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『なんで僕に聞くんだろう。』を読んだ人生悩み子の話。

なかなか眠れない夜、あなたはどう過ごしていますか?

スマホをみたり、適当につけた番組をぼーっと観たり、恋人や友人に電話をかけてみたり。

いま転職活動をしている私。コロナのこともあり、悩ましい日々を送っている。悩むと寝つきが悪くなっちゃうから、最近は夜更かしも増えた。そんな夜、私はきまって本を読むことにしている。

文字を読めば眠くなるかなという安易な期待も込めて、静寂な部屋でひとり本を読む。ただ目の前にある本と向き合う、個人的に日中に読むときよりも集中できる気する。なんとなくだけどね。

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前置きはここまでにして、最近読んだ本の話にはいります。

『なんで僕に聞くんだろう。』幡野広志

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たまたまTLに流れてきたツイートをキッカケに、私はこの本と出会いました。

このツイートをきっかけに幡野さんの書く文章にふれ、連載や出版のことを知った。サイト上で「はじめに」の部分が無料公開されており、ちょっとした興味本位で読んでみたら言葉のもつ空気感にどハマり。気づいたら幡野さんの書く文章に夢中になっていて、はやく全編を読みたいとうずうずした感覚になったのを今でも覚えている。

このツイートをみたのは、たしか2月半ば。当時は都内から2時間半も離れた田舎に移住しており、近くに本屋なんてなかった。電子書籍が世の中にかなり浸透してきてはいるものの、なんだかこの本は手元に残しておきたいなと思っちゃったんだよね。だから、都内に出かけたときにうきうきしながら本屋に寄り、購入した。

ずっと忙しくて読めずにいたこの本。最近やっと自分の時間が持てるようになり、寝る前にちょっとずつ読むように。

読者から寄せられた悩み相談に、幡野さんが回答をする。相談事は多岐にわたり、恋愛や虐待、家族、病気などさまざま。自分の人生とはかけ離れた相談内容だったとしても、幡野さんの回答を読んでいると自分まで背中を押してもらえたような感覚になる。その感覚が不思議で、でも心地よくて、だから眠い目をこすりながらもあとちょっとと言いながら読んでしまう。そんな夜を最近は過ごしていました。

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あとがきで、幡野さんは悩みを抱える人について次のように述べている。

悩む人というのは悩んでいるのではない、不安なだけだ。
ほとんどの場合が悩みに対して答えを見つけている、ただその答えに自信がない。
「君ならきっと大丈夫だよ」と笑顔で肯定されれば、すこしでも背中が押された気持ちになるだろう。

これを読んで、「うわー、欲しかった言葉。」と悩んでばっかりで自分が嫌になりかけていた自分には救いの手のように感じた。そうなんです、不安なんです。これでいいのかなって不安になって、誰かに確認したくなる。だから相談するし、嘆いちゃう。

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つい最近、不安に押しつぶされそうになってカウンセラーとしてお世話になっている方に相談メールを送りつけるという出来事があった。今思えば、自分の中ですでに答えはでていた気がする。ただその答えに自信がなかった。だから嘆くように、救いを求めるように、夜な夜なメールをした。

詳しくは書かないけど、転職活動に関する悩み相談。この企業に入社していいのかなって。

その方は、私に次のようなアドバイスをくれました。

下記の条件であかねさんの大事な友達または妹が就職しようと思っているとき、あかねさんならどのように答えてるか考えてみてください。
(相談内容)
僕は基本的に、焦っているときと恐れているときは何も選択しないようにしています。

私はこの言葉に背中を押された。問題解決のための導きをしてくれて、最終的な答えは私に委ねる。その後の返信に「たぶん文章を書きながら、あかねさんの中で答えは出てるんじゃないかな?」という一言も。なんでもお見通しなんだなと、ただただ感服した。

私に考える余白を与えてくれる、嘆く私を否定せず背中を押してくれる、この人に相談してよかったと心から思えた夜。

ちなみに、このアドバイスに私は「とりあえず一旦落ち着きなと言いますね」と返信。(客観視してみるって個人的に忘れがちなんだけど、大事だよね)

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本書の中で、幡野さんは「悩み解決には問題解決と共感、どちらも必要」と述べている。悩み相談をする人はたいてい背中を押してもらいたいだけ、話を聞いてもらって安心したいだけ。悩みと不安は紙一重なんだと思うようになってから、ちょっと気持ちが軽くなった。

言葉で人を傷つけることもできるし、背中を押してあげることもできる。『なんで僕に聞くんだろう。』を読んで、私は後者でありたいと思うようになった。そして、幡野さんのような心温まる文章を書きたいとも思った昨日の眠れない夜のこと。


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