90年代V系を回顧する
私は2000年生まれだ。
90年代は一切生きていない。
そんな自分が高校生の頃、熱狂的に追っていたのが『90年代のV系』なのである。
そんなことを最近放送されていたMステスペシャルや関ジャムを見て思い出したため、せっかくなので記事にしようと思う。どっちの番組もすごく良かった…!
きっかけ
きっかけは五年前。
2015年の秋に放送していた、Mステのスペシャルを見たことだ。
X JAPANが紅を演奏しているのを見て、私は固まった。
『世の中にはこんなにかっこいい音楽があるの~~!?!?』って。全ての楽器も、ボーカルも主張している。そんなものを見たのははじめてのことだった。
その当時の私の当バンドへの印象は、YOSHIKIの首がやばい、ToshIが洗脳されてた、hideっていうとてつもなく派手だった人が死んでいるというレベル。ほぼ無知。
そんな色眼鏡で見続けていたバンドが想像の何百倍もかっこよかったのだから、夢中になってしまうのも無理はない。
その日から私は、X JAPANの曲を狂ったように聴くようになった。
通学時も、朝のHRまでの時間も、下校時も、常に私はX JAPANの曲を聴き漁ったのだ。ちなみにそれのしすぎで、その直後にあったテストでとんでもなく低い点をとったのを覚えている…先生ごめん…。
X JAPANは神だった
そう。聴き込んでいくうちに、X JAPANは私にとっての絶対神と成り果てた。
スタジオでとった音源も好きなのだが、とにかくライブがかっこいい。
京都スポーツバレーでのライブは特に勢いがあって好き。若気の至り~!って感じ。実際みんな若いからね。
1992年の1/5~1/7の東京ドームでのライブ、破滅に向かって。個人的には一番好きなライブ。ベースのTAIJI脱退前ラスト。勢いと洗練された感じがまざってる。
ラストライブは何回見ても悲しくなって泣いちゃう。どこかぴりついてるけどかっこよくてたまんない…。hideの服も好き。
Xに関しては、技術云々関係なしに惹かれる。超うまいかっていうとそんなことはないと思うし、技術だけを求めるなら海外のロックやメタルを聴いた方がいい。
それでも私の心を掴む何かがあるのがXだと思っている。
特にhide。彼は、気がついたら私の心を鷲掴みにしていた。
見た目も中身もかっこいい、正にカリスマ。
hideのソロ曲を聴くようになるまでにそれほどの時間はかからなかった。SNSで知り合ったファンはだいたいhide曲も網羅していたし当然のことっちゃ当然のことでもある。
彼のソロ曲の魅力その1。V系とは思えないくらい明るくて励まされる歌詞を歌う。でも鬱陶しいほど明るくはないのが好き。
hideソロ曲の魅力その2。ポップパンク色が強い。彼は相当色々な曲を聴いてたんだろうなって思う。Xでの曲より海外っぽいよね。
hideソロ曲の魅力その3。なんかもうよくわからないけどカリスマ性の塊。もっともっと見ていたかった、そんな存在。
世界で一番赤髪とモッキンバードが似合う。いつかギターを買うなら絶対モッキンバード買う。ろくに弾けないけどね~!
狭い範囲での多様化
Xを聴き込むなかで私はとあることに気づく。
『この時代の他のV系も聴いてみたらもっといいんじゃない…?』と。
当時青春あるある病み病み女だった私は、ここからもっと深い沼に落ちることになる。単純だからね!
LUNA SEA
はい、Xの弟分と言えばLUNA SEA。
LUNA SEAは、初期の頃の黒服時代も、人気絶頂期もかっこいい。Xと比べてスタイリッシュでテクニカルなサウンド。
そりゃ人気になるわって感じ。
今からしたら信じられないような派手さ。RYUICHIの歌いかたが今とはだいぶ違うし。たぶんこの時代はインタビューとかされてもろくに喋らない時代。笑
LUNA SEAと言えばやっぱりROSIER。SUGIZOのギターが超絶かっこいい。詳しい技術とかはわからないけど、LUNA SEAって演奏うまくないですか?
意外なことに、LUNA SEAはこういった曲も出来る。MOTHERは私がLUNA SEAの中で一番好きな曲。関ジャムでも特集されてた記憶ある。
LUNA SEAは今は相当丸くなったので取材にも明るく面白く答えてくれるし、微笑ましいおじさまでこれはこれでよい。
GLAY
一番大衆に売れたV系ってGLAYなのでは?V系カテゴライズでいいのかが正直微妙なレベルのバンドではあるけど、V系だよね?
V系嫌いなうちの父ですらGLAYは好きで、車で誘惑などがかかってたのを思い出す。
彼らの代表曲、誘惑。どのパートもギラついていてかっこいい。最近気づいたけど、ギターだけでなくJIROのベースがかっこいい。目立ちすぎず主張をしてる。
口唇のかっこよさは言うまでもない。テクノのような音とロックの融合って感じ。冒頭のサビと次からのサビが転調してるのがかっこいい。
SOUL LOVEは爽やかでいい。この前久々にMステで聴いて、やっぱりGLAYの魅力はこの感じだなと思った。
GLAYはHISASHIのツイッターがかわいかったり、TERUのMCがめちゃくちゃだったりで割とお茶目でとっつきやすい(気がする)。
L'Arc~en~Ciel
ラルクはV系じゃないって本人たちが言っているが、それは目を瞑ってほしい。
確かに曲を聴くと、V系らしくない曲もあるけど、V系好きには刺さる曲が非常に多いから…。仕方ないの…。
L'Arc~en~Cielと言えばHONEYって思っている人も多いはず。聴きやすいV系の代表格。静かなところから盛り上がるところまでの流れが非常に上手。
冬の名曲。この頃のhydeの造形の良さは異常(今もかっこいいけど)。ラルクってはじめて聴いたときからどこか懐かしいなって感じることが多い。この曲は特にそう。
超メロディアスでhydeの声がえろい。さりげなくギターとかもかっこいいと思うんだ…。キャッチーさと色気が共存した曲。
L'Arc~en~Cielと言えばhydeの歌唱力!みたいなイメージを持っているかもしれないが、実は楽器隊もとんでもなくいい仕事をしているのでその辺もしっかり聴いてみてほしい。
ベース始めてから気づいたけど、tetsuyaのベースは凄くよい(語彙力)。
黒夢
最近ダウンタウンなうにも出てた清春のいるバンド。清春と人時の二人体制。
男性人気も高かったV系(らしい)。割とパンクに近い見た目や曲調かなぁ。でも名古屋系っていうV系の1ジャンルにごりごり属してたバンド。
サムネに微妙に悪意を感じるがこれが黒夢の一番の代表曲だと思う。少年は冒頭のギターのストロークからかっこいい。最後の清春のシャウトがかっこよすぎて…!
解散直前期の曲。私はMARIAが一番好き。終始裏で入り続けるギターがかっこいい。V系とは思えないシンプルさで、バンドとして洗練されていると思う。人時のベースも最高。
最後に初期の頃の黒夢の曲をチョイス。このときはまだ臣というメンバーがいた。この時代の曲はまさにV系って感じで驚く。
黒夢は初期、中期、後期とかなり曲調が変化しているため、バンドの変化を見ることができて楽しい。ちなみに後期の二人の仲は最悪だったんじゃなかったっけか?
再結成もしてるよ。
MALICE MIZER
マリスはGacktがいたときしか分からないけど、キャラクターの一貫性、完成度の高さが卓越していると思う。
見慣れるまでは見た目にぎょっとするし、見慣れても深夜にはあまり見たくないけど笑
この曲だけは知ってる人も多い。シンセ多用されてるから、バンドサウンドにはほど遠いけど頭に残るメロディー。PVも好き。
au revoirはフランス語でさようならという意味。秋から冬にかけて聴きたくなる、切なくて北風が吹いているような曲。バイオリンがいい味を出している。
マリスは振り幅がすごいので、こういった曲も演奏することが出来る。PV貼るか悩んだがちょっと初見ではきついのでやめた。電子音の扱いも実は上手いバンド。
キャラクターの作り方とかはかなりこのバンドを模しているところは多いと思う。きちんと演奏力もあるのが魅力。
まさにV系って世界観を味わいたいなら是非。
その他雑多
何曲もきちんと聴いたのは上記のバンドくらいなのだが、他にもちょこちょこ知っている曲はあるので貼ってみることにする。
ボーカルのHAKUEIの美しさが永遠に変わらないのは何故。このPVだけ見るとちょっと笑っちゃうかもしれないけど、
Imitation Loveはかなりの名曲なのでこちらもセットで聴いてほしい。ボーカルの癖は強めだけど案外曲はシンプルなのが多い。
Xのhideが横須賀サーベルタイガー時代に一緒に演奏していたメンバーがいるバンド。デランジェと読む。彼らの知名度はそれほど高くないけど、この後現れたV系にかなり大きな影響を与えているので是非。
私はMOON CHILDはV系だとは思わないけど、割とV系にカテゴライズされているようなので。ESCAPEはエモくておすすめ。ギターがかっこいい。
多くの人にカバーされているこの曲も聴いてほしい。SIAM SHADEですね。明るくて聴きやすくておすすめ。
終わりに
これほど熱く記事を書いておいて、今はもうだいぶV系から離れてしまった。
それでも、時々無性にV系が聴きたくなる。
V系の曲は私に寄り添ってそっと励ましてくれる。私の気持ちを代弁してくれる。嫌いになんてなれない。
V系は私のホームだ。
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