見出し画像

「飛ばない豚は、ただの豚だ」ではない、『紅の豚』のもう一つの名言

緊急事態宣言が出て、家で過ごす時間が増えた。もっと自宅で充実した時間を過ごしたい、と思うようになったとき、思いついたことがあります。

それはジブリ作品のBlu-rayを毎月1枚ずつ買う、ということ。


Netflix、Amazon Prime Video、Huluなど日本には数々の動画配信サービスがあるけれど、スタジオジブリの映画作品は未だ国内では配信されていません。

先日宮崎駿さんの初監督作品『ルパン三世 カリオストロの城』を視聴してから、ジブリ作品(宮崎駿監督作品)が無性に観たくなってしまった私。
けれどしばらく金曜ロードショーでの放映予定はない模様。

なるほど!
ならば、買うまで!!

第1弾は『紅の豚』を買いました!!!


かっこいい大人の映画『紅の豚』


『紅の豚』は、豚になってしまった人間、ポルコが飛行艇で空を飛び回る、ちょっぴりビターな大人のアニメーション映画。

『紅の豚』(くれないのぶた)は、1992年に日本のスタジオジブリで制作された長編アニメ映画作品。原作は月刊モデルグラフィックスに連載していた漫画『宮崎駿の雑想ノート』の中の「飛行艇時代」。
監督は宮崎駿。前作の『魔女の宅急便』に続いて劇場用アニメ映画の興行成績日本記録を更新した。

(Wikipediaより引用)

舞台は世界大恐慌の時代のイタリア、アドリア海。
飛行艇を乗り回す空賊と、それを相手に賞金稼ぎで生きる主人公・ポルコの物語です。

彼の「飛ばない豚は、ただの豚だ」というセリフはあまりにも有名かと思います。

※「飛べない豚」だと思いこんでいたのですが、正しくは「飛ばない豚」でした!修正しました。

「完全な悪人」なんているのだろうか

私が『紅の豚』を好きな最大のポイントは、登場するキャラクター全員が一人も「完全な悪人」として描かれていないところです。

映画は、主人公のポルコが誘拐された幼稚園児達を救いにいくところから始まります。この幼稚園児たちを攫おうとしているのが、空賊のマンマユート団。船を襲い女の子たちを連れ去るなんて、なんて悪いやつらなんだ!!……と思うかもしれませんが、この人たち、めっちゃ気の良い奴らなんです。

音楽も軽快で爽やかなものが流れていて、思わず笑みがこぼれてしまう。敵対する人たちのことも、宮崎監督は愛をもって描いています。

このキャラクター描写に関連する監督の言葉として、金曜ロードショーの公式Twitterがこんなことをつぶやいていました。

宮崎駿監督は「紅の豚」の演出覚書で、
「主要な登場人物が、みな人生を刻んで来たリアリティを持つこと。
バカさわぎは、つらいことをかかえているからだし、単純さは一皮むけて手に入れたものなのだ」
と、人物描写は氷上の水上部分だと心得て手抜きは禁物だとしています。
男たちはみんな陽気で快活で、女性たちは魅力にあふれ人生を楽しんでいる、そういう映画を作ろうというテーマがあったそうですよ

なるほど!登場人物に深みがあり、単なる「悪役」として描いていないのはこういう想いがあったからなのか、と納得しました。


緊迫感がありそうなシーンに、その人らしい一言

キャラクターらしさが現れていて好きなシーンがあります。それは、フィオたちがポルコの飛行艇を新調して、明け方こっそり旅立とうと画策するシーン。

敵にはすでにポルコの飛行艇があることがバレていて、一刻も早く飛び立たなければならない。整備士であり設計士のフィオが、ポルコの飛行機に乗り込むことが決まって、いざ、旅立つ!というとき。

フィオのおばあちゃんがこう言う。

「フィオ、お土産はいらないからね」

まあなんと!このおばあちゃんの緊迫感のないこと!!笑

おばあちゃんは孫であるフィオの身を案じる言葉をかけるのではなく、フィオがきっと家族を気遣ってお土産を買ってくるだろうから、いらないよ、と今ここで伝えているのです。

私も祖父や祖母に「お土産はいらないよ」と言われたことがあります。だからこの言葉を聞いた瞬間に、ああ、おばあちゃんだ……本物の、孫を案ずるおばあちゃんだ……とものすごく感動してしまったのでした。

私はこのおばあちゃんのセリフが、おばあちゃんらしさを表していて最高に好きです。

旅立ちのシーンには緊迫感がある。なのに、この緊迫感のないセリフをしっかりと入れて一人一人のキャラクターを描写している宮崎駿さんは、なんてスゴイ人なんだろうか、と膝を打つばかりでした。


「私今、賭けをしてるから」マドンナ・ジーナが待つ庭

おばあちゃんのさきほどのセリフも大好きだけど、私がこの映画で一番好きなセリフを言うキャラクターはこの人。

飛行艇乗りたちの憧れのマドンナ、ジーナ。

主人公のポルコがかっこいいのは当然ながら、このヒロイン・ジーナがとてつもなくかっこいい。大人の魅力ってこういうことか……と高校生のときに観て震えた記憶があります。

私が好きなのは、ジーナが「賭け」について語るシーン。

私いま賭けをしてるから。
私がこの庭にいるとき、その人がたずねてきたら、
今度こそ愛そうって賭けしてるの。
でもそのバカ夜のお店にしか来ないわ。
日差しの中へはちっとも出てこない。

も〜〜〜〜〜!!!
もう!!!好き!!!(語彙力)

このセリフかっこよくって何度聞いても鳥肌が立ちます。
恋人同士ではない、でも強い絆で結ばれている二人。ジーナは、ポルコが会いに来てくれるのを庭でずっと待っているんです。くぅー。胸が苦しい。

『紅の豚』は「飛ばない豚は、ただの豚だ」というセリフが有名すぎますが、私はこちらのジーナのセリフも名言だと思うのです。

そのあと偶然、ポルコの飛行機が通りかかって、ジーナは庭の外へと駆け出します。庭には降りてこず、飛び去ってしまうポルコを見送ったあとで、ジーナは小さくつぶやくのです。

はぁ……好き……(語彙力)


ジーナの賭けの行方

ジーナの賭けが一体どうなったのか。劇中で言葉で語られることはありません。

ですが、映画をよくよく観ていると、クライマックスの後のとあるシーンで、ジーナの賭けがどうなったかを確認することができます。

そんな終わり方も、じーんと胸に染みていくようで私は『紅の豚』という作品が大好きです。

賭けの結末は、ぜひ本編映像で確認を。


この記事が参加している募集

コンテンツ会議

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
note.user.nickname || note.user.urlname

読んでくださってありがとうございます! サポートは映画を観たり、短歌の本を買ったりするのに使わせていただきます!

ありがとう!だいすし!(好き)
285
株式会社コルクにいます。短歌をつくったり、映画をみたり、漫画を読んだりしています。最近サウナーになりました。noteは、好きなものの素晴らしさを伝えるために書いています!よろしくお願いいたします!

こちらでもピックアップされています

note編集部お気に入りマガジン
note編集部お気に入りマガジン
  • 16442本

様々なジャンルでnote編集部がおすすめしている記事をまとめていきます。

コメント (1)
宮崎駿監督の作品の中で『紅の豚』が一番好きです。こんなかっこいい人いたらな、なんて。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。