
「こんな私っておかしい?」という相談
Webメディアや新聞のお悩み相談のコーナーを、つい読んでしまう。
そこで、悩みの内容がどうこうというより、
「あの人にこんなことを言われてしまいました」
「こんな私って何かおかしいんでしょうか?」
「こんな考えは時代にそぐわないのでしょうか?」
といった質問の投げかけ方をしている人を見ると、わたしは、ものすごくイライラしてしまう。
暗黒面の私が登場し、
「はああああ???えっ、なに?その、インターネットとか新聞とかでしか知らない、当然会ったことも話したこともない、なんとなくあなたの悩みを解決してくれそうな雰囲気を醸し出してる回答者様に『いいんですよ、あなたはそのままで』って言ってもらったら、あなたは安心すんの!?それであなたの不安は解決なの!?
『そうですね、おかしいですね』って言われたら『そうかあ、おかしいのか..』って落ち込むの!!!!????(激怒)
あなたは!!どう思ってんの?!!あなたはどうしたいの??!!!!!」
ということを一気にまくし立てる(心の中で)。
するともう一人の冷静な私が登場し、
「いやいや..そんな怒んないで。落ち着いてよ…そもそも、あなたが相談されてるわけじゃないから、ね?一回落ち着こう!???
きっと、この相談者さんは..まあ何があったかわかんないけど、たとえば子供時代、親とか先生とかの目を気にして、優等生でいようとしすぎた過去があるとかで自分の気持ちを自分で把握するまでに時間がかかるとか…なんじゃないのかな?」
となる。
で、もう一度暗黒面の私が出てきてこう言う。
「はあああああ?なんだって?そんな気持ち!めちゃくちゃわかるにきまってるでしょ!だって、わたしもそうだったからね!っていうか場合によっては今でもそうだよ!」
完全な、脳内の茶番。
そう。というわけで、このイライラの理由はわかっていて、完全な「同族嫌悪」だろうな、と思う。相手が何を思ってそう言っているかが予想がついてしまうから。
*
「外から見て正しい私でありたい」
「私は間違ってない」
という気持ちは厄介だ。
「正しい」ってなんなんでしょうね。一体誰の目線からみた「正しさ」なんでしょうね。
*
どこかの誰かから見た「正しさ」に振り回されている人は、事前許可を取って心の安全基盤を作っておかないと不安で動けない。失敗する勇気がないから。失敗したら「死ぬ」くらいに思ってしまっているのだ。
「こんな私って何かおかしいんでしょうか?」
「○○しようと思うのですが、どう思いますか?」
って人の意見をいちいち聞きにいってしまうのって、ある意味、自ら批判されに行っているようなものなのに。人の意見を聞かなければ、反対もされないのに。
結局のところ、自分で決めて、失敗して、ちょっと反省して、やり方を変えてみて、っていうのを、繰り返していくのが一番早いし、満足度も高いのだ。
「こんな私って何かおかしいんでしょうか?」じゃなくて、「ちょっとおかしいってことは知ってるんだけどまあいいよね」くらいでいいのだ。いいってことにしよう。
というメッセージを、自分にも向けたところで終わります。
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