん。東海道を歩くなら、この宿が一番東海道に近くていいと思う。


また、内装がとても綺麗だったし、浴場が別にあるのでオススメ。女性は小浴場だけど、それでもしっかり温まれるいいお宿だった。清潔感があり、とても綺麗なお宿。(男性は大浴場)

もし東海道を知人が歩くと言うなら、この宿に泊まることをぜひ勧めると思う。

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リノベーションした?というくらいすごく綺麗なお部屋だった。こんな部屋にしたい、自分の部屋も。

2日目を終えて

足が痛かったのでゆっくりペースで歩いていたが、夕方には宿に着けたので良かった。石部宿~水口宿は、風情が残っているのでじっくり見て歩くのも良いところだと思った。それほど距離もあるわけでないので、割り切ってゆっくりしてもいいと思う。

足の痛みはたまらんので、宿に着いてからは浴場でしっかりフットケアをさせてもらった。これが好手だったらしく、次の日はかなり回復していた(ニヤリ)。

本日のまとめ

歩いたところ:52草津宿~51石部宿~50水口宿(宿泊)
歩いた距離:26.7キロ(寄り道含む)
歩いた時間:6:50~15:00、約8時間10分(休憩含む)
宿泊ホテル:ビジネスホテル古城(草津市)
費用:
 ・飲食代:2,700円(化粧品代含む)
 ・宿泊代:4,500円(素泊まり)


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