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ロクの家DIY日記(第一話・最終回)「なんということでしょう。」

尾道の友達が、空き家をDIYで改装してドーナツ屋さんをオープンしました!
その様子をアップしてくれて、ドクロレベル5からの脱出劇に感動!
↓こちら
https://note.com/thinkermik/n/n8c323861846e

勢いをもらった僕は、いつかやろうと思いながら忘れたことにしていたロクの家のビフォーアフターをまとめました。
千葉県銚子のドブ川の前の傾いた家から、このコロナ騒動の中でお店をオープンする二人にエールを送ります!

みくくんの文章の書き方がとっても面白いので、その勢いを借りたまま。
築60年のオンボロ旅館のDIY奮闘劇、はじまるよ〜!
まずは、雨漏りを食い止めろ作戦・その1

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(BEFORE)

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(AFTER)

なんということでしょう。
付け根が酷い雨漏りの原因となっていたアルミの柵は、もうどこにもありません。
新しい木には雨戸用の溝も丁寧に彫りましたが、数週間後、なんと雨戸のところも雨漏りしている事が判明してしまったのです。雨戸自体を完全に塞ぐことになってしまい、溝を彫った意味がなくなりました。匠は、涙で前が見えなくても進もうと決意したのです。

続いて、めげずに雨漏り天国、超芸術トマソンドアに取り掛かりました。

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(BEFORE)

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(AFTER)

なんということでしょう。
せっかくのトマソンドアが塞がれてしまい、芸術性を失ってしまいました。
震える足で梯子を登り、何度もずり落ちながら、一人でやっとこさっとこ金属板を打ちつけたのに、芸術性に欠けているのです。
他人に芸術だと言われようと言われまいと気にしない匠は、二度とサンダルで梯子を登るまいと決意を固めました。

続いて、壊れた庇に取り掛かりましょう。

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(BEFORE)

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(AFTER)

なんということでしょう。
ちょっと様子を見たら、部屋の中まで穴が開いてしまった庇はもうどこにもありません。それどころか、雨戸も勝手口もありません。元食器棚の戸が移植され、外装は漆喰で仕上げられています。
この辺りでやめておけば良かったと思いながら、それでも匠は先へ先へと進みました。


続いてキッチンに取り掛かります。

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(BEFORE)

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(AFTER)

なんということでしょう。
床下は平気だとタカを括っていた匠の顔は、もうどこにもありません。
というか、見抜けない時点で匠ではありません。素人です。
歩けば奈落の底に落ちそうな、ブカブカベタベタの床は、土の上から全て再生しました。なんと、新しい床の半分は、特に思い出はないにも拘らず元の床板を使っているではありませんか。立体層になった油をガム剥がしと紙やすりで削り落とし、指が溶ける劇薬の苛性ソーダで磨き、柿渋に桐油と言う贅沢な仕上げが施されています。
なかなか雨漏りが止まらず、半ば絶望しながら一人でギターをかき鳴らしながら歌った歌が(実は檜の)床板に染みている事でしょう。

キッチンの反対側も見てみましょう

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(BEFORE)

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(HALFWAY)

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(AFTER)

なんということでしょう。
床と壁の裏には、こっそりとこれでもかと言うほどの大量の炭が敷き詰められ、調湿性も断熱性も多分もう心配ありません。
壁全体を600円程の自作の漆喰で仕上げて、なんとか1部屋形になった匠でしたが、「気分が乗って作業が捗る」と言う事は全然全くこれっぽっちもなく、長い長い道のりに体を動かすだけで対応すると言う精神を身につけ始めたのです。
そして匠はまた、手伝ってくれた方々対して、救援物資(この部屋のほとんど全てのもの)をくださった方々に対して、感謝の気持ちを送り続けています!

続いてはお風呂の脱衣所に取り掛かりましょう。

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(BEFORE)

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(AFTER)

なんということでしょう。
洗濯機をどけた後の、破滅を呼ぶシロアリの家はもうどこにもありません。
本当にもういない事を祈るばかりです。
どうかいないでください。
お願いします!
ばかやろー!

続いてはお風呂。

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(BEFORE)

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(AFTER)

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(BEFORE)

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(AFTER)

なんということでしょう。
防水セメントで柱を覆ったり、お風呂の目地をやり直したり、ドアを移植したり色々して、3週間ほどで安心して入れるお風呂が出来あがりました。
匠は、眠っていた温泉ののれんが、ここぞとばかりに似合うことに大層喜んだそうです。
アフターの写真の撮り方がずるいという声は、もう匠には届きません。

つづいては、、、

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なんということでしょう!!

台風19号さんが頑張ってくださって、
川が少しだけ氾濫してくださって、
見事に床下浸水を喰らわせてくださいました!
大自然様、ありがとうございます!!!(怒)

続いて、なんということでしょう!

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(BEFORE)

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(AFTER)

台風で落っこちた外壁が、ものの3000円ほどで修復されてしまいました。
木造建築の底力を見て、破れたボロボロの雑巾を重ねて縫い合わせて使っているような苦々しく爽やかな気持ちになります。
ただし、やる気が続かず、2ヶ月ほど休んでいた匠は、もうやめようかと本気で思っていたそうでありました。

続いては4畳半。

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(BEFORE)

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(AFTER)

なんということでしょう。
家の中に漂っていたカブトムシの匂いは、どこにもありません。
自暴自棄になっていた匠の元に、学生時代の助っ人が現れ、3次元立体畳を引き摺り出して、たったの3日で床を作り上げてしまったのです。
驚く匠は、今度は制作と発表に遊びに来て貰おうと思っているそうです。

続いては、6畳の2間続き。

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(BEFORE)

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(AFTER)

なんということでしょう。
天井を支える斬新なバランスボール建築は、もうどこにもありません。
ブッカブカの床も、土の上からやりなおしです。
床には断熱材と簡素な板が打ちつけられ、頂き物の巨大な畳ベッドに頂き物のサボテンも仲間に加わって、2間続きの立派なレンジデンスルームになりました。
一部屋は寝室に、一部屋はアトリエ用に使えるそうです。
そのうちアーティストやだらだらしたい人が滞在して、街を彩ってくれる事でしょう。
と思った途端、コロナですけども!!(怒怒怒)

続いては、魔窟。

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(BEFORE)

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(AFTER)

なんということでしょう。
物がぎゅうぎゅうに詰まっていた、階段下のヴォルデモートの秘密の部屋(物置)はもうどこにもありません。
この秘密の部屋も15mの長さの廊下の床下も、ホフク前進で這いずり回って、ビニールを敷き湿気対策をして、さらにその上から石灰をばら撒き、アルカリ性にして害虫対策までしてしまったのです。
なんと!
その影響で、ボロッボロだったあの4畳半で今や洗濯物が乾くのです!感動!!

続いては倉庫。

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(BEFORE)

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(AFTER)

なんということでしょう。
物でぎゅうぎゅうに詰まっていたBEFOREの写真を撮り忘れてしまいました。
大家さんが大掃除をしてくれた後、無事に絵をたくさんしまう倉庫に生まれ変わりました。
家が潰れない事を願うばかりです。
いや、マジで。


そして、いよいよアトリエ!

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(BEFORE)

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(AFTER)

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(AFTER2)

なんということでしょうか!(やっと気分が上がってきた)
ゴミは全てなくなり、強力な助っ人のお陰で大きなタンスが片付けられ、年末の異様なテンションで狂ったように壁をぶち抜き、強引に窓を取り付け、歪んだ壁も無理やり直して、白ペンキを4回も塗り、抜け落ちそうな畳の下の床も全てやり直してしまいました。
共同にしようと思って始めた20畳のアトリエ計画でしたが、あまりにも大変すぎたので自分で使わせていただきます。許してください。

そして、最後は展示室!

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(BEFORE)

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(BEFORE)

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(AFTER)

南斗水鳥拳ということでしょう!(まね)
現代アートなどと言う言葉が存在しない田舎の街に、ホワイトキューブの展示室が出現しました。
ホワイトキューブは世界中どこへ行っても白。
言ってしまえば、ニューヨーク、ベルリン、台湾にだって心は繋がっているのです。
人間のほんの小さな閃きやかき消されそうな声を、体感できる形で表現する。
やっていることは、洞窟画や宗教画の時代から本質は変わっていないと匠は勝手な事を言います。
資本とアートがベトベトにくっついている時代の真っ最中に、鬱で都会に行くと具合の悪くなる匠は、「わしゃぁ、活動できねーじゃねーか!オンライン?は?芯は魂の矛盾と葛藤じゃい!」と言う怒りと共に、「じーさんの子供の頃は泳げたはずなのに、ドブ川になってしまった目の前の利根川をどうしてくれるんだ!!」と言う本気の怒りを織り交ぜて、「資本の金魚のフンより、地球の金魚のフンである方がいい。自分が死んでも、300年後の誰かに語り掛けられる!」と言う、壮大でちっぽけな妄想を体現しようとしているではありませんか。

と言うわけで、細かい調整はあれど、丁度1年。
これでひとまず、うっすらとしたスタートラインに立ちました。
応援してくださった方々ありがとうございます!

近所の方に向けて、最大限の安全配慮の上で開けようと思っています。
遠くの方は、コロナが明けた頃遊びに来てくださいね。
それまで無事に生き延びましょう!

見えなくても仲間がいるよーー。
尾道方面の方は、おいしいドーナッツを〜!

アナーキー・イン・ザ・ドーナッツhttps://note.com/thinkermik/n/n8c323861846e


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