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ちょっと悲しかったこと

私には幼稚園の頃から知り合いで今でも結構仲がいい友人(Aちゃん)がいるんだけど、先日その子とご飯食べた時にちょっと引っかかることがあって。

Aちゃんはなんというか、自分の考えに絶対的な自信を持ってるような子で。そういう所も、どちらかと言うとハッキリと自分の意見を持つことが苦手な私にとってはすごく新鮮で好きだったんだよね。でもこの前ちょっと「あれ?」て感じたのは、恋愛について話してた時。

私は全然話のネタもないので聞きに徹してたんだけど、Aちゃんが急に「ねえ、早く彼氏作りなよ〜」て凄い色んな男の子を紹介してきたんよね。「正直今は全然恋愛したいとも思ってないし要らないよ」て言っても聞く耳持たずって感じで。

話逸れるけど、私たぶんかなりアセクシュアル寄りの人間なんだよね。完全にそうかどうかは分からないけれど、昔から他人の恋愛について話を聞いたりしても何一つ共感できなかった。すごく好みの男性がいても、その人を恋愛的に好きになることは今まで1度もなかったしその人と付き合うのを想像するだけで気持ち悪くなってしまう。誰かと付き合うことが全く楽しそうに思えない。ずっとなぜなのか分からなかったけど、最近「アセクシュアル」という概念を知って私ってこれに当てはまるのかも、と思い始めた。

恋愛感情が分からないことって高校時代の私にはとても辛いことだった。友達が次々と恋愛をはじめる中で私にはみんなの気持ちが分からない。それでもここ数年の間にちょっと大丈夫になってきてたの、少しずつ色んな人がセクシュアルマイノリティについて知ってきて、恋愛に絶対的価値を置くような話し方をする人が少なくなってきたから。

でも先日久しぶりにゴリゴリに「若い女の子は恋愛するべき!」ていう考えを、しかも信じてた友人に押し付けられたから少しびっくりして悲しくなった。

私、Aちゃんに「実は私、今まで他人に恋愛感情抱いたことないんよね。もしかしたらそういう人間なのかもしれないとも最近思う」て、カミングアウトまがいのことを言ってみたの、分かってくれなくてもきっと聞き入れてくれると信じて。でもそれに対して返ってきた答えは、「まだ好きな人に出会ってないだけだよ、絶対そう。だから早く見つけなよ!」

Aちゃんに悪気が無かったのはちゃんと分かってる。別に酷い言い方をされた訳でもない。でもね、自分のセクシュアリティがよく分かってない人間にとって、現時点でふわっと分かってる一部のことを否定されるのってすごくきついことなんだよ。ますます自分のことが分からなくなったり、自分には何かが欠落してるんだと思ってしまったりする。

ちなみにAちゃんは「好きな人以外とセックスなんてありえない!」ていう考えも持ってて、これについては「ワンナイトなんてありえない、気持ち悪い」とハッキリ言ってた。ワンナイトについてはもしかしたら世間一般的にはあまり褒められたことでは無いかもしれない、はっきりは分からない。でも世の中にはどうしたってセックスしてないと寂しくて、誰でもいいから繋がりたいっていう人だっている。私の友人にもそんな人がいる。だからAちゃんにそう言われたとき、私は自分の友人を否定されたようで悔しく感じた。

そう言えば少し前にも引っかかった事があったなあ。Aちゃんはたぶんホモフォビアでもあって。Aちゃんと仲がよかった友達(Bちゃん)が、バイであることを彼女にカミングアウトしたらしい。その時のことをAちゃんは「ちょっと気持ち悪いよね」て言ってた。この時も私は悲しかった。なによりBちゃんのことが可哀想に思えて仕方なかった。Aちゃんを信じてカミングアウトしたのに、Aちゃんによって陰で否定されて、アウティングまでされてしまったのだ。まあこの話はまた別の機会に話したいと思う。

私がアセクシュアルであるのと同じように、Aちゃんの考え方も変えられるものではないので、否定するべきではない。私はそういうつもりは全くない。むずかしい事かもしれないけど、「世の中には自分とは全く違う考えを持つ人がいるんだ」「今目の前で話してるこの人も実はそうかもしれない」って常に考えながら他人と関わることが大事なんだと思う。これはセクシュアリティだけの話じゃない。私自身、今まで自分の価値観を振るうことでたくさんの人を傷付けてきた。世の中には家族が居ない人、家族との仲が円満ではない人、自分の外見が物凄く醜く見えてしまう人など、たくさんの人がいる。「自分の価値観を相手に押し付けてないかな?この発言で相手は傷ついてないかな?」と常に意識して生きていきたいと思う。

これが最近あった悲しい話。人の振り見て我が振り直していこうと思う。

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