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人にも地球にも優しい食品を-ネスレ名誉会長(世界経営者会議10/28)

2019年10月28日(月)〜29日(火)開催の「第21回 日経フォーラム 世界経営者会議」に参加させていただいています。

昨年、本フォーラムに登壇予定だったところ、やむなく登壇ができずだった...というネスレのピーター・ブラベック・レッツマット名誉会長のお話から本日午前の部は始まりました。
最初に断っておきます...写真が全然撮れていませんでした...!
なので、日経電子版の記事をぺたり◎

構成は、登壇者が1名の場合、前半がプレゼン、後半はモデレーターからのQ&Aで合計30分という感じす。会長のプレゼンタイトルは「健康で幸せな生活のための食」。以下にレポートします◎

これまでの食品の歴史〜 カロリー摂取は、寿命が伸びる?

以前はすべての食品は地産地消。充分な食料がなく、人々の寿命も短かった。食品が行き渡るに連れて(カロリーを摂るにつれて)、寿命は伸びていきましたが、ある年(確か1995年ごろ?)から、カロリーを取っていても寿命が伸びなくなります。寿命が伸びないどころか、食べ続けることで身体にマイナスの影響を与えてしまうように。そこから、食品業界としても栄養を重視した健康型にシフトしていく必要がでてきたとのことでした。

現代ではメジャーで良く知られている「肥満」ですが、たくさん食べれることが幸せ!寿命も伸びるし!という風に誰もが食べすぎることに対する危険を疑わない時代があったのではないかとお話を聞いていて感じました。食ること(食べ過ぎること)って良くないの?という事実は、もしかすると結構衝撃だった人もいるのでは…。当時の健康型へシフトするという決断は、キットカットなど高エネルギーな食品を扱うネスレではなかなか大きなことだったのではないでしょうか。事実、会長はその当時自分の子供にチョコレートを食べさせたいと思っていた、それが幸せなことだと思っていたという旨のお話もされていました。(英語でのお話なので、少々ニュアンスとなっているかもしれませんが…)

5人に1人が65歳以上、5人に1人が肥満となる現代において、医療費の負荷(5〜6兆円にも及ぶ?!)も増える。高齢者社会、栄養過剰、様々な疾患など課題も多いが、これからは技術を持ちいてよりパーソナライズした栄養を提供できるようになるとのこと。そうすれば、健康に長生きすることだって可能である!そんなお話でした。

資源を効率的に使用した食品へ〜地球の健康のために

プレゼン後のQ&Aでは、地球の環境問題にも触れられました。今、地球は病気中で長く持続することが難しい状態。人だけではなく、地球の健康も考えなければと。
私たちは、貴重な資源である水を使いすぎている。(地球上の30%を我々人が利用しているのだそう)世界の5大河川がいくつか枯渇しつつあるのは、間違いなく人間の活動が影響している。農業も畜産も水をたくさん使うから、少ない資源で食品を作り出すことも重要になる。漁業も乱獲が進んでいる。私達の活動による地球への影響をいかに少なくするかを考えることが必要になる。

この後、他の登壇者のお話でも話題に上がりますがミレニアル世代はそういった環境問題に敏感で、食品の背景についても心配しているんだそう。ただ、彼らは決して食べる喜びをなくしたいわけではないので、現代はエネルギーは十分にあるから、今後は質が優れたものをミレニアル世代に提供していく必要があると考えているんだそう。
※一応、私もミレニアル世代にあたるのですが…自身も身近でもそういった意識が強いかというと?です。どうやら日本は世界に比べると意識が低いらしい…。(午後の部で、日清食品の安藤氏も言ってました)
ですが、最近は天候による災害を全国的に度重なり経験しているので、日本でもこれまでより真剣に1人1人が環境問題を考える必要性があると感じています。

ミートレスミート、培養肉、発酵などの気になるワードも出ていました。特に培養肉はまだ実現性は低いし、できたとしても高額だと思うのですが、それも技術が進むにつれて安価になり食するのが当たり前になる日が来るのかもしれません。

天然ものの食材はすでに高騰しつつありますが、いつしか食べるものから「守るべき対象」となり、食べていたなんてとんでもない!という時代がやって来るのかも。その時には、ポジティブに人工物でも美味しく満足度の高い食品が沢山開発されていると嬉しいなあと、個人的に食品業界のこれからに思いを馳せたセッションでした。



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