【マグロラーナの二週間】 むつぎ大賞
流れ星すら見ることがなく(といってもシャトルも流れているのではあるが)もう70時間ほど経っただろうか、変わり映えのしない真っ暗な景色に飽き、船員が昼か夜かもわからないまま睡眠を貪っていたところでホノルルから通信が入った。コーディーはもうしばらくでマグロラーナにかなり近づくことを三度繰り返した後、宇宙での生活を冷やかすように酸味の強いコナをゆっくりと抽出する音を聴かせ、ふうふうとアロマを部屋に漂わせた後にそれをひと口啜る音をたてた。まったく嫌なやつだ、アンドレユスがそう言って