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舞台 ロミオとジュリエット 感想

(9/22.10/28.29と3公演)私はこの舞台が人生初舞台鑑賞で新しい世界に連れていってくれたキャストスタッフ全てにものすごく感謝しています。

私は元々映像作品に対して苦手意識がありました。小さい頃からテレビで見れる映像作品はすごく身近にあったけど、非現実的で造られた世界という印象 いくらでもやり直し編集でなんでも出来てしまう 倍速で淡々と消費される お芝居に関しても役者本人が自分を偽り 役を被り虚像を見せているように感じていました。 そんな時に真宙くんのお芝居に出会ってそのイメージが砕け 役を演じる俳優というお仕事の魅力を初めて知り、映像作品だからこその良さにも気づくことができて今はたくさんの作品を楽しんで見れています。
そんなイメージがあったからこそ今回初めての舞台鑑賞で目の前でお芝居が広がる世界にとても感銘を受けとても楽しむことが出来ました。

まず初めの殺陣のシーンから 映像では角度次第でそう見えてるものだと思っていて舞台ではどのように見えるのだろうと思っていたが、スローモーションでの動きに衝撃を受けました。本当に刺したりしている訳では無いと分かるけれど、本当に戦ってるいるような剣の振り方や受ける時のリアクション 映像ではなく現実に見てるからこそのリアリティが初めての感覚で新鮮でした。

大公のお言葉を聞いている時のティボルトの表情が目の前の席で みんな大公に頭を下げているがティボルトはベンヴォーリオの方を睨むように不満げに見つめていてたのが印象的でした。

ロミオの登場では神々しい姿を目にした時の衝撃は今でも忘れません。恋が叶わない不満げな儚い表情が印象的でした。ベンヴォーリオとのロザラインとの恋について話すシーン 女だ!のロミオの言い方が大好きでした笑
ベンヴォーリオの他にも美人はいる!笑いが起こるシーン毎回楽しみで男の子達の雰囲気が出る最初のシーンでとても面白かったです。

ピーターが毎回巻物を回して首を傾げて読めないって顔してるのが良かったです。ロミオがふざけながらも 読めるってば!任せろみたいな表情がニコニコで愛おしかったです。

ジュリエットの無邪気な登場からばぁやのアドリブが毎回面白くて最高でした。乳母は席を外してと言われてしゅんとするがやっぱりと声をかけられ表情が変わる瞬間が凄かったです。そのまま怒涛の思い出を語り尽くすばぁやのお話  ジュリエットと婦人との3人の雰囲気が家族そのもので素敵でした。

モンタギューの仲間たちが出てきてマキューシオの存在感に目を奪われることが多かったです。意気揚々とした語りとロミオとの掛け合いが親友であるからこその雰囲気が良かったです。

宴会に乗り込みダンスシーンの妖艶さが華麗で美しかったです。最初ロミオはロザラインを見つめ続け ジュリエットはパリスはどんな人か見ているようでした。一瞬にして一目惚れした2人が周りが見えなくなるように惹かれある瞬間が素敵でした。

巡礼と聖者のキスシーン 尊晶さんの言うように2人の雰囲気は清潔感が強く清く美しいシーン 相手が敵だと気づいていないからこそ心から惹かれあった2人の恋の始まり素敵な場面でした。

大好きなバルコニーのシーン ロミオがジュリエットのガチ恋オタクのように 語り散らかす 階段前に隠れて1人で湧いている感じが最高でした。見ろ〜🫵 の圧の強さと ジュリエットに触れたいから手袋になりたいなどぶっ飛んでいる表現だが だからこそジュリエットに夢中だと伝わる 太陽と月の対象的な言い回しで偉大さを言い表しているのが素敵でした。

どうしてあなたはロミオなのとジュリエットのセリフ モンタギューという敵である壁にぶつかって怒っているよう 名前が重要なのではなく恋した人がロミオだっただけという想いが溢れていて素敵でした。

ジュリエットの感情には常に 相手を好きな気持ちの次に不安が揃ってやってくる 初めはジュリエットはロミオにとって死の場所に来たことに不安 愛を誓っても破るかもしれない不安 それでも不安より好きが勝つから行動するジュリエット  その不安を除こうとロミオは月に誓おうと自分に誓うというと畳み掛ける2人の掛け合いが素敵なシーンでした。

ロミオの幸せだ〜!と心の底から夢なんだろうかと幸せを噛み締める言い方がものすごく良かったです。バルコニーのシーンは2人の立場に大きな壁があるからこそ その壁を乗り越え恋が成就するふたりの気持ちが重なった素敵なシーンでした。

みんなから慕われてる理由がすごく伝わるロレンス神父様の登場シーン ロミオが駆け寄ってくるのが心を許している関係性が伝わり素敵でした。ジュリエットへの想いが溢れてルンルン気分で話しているロミオ 駆け出すものは躓くぞと確信をつくが 2人の結婚で両家の関係を良くなるかもしれない希望も含めて力になってくれる神父様が素敵でした。

モンタギューの仲間たちとロミオが合流しマキューシオとの掛け合い 縦から見ても横から見てもいつものロミオだと仲がいいからこそのシーンが良かったです。満艦飾だ!と乳母とピーターの登場から最高に面白くて 男の子たちのノリが最高潮で見てで楽しかったです。

ジュリエットがロミオの知らせを待ちきれないシーンから乳母との2人の会話が日常を覗いているようで、あの方のお返事は〜という言い方が好きで きっと普段からこう言う雰囲気のやり取りなんだろうなと思わせてくれる素敵なシーンでした。ロレンス神父様の所へ行きロミオとジュリエットが愛を誓うシーンは2人にとって1番幸せの絶頂である愛に溢れた雰囲気が最高でした。

マキューシオとティボルトが死んでしまったことで始まっていく悲劇 モンタギューの仲間たちとのシーンがあるマキューシオとは反対に、ティボルトはこの物語で怒りの感情のシーンばかりで、もしティボルトに怒り以外の喜怒哀楽のシーンがあるなら どんなことだろうと考えたりしました。ジュリエットがティボルトの死を悲しみ従兄弟として慕っていたように、キャピレット家の仲間たちとの会話はきっとモンタギュー家と変わらないような雰囲気が想像でき面白かったです。

マキューシオが殺される殺陣のシーンはティボルトととの闘争心のぶつかり合いと止めに入るベンヴォーリオやロミオの全員それぞれの熱い思いがあり、悲劇のはじまりにふさわしい迫力あるシーンでした。マキューシオが刺された一瞬で音楽と共にすべての空気を凍らすほどの一突きが印象的でした。マキューシオのどっちの家のくたばりやがれのセリフはどちらの家の血も継がないマキューシオだから言えるセリフでティボルトを通して見えている世界と戦っているような印象でした。

マキューシオの死によってロミオの中で戦いを収めようとした行為が仇となり親友を失った責任を感じマキューシオに代わりにティボルトへの反撃心を抱いてしまったのだろうと思った。マキューシオが死んでティボルトを殺す直前にロミオが服の前ボタンを開けていて、心情の変化をそういった面からも感じとることができ面白かったです。

ティボルトを刺すロミオのシーンはロミオの殺陣の中では1番好きなシーンで、効果音と相まって惹き込まれる最高のシーンでした。刀を振るロミオはもちろんそれを受けるティボルトのリアクションの演技力も物凄かったです。

大公様に説明するベンヴォーリオの必死に事実のみを話す姿勢があったからこそ ロミオの死刑免れたところが少しあるのではないかと思った。このシーンはキャピレット夫人の表情が印象的でただただ悲しむモンタギュー夫人と対象的に、ティボルトの死に悲しむもロミオの追放に喜びの笑みを浮かべている表情が見えました。

幸せな夜を待ち浴びていたジュリエットの元に届いた死の知らせは感情の差が大きいからこそ混乱している様子がよく伝わるシーンでした。ロミオがティボルトを殺したことにショックを受けるが、ティボルトの死よりロミオの追放という事実に悲しむのが 誰よりもロミオを愛している感情が強く現れていると思いました。ジュリエット自身とロミオを繋ぐ縄ばしごを抱えている姿が1幕の締めでとても強い女性に見えました。

2幕始まりからずっと怯えているロミオを諭す神父様のシーンから始まり悲劇の世界観に直ぐに引き込まれました。人を殺してしまった人間はきっとこうなってしまうんだろうなとロミオの息遣いから見ているだけで苦しかったです。周りが見えなくなり自害しようとするが神父様と乳母に諭されジュリエットとの幸せを信じ ここで前を向けて本当に良かったです。神父様と生きているロミオの最後のシーン お元気でのセリフはこれからさらに起こってしまう悲劇を予言しているように思えました。

結婚を早めたのはジュリエットのためにだが、それが結果ジュリエットを苦しめてしまうところが現代でもあるよう親と子の行き違いが共感ポイントでもあるなと思いました。パリスはロミオとジュリエットに比べて大人の余裕が感じられる人で、きっとジュリエットはロミオと出会っていなければパリスと問題なく結婚していたんだろうなと思いました。

初夜を迎え朝のシーンは明るくなるにつれ別れなければならない現実が暗く まだ朝じゃないと現実逃避する2人が心からの悲しみを分かちあってる素敵なシーン 生きて会っている2人の最後のシーンでもありどの場面より甘くどの場面よりせつない 出会ったばかりなのにそれをまったく感じさせない愛の力が見えたシーンでした。

ロミオと別れて悲しみに溺れる中でパリスとの結婚が決まり絶望してしまうジュリエット きっと今までいい子に両親の言うことを聞いていたからこそ反抗したシーンは大人になる過程の真っ最中のようでした。両親や乳母との世界しか知らなかったジュリエットに最愛のロミオという存在が出来て 家族を失ったとしてもロミオとの幸せを願った姿が信念を曲げない素敵な女性でした。

神父様の元に駆け寄ったジュリエットは仮死状態になる薬を受け取り、パリスと結婚するぐらいなら死も恐れずロミオのために行動すると決めた姿が素敵でした。乳母のことをお前と呼ぶように両親にも罪を許して貰えるようにと嘘つくのは、もう心苦しくもなく心ではロミオのためにとしか思っていないだろうと思った。
乳母は部屋から出る時少し戸惑っているようで、明るいジュリエットではあるがきっとロミオの事を思っているに違いないと分かっていたのだと思う。乳母が出ていく時バタンと扉が閉まり、家族との縁を切った瞬間を表しているようで印象に残りました。

ジュリエットのシーンで1番好きなのは薬瓶を飲むシーン 薬を飲んだ後のことを想像し たくさんの不安に押しつぶされそうになるジュリエット あんなに無邪気な少女だったのにどんな恐怖にも立ち向かいあなたのためにと行動する強い女性へと変わっていく姿が尊敬できるほどかっこいい美しさがありました。

ジュリエットの死に気づいた乳母のシーンから一気にロミオのところへ悲報が届くシーンへ バルサザーの報告を受け運命の星よ来るなら来いと一緒に寝ようと決意するところが、ただただジュリエットだけを想い自害をやめた過去を思い出し、ジュリエットがいない世界で生きる価値はないと心に誓っているようでした。

薬屋とのシーンは ジュリエットと同じように少年だったロミオが愛する人に出会い 人を殺し愛する人を失ったという色々な人生の早回しにより一気に大人になっているようでした。

ロミオとパリスの殺陣のシーンはもう既にティボルトを殺した上に死ぬためにジュリエットの元に来たロミオにとってパリスを殺すのはためらいもないんだろうなと思う迫力あるシーンでした。

ジュリエットの傍で最後を噛み締めジュリエットと同じ死を選んだロミオはジュリエットのいない世界で生きるより 死ぬ事で幸せになれると信じ毒薬を飲んだのだろうと思った。目覚めたジュリエットは想像していた絶望より圧倒的な悲劇が目の前にあり、即座に後を追うことを決意し短剣で自害する

ロミオは仮死状態と知らなかったから最愛の人が亡くなったなら同じく死を選んだ ジュリエットも最愛の人が死んだなら私も死ぬという同じ気持ちで亡くなっていった
お互い同じ気持ちで後追い 愛する人を想う気持ちはリアルティが強いけど 仮死状態という現実ではありえないからこそ物語としての結末が魅力的で素敵でした。たくさんの愛に包まれたくさんの命が失われた物語 結末は悲劇であったからこそたくさんの人の心に残る作品なんだろうなと思いました。

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